限りある小さな命が輝く場所「横浜こどもホスピス」完成へ

支援総額

7,394,000

目標金額 3,000,000円

支援者
437人
募集終了日
2020年3月9日

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2020年02月04日 17:41

東京慈恵会医科大学教授・柳澤隆昭先生からメッセージ!

柳澤隆昭(やなぎさわたかあき)と申します。

私は、脳脊髄腫瘍と眼部腫瘍を専門とする小児科医です。

 

私は、漠然と、こころの医療に携わる医師になりたいと思い医学生となりました。その私が小児科医に、そして固形腫瘍を専門とする小児科医にと思うようになったのは、学生時代の2つの出会いでした。4年生の夏休み、大学での実習より1年早く、F県の大きな病院の内科の実習に応募しました。その中でICUに案内されたとき、3歳の女の子のところに案内されました。トリーチャー・コリンズ症候群の子と説明を受けましたが、後に思い返すと気管切開を受け人工呼吸器が繋げられ、しかし目を覚ましていて、看護師さんがひとり付きっきりで絵本を読んであげていました。枕元には「ラジカセ」が置かれ、そこから「夜明けの来ない夜はないさ、あなたがポツリ言う」と言う歌が聞こえていました。5年生になって小児外科の臨床実習中に、3歳の腹部腫瘤の女の子が入院してきました。様々な検査を受け、肝臓の両葉にまたがる大きな腫瘍があることが明らかにされ、腫瘍生検を受け、肝芽腫と診断を受けたところで、1ヶ月の実習は終わってしまいました。とても印象に残り、実習担当の先生に話したところ、ご家族にお願いしていいと言っていただけたら、ほかの科を回っている時もずっとお見舞いに行ってあげなさい、と言われました。お母さんの許しを得て、退院されるまで1年近くお見舞いに伺いました。

 

将来小児がんを、特に固形腫瘍を専門とする医師にと思い描いた時、一番心配だったのは、当時も治らない病気が多かったので、子どもが治らないことに自分が精神的に耐えられるだろうかということでした。力を尽くしたにも関わらず命を救うことができないというときに、自分はそれに本当に耐えられるのだろうか?

 

そのようなとき、刊行されて間もない、Peggy AndersonのChildren’s Hospitalという本(1985年初版)を読みました。アメリカの有名なフィラデルフィアPhiladelphia小児病院を取材し書かれた本で、病院で治療を受ける子どもたちと家族、医療スタッフ、そして病院そのものを、詳細に実際その場に立ち会っているかのように思えるほどに描いており、まだ経験したことのない様々な小児医療の現場から、子どもたちや家族、スタッフの思いまで教えてくれる本で感動的しました。本の中で、冒頭から登場し、この本の主人公に近い役割を果たすのがマークMarkという嚢胞性線維腫症(cystic fibrosis、CF)の男の子です。CFはこの本が書かれて35年もたった今も, 治療は進歩しながらも根治的治療の見出されていない病気です。本の中では思春期に達したマークと家族、医療スタッフ、牧師さんなど他のスタッフ、入院している他の子ども達とのやりとりが詳細に書かれどこもとても印象的です。その中でマークの主治医アーンショー医師(Dr. Earnshaw)についても多くのページが割かれています。アンショー医師は結核を専門に呼吸器専門の医師として出発し、やがてこのCFを専門とするようになったといいます。決して治癒することなく進行して亡くなっていくCFの子どもたちばかりを診ていく仕事に、どうしてあなたは耐えられるのですかとしばしば多くの人から尋ねられてきた、と書かれたのちアーンショー医師の次の様な思いが描かれます。

  He tolerated his job by defining it carefully. Cure was out of the question, so cure was not the aim. Rather Earnshaw strove to look after his patients as best he could for as long as they live. As best he could, he orchestrated good deaths for them so that they and their families got something positive out of the experience and did not fall apart. He viewed the children’s lives as poems. A poem could be short or long. Its merit did not correlate with its length. Virtually always life of a child with cystic fibrosis was a short poem. Daniel Earnshaw saw his role as helping to make that short poem work.

(アーンショーは、自分の仕事を注意深く定義することでそれに耐えていた。治癒は問題外と言ってよく、従って治癒は目的ではなかった。むしろアーンショーは、子どもたちが生きている限り、最良のケアができるようにと懸命に努めていた。最良のことができれば、管弦楽曲に編成するように良い死を用意し、子どもたちや家族がそこから何かポジティブなものを得て、壊れてしまうことのないようにすることができる。アーンショーは子どもの命を一篇の詩だと考えていた。詩は短いものもあれば、長いものもある。良い詩であるかどうかは長さとは関係がない。事実上ほとんど常にCFの子どもの命は短い詩であった。ダニエル・アーンショーはそのような短かい詩が詩となるようにと助けることが自分の役割だと考えていた。)

 医学生としてここを読んだ時、自分が耐えられるかという疑問・心配に初めて応えてくれるように思いました。このような短い詩が良い詩として成り立つのを援けることに努める意義、あるいはそこにも医療者の役割があることをしっかり教えてくれ、納得させてくれるような気がしました。

 

 幸いにも医学は進歩を続けており、私の専門とする領域でも、不可能が可能になる瞬間に立ち会うことができるようになりました。治癒を目標とすることなど問題外と思われていていたのが、可能になった病気がいくつもあります。しかしながら、一方で、今日もなお治癒のへの道が見いだせていない病気もあります。さらに広く世界の子どもたちの状況を見渡すならば、上の本が書かれた時と同じような状況にある子どもたちとそのご家族が今もたくさんおられます。

 

 子どもたちの命が詩であるなら、その良さはその詩の長さとは関係がないこと、一方それが良い詩、そして素晴らしい詩であるようになお我々にはできることがあるということは本が書かれた当時も、今も変わらないと思います。

時に病気からくる様々な苦しい症状、あるいは辛い状況に向かい会っている時にさえ、子どもたちとご家族にふと訪れる幸せな時間というものがあります。幸せは頭で先に考えるものではなく、ほんのちょっとした心地よさ、あるいはその積み重ねがもたらしてくれることが多いように思います。そうした幸せなとき(瞬間)、そしてその記憶が、なお辛い現実と直面する毎日をおくる子どもたちとご家族を支えているものだと思います。

 ホスピスは、いろいろな大切な役割が期待されていますが、自分たちだけではなかなか実現できないそのような小さな幸せな時間を作るのを助ける場であると思います。

自宅ではとても難しかったみんなで一緒の、美しい風景を眺めながらのお風呂の時間は、すぐに心地よさをもたらし、いかにも即効性があるように思われます。きっと幸せな時間を作ってくれることでしょう。

 そのようにして、たとえ短時間であっても、見守られながら、すっかり安心して幸せな時間を過ごせること、そしてその記憶が、何よりも子どもたちとご家族を支えるものと思います。

 

子どもの命は、一編の詩、その詩が素晴らしい詩となるように、幸せな時間、その記憶を積み重ねることができますように、どうぞみなさまのご支援をお願い申し上げます。

 

 

+++++

 

柳澤先生は当団体の理事にもなっていただいています。

先生、いつも応援をありがとうございます。

 

クラウドファンディングの概要はこちらです。

リターン

3,000


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横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。

支援者
140人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

10,000


alt

横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します

支援者
231人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

30,000


alt

横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します。

支援者
35人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

50,000


alt

横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します。

支援者
10人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

100,000


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横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載
● 開設式にご招待


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します。

支援者
19人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

300,000


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横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載
● 開設式にご招待


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
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支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

500,000


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横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載
● 開設式にご招待


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します。

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

1,000,000


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横浜こどもホスピス 立ち上げを応援!

● 感謝を込めたお礼のメール
● ホスピスにお名前掲載
● 開設式にご招待


※ ご支援いただいた支援金を手数料を除きすべてを浴槽の建設費用に充てさせていただきます。
※ お名前の掲載場所に関しましては施設建設後に決定致します。

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

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