支援総額
目標金額 1,000,000円
- 支援者
- 202人
- 募集終了日
- 2021年8月26日
和白と朝鮮半島のつながりについて(1)
福岡朝鮮初級学校のある和白(わじろ、福岡市東区、旧・糟屋郡和白村)と朝鮮半島との深い関係について、いくつか紹介します。
まずは、和白という地名の由来についてです。
調べていたら、意外なことが判明しました。
■和白地名の起こり
糟屋郡出身の言語学者、中島利一郎氏は『神功皇后御軍議地としての和白』と題してレポートを発表しましたが、その中で『日本議会最初の発源地は、筑前和白であると言ったら、人は定めて驚くであろう。しかし東洋言語学的に和白という言葉は議会という意味なのであります。そして筑前和白は神功皇后三韓征伐の御軍議場としてその機能を発揮したのである。…中略…そして神功皇后の和白に於ける国家的議事の如きは、日本最初のものであったと言って良いと思う。』とあります。
「和白」の地名は、豪族たちが集まって熊襲征伐や三韓出兵の大軍議をした事から起こり、いつしか地名として定着したものと考えられます。
ふる里のむかし わじろ
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/12463/1/wajiro.pdf
東区和白地区歴史ガイドマップ
和白地区ガイドマップ 2021年2月 さんぽ会《和白グループ》
和白というのは新羅の言葉で“会議”のことであり古代満州語、モンゴル語に共通している。『新唐書新羅伝』に「事必ず衆を議す。和白と号す。一人異とすれば、すなわち罷む。」とあり、『満州源流考』にも「事衆と議し和白を号す。按ずるに満州語赫伯は商議なり。これと音議ともに相和す。」とあり和白はHabe、赫伯はHebeでほぼ同じである。この“和白”の文字だけが伝わって読み方は日本流に“わじろ”となったものであろう。
福岡歴史探訪 東区編
柳 猛直 著
海鳥社 1995
金達寿氏は『日本の中の朝鮮文化』というシリーズを著わし、その中でも、古代の北部九州と朝鮮半島南部は「同一文化圏」であるとして、北九州における韓国由来の地名に注目し、点々と刻まれた地名を列挙している。以下、金達寿(1986)および同(2002)に依拠しつつ、氏が注目した地名をたどってみよう。
朝鮮半島南部から北九州への海路で、移住民は博多湾の周辺を通ったはずである。(中略)この志賀島のつけ根に和白町(わじろちょう)というところがある。和白とは何であろうか。
和白(わじろ)は日本語の訓読であるが、韓国語で読むと「ファベック(화백)」である。このファベックは、韓国人ならば馴染みのある新羅語で、「評議」を意味する。なぜファベックという地名が北九州に存在するのだろうか。それは新羅の移住民の帰巣本能を淵源としているのかもしれない。というのは、古代三国の一つである新羅は当初、斯廬族を中心とする六つの部族の連合で成り立つ国であり、その連合の評議が「ファベック」だったからである。
豊国を古訓で「韓国(からくに)」と読んでいたと、先に金沢庄三郎氏の指摘を引用したが、それはまさに新羅であったと考えられる。また比較言語学者の中島利一郎氏はその著『日本地名学研究』において「和白」について次のとおり述べている。
・東洋言語学的に、和白といふ言葉は、議会といふ意である......和白が議会の意であることは、新羅語が然りであり、満州語、蒙古語がそれを旁証してゐる......(中島利一郎、1959、676)
・而して日本では、......地理的に其の場所を明示することの出来るのは、実に筑前和白であるのである。和白は即ち......議会を意味する新羅語であった......(同上、684)
「和白」が評議や議会を指す言葉(新羅語)であるのは確かなことであろう。
古代北九州と朝鮮半島南部との共同文化圏について
http://repository.seikei.ac.jp/dspace/bitstream/10928/1148/1/asia-43_81-97.pdf
金 政起(韓国外国語大学校 名誉教授)
Review of Asian and Pacific Studies No.43
神功皇后(じんぐうこうごう)(※)は、日本書紀によれば、日本の第14代天皇・仲哀天皇の皇后で、「熊襲征伐」(畿内のヤマト王権による北部九州征伐)中の西暦200年2月の仲哀天皇死去後、摂政として201年から269年まで政事を執り行なったとのことです。熊襲征伐後、直ちに朝鮮半島へ出兵し、「新羅は戦わずして降伏して朝貢を誓い、高句麗・百済も朝貢を約した」といいます(「三韓征伐」)。
福岡県内をはじめ北部九州には神功皇后に関する伝承や由来とする地名が非常に多く残されている一方で、「日本書紀」「古事記」の記述と他の史実や文献との多くの不整合性などから、現在では神功皇后の実在説と非実在説が並存しており、実在の女帝・斉明天皇(37代)や持統天皇(41代)をモデルにした“伝説”という説もあります。三韓征伐についても、4世紀の倭国(ヤマト王権)の朝鮮半島“進出”については中国・朝鮮の文献や考古学資料、高句麗の広開土王碑文等によって証明されているが、日本書紀にいう三韓征伐とは時期が大きくズレています。
(※)「神功皇后」とは後に命名された中国風の諡名であり、『日本書紀』では気長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)、『古事記』では息長帯姫大神(おきながたらしひめのみこと)と称される。
しかし、神功皇后の存在と三韓征伐が史実でないなら、和白の語源とされた軍議の存在はどうなるのでしょうか?
軍議がおこなわれた場所は、島見山(現:和白4丁目付近)とされていますが、中島利一郎氏の推論と「和白」=「ファベック(화백)」=「会議」を具体的に実証し結びつけるような発見が今後なされるのでしょうか。それとも、「和白」=「ファベック(화백)」=「会議」と、三韓征伐の軍議のことは、別のこととして考えるべきなのでしょうか。
あと、『日本議会最初の発源地は、筑前和白であると言ったら、人は定めて驚くであろう。しかし東洋言語学的に和白という言葉は議会という意味なのであります。…』と言われても、現代の私たちの感覚では「軍議」と「会議」「議会」を一緒にされるのもなぁ、という思いはあります。
参考文献:
和白郷土史「ふる里のむかし わじろ」和白郷土史研究会 2006
「福岡歴史探訪 東区編」柳 猛直 著 海鳥社 1995
【注】「和白」の由来については、諸説あります。
(柴田一裕)
リターン
3,000円
応援3,000円コース
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3,000円
手作り栞3,000円コース(数量限定)
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5,000円
応援5,000円コース
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5,000円
エコバッグ5,000円コース
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応援10,000円コース
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10,000円
キャラメル観劇10,000円コース
劇団石ひとり芝居キャラメル福岡公演(10月16日13時コミセンわじろ)チケット1枚をお送りします。
コロナウイルスの影響によりキャラメル福岡公演が中止となった場合、公演可能な状況になった際に必ず再公演を行います。再公演のチケットをお送りいたします。
- 支援者
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30,000円
応援30,000円コース
感謝のメールをお送りします。
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- 6人
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- 2021年9月
30,000円
キャラメル観劇・Tシャツ30,000円コース
・劇団石ひとり芝居キャラメル福岡公演(10月16日13時コミセンわじろ)チケット1枚
・劇団石オリジナル オーガニックコットンTシャツ
をお送りします。
コロナウイルスの影響によりキャラメル福岡公演が中止となった場合、公演可能な状況になった際に必ず再公演を行います。再公演のチケットをお送りいたします。
- 支援者
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50,000円
応援50,000円コース
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- 5人
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- 2021年9月
50,000円
キャラメルペアチケット・Tシャツ・エコバッグ50,000円コース
・劇団石ひとり芝居キャラメル福岡公演(10月16日13時コミセンわじろ)チケット2枚
・劇団石オリジナルオーガニックコットンTシャツ
・劇団石オリジナルエコバッグ
をお送りします。
コロナウイルスの影響によりキャラメル福岡公演が中止となった場合、後援可能な状況になった際に必ず再公演を行います。再公演のチケットをお送りいたします。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月