こどもまんなかテラス

▼自己紹介

　私は日頃、保育園や幼稚園、こども園などでこどもたちの「あそびの環境」をデザインし、リノベーションをしたり「こどもたち主体の保育を実践するための環境づくり」についての研修を実施したりすることを主な仕事としております。

 

 

 

しかし近年は、歯止めがかからない少子高齢化、保育士不足の問題、それに加えて全国的にも大きく報道されたいくつかの事件・事故の影響等、「保育」を取り巻く社会的な環境が日々厳しくなっているのを実感として感じておりました。

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

 

　2023年４月にこども家庭庁が創設され、「こどもまんなか」「こどもまんなか社会の実現」といった理念が示され、こども基本法が制定されたことは、この国のこども政策の転換点の到来と感じ、個人的にも大きな期待を持っていました。

 

　しかし、一方で同じ時期に仕事を通じて、「充分な広さの園庭があるのに、近隣からの要望でこどもたちを園庭で遊ばせられない」「こどもたちの声に対する近隣の苦情に堪えかねて閉園を決めた」といった話を耳にしました。

 

　本来この国にとって、年々出生数が減り続ける中、生まれてきてくれるこどもたちは一人ひとりが大切な「宝」のはずなのに、そんなこどもたちに大切な育ちの場がどうしてこんな状況になっているのだろう？

 

　もしかすると、私たちが気が付かないうちに社会の中では、「こども」「子育て世帯」が社会的マイノリティになりつつあり、極端に言ってしまえば、自分の子育てがすでに終わっていたり、元々興味関心がない人々の多くにとっては「こども」「子育て世帯」には欠かせない大切な環境も、自分たちの生活には関係ない不要な環境だと感じているのではないか？

だとしたら、このような環境下でこども家庭庁がどんな発信や政策を試みても、「こどもまんなか社会」なんて実現できないのではないか？とそんな悲観的なことを考えていました。

 

 

そんな中、2023年11月に自由ヶ丘駅近くの「窓際のトットちゃん」の舞台となったトモエ学園の跡地できた de aoneという新しい商業施設にできた素敵なテラスで開催されていたイベントにお邪魔する機会があり、そこで参加させて頂いたトークイベントは会場の雰囲気と相まってポジティブで対話的で穏やかで笑顔が溢れるとても楽しく感動的なものでした。

 

 

　これまでも、そして今もずっと、保育者・教育者の皆さんはたくさんの学びの場や機会を自ら創り、「保育の質の向上」「こども主体の保育・教育」の実現に向けてご尽力されている姿を私は知っています。

ただ、それが専門家の集まりになってしまっていることで、その大切な学びや知見が社会と充分共有できていなかったのだろうとも感じていました。

 

　でも、きっとこんなオープンな気持ちの良い、多様な目的の人々が行き交うテラスで保育者・教育者のみなさんの深い学びや熱い想いを「こどもまんなか」「こどもまんなか社会」というテーマを通して語り、来場者の方々とも対話できるイベントを実施したら、今まで「こども」「子育て」に無関心だった人たちにも少しでも興味関心を持ってもらえるのではないか？

 

そんな想いからこのイベントの企画は始まりました。

 

そして、多くの「こどもまんなか」精神に溢れる保育関係の先生方や、社会活動に高い志を持って取り組んでいる方々、遊びを通してのこどもたちの育ちを考えているワークショップ実践者の皆様のご理解とご協力を頂き、イベントの姿少しずつ見え始めてきました。

 

 

 

 

▼プロジェクトの内容

 

 

「こどもまんなか」を様々な切り口から考え、語り合うTALK LIVEとこどもたちが楽しく遊び、学べるWORK SHOPで構成されています。

 

イベント名称　こどもまんなかテラス

 

開催日　2024年5月11日（土）　5月12日（日）　＊雨天中止（秋の開催時に内容をスライド）

 

イベントの主な内容　トークイベント及びワークショップの実施

 

施設運営　　株式会社アーキネティクス

 

企画・主催　株式会社スタジオクラウド

 

 

 

〇トークライブの内容と予定

 

 

〇ワークショップの内容

 

 

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

今回のイベントをパイロットイベントと捉え、イベントを行う中で、その効果や価値についてのケーススタディに主眼を置いています。

そのため、「こどもの意見表明」をテーマにした各出店ワークショップとトークライブが連携した「こどもまんなかワーク」の実施等、実験的な要素も取り入れ、今回を皮切りに気候の良い春と秋の年2回このテラスで切り口を変えながら、継続的に「こどもまんなか」「こどもまんなか社会」について考え、語り合うイベントを行いたいと考えています。

 

また、この自由ヶ丘だけでなく、全国の様々な場所でこのようなオープンな形で「こどもまんなか」を語り合える場を創出し、「こども」「子育て」「保育・教育」の社会的価値の向上を目指しています。

 

そして、このような活動が「こどもまんなか社会」実現の小さな一歩になればと願っております。