アートを介すと、意外と簡単に「壁」はなくなる。伊藤いづみ

クラファン応援チームのみなさんから寄せられた
「わたしとすんぷちょ」のストーリーをお届けします。

今回は、すんぷちょをきっかけに

障がい×アートの世界に飛び込んだ伊藤いづみさん。

「生活の中ではなかなか取り払えない "壁" が、

　アートを介すことで意外と簡単に見えなくなる。」

そんな想いをつづってくださいました。

 

 

すんぷちょとの出会いは2014年。

当時、1歳の娘と一緒に「オドリノタネ」に参加したのがきっかけでした。

 

その頃の私は、障害のある子どもを連れて外へ出ることに抵抗がありました。

同じ年ごろの子供が集まる場所へ行くと、どうしても引け目を感じてしまい

発達の遅い娘を他の子と比べては、心の中で自分を責めることもありました。

 

そんな私にとって、誰でもウェルカム！な、すんぷちょは、

とても居心地が良く、そこに集まる人たちは、

ひとりひとりが自分の表現を持っていて、魅力的な人ばかり。

 

 

小さな体をたくさん動かして、自由に人と人の間を行き来する娘の姿と、

それを温かく見守り、一緒に楽しんでくれる人たち。

 

すんぷちょのみなさんとの関わりを通りして、

子どもが自分の力で成長する瞬間や、

親の私たちが知らなかった娘の魅力に気づくこともできました。

 

娘の刺激になればと参加した「オドリノタネ」から、

どんどん世界が広がって

家族で舞台に立ったり、大勢の人とダンスを踊ったり。

 

娘が障害を持って生まれたことで、

私たち家族には、想像もしていなかった豊かな時間が流れています。

 

 

私は今、障害のある人の芸術活動を支援するNPO団体で働いています。

専門的な知識も経験も無い中、日々、働きながら学んでいるところですが

障害のある人にとって自分を表現する機会の大切さ、

またそれを継続して行くことの必要性は身をもって感じていて、

以前の私のように、不安を抱えているお母さんが少しでも希望を持てるように、

大人になった娘が、地域の中で自分らしく暮らせるように。

私にできることを探している途中です。

 

そして、今の想いのすべては、

すんぷちょとの出会いから繋がっているものです。

 

小学生になった娘の周りには、少しずつ壁が見えてきました。

すんぷちょには無い壁です。

 

ふだんの生活の中で、この壁を取り払うのはなかなか難しいことですが

アートを介すと、意外と簡単にその壁が見えなくなって、

言葉以外のコミュニケーションが生まれたりします。

 

その積み重ねが、小さな花がぽつぽつと咲いていくように、

みんなの気持ちをちょっと軽く、明るくするものに変わる気がします。

 

すんぷちょスタジオが素敵なのは、

誰にとっても、いつでもそこにあることだと思います。

 

 

新しいつながりがたくさん生まれることを楽しみにしています。