ファシリティドッグの寄り添いを未来へつなぐプロジェクト2021

 

私と夫がシャイン・オン！キッズの前身となるタイラー基金を始めたとき、私たちは日本の病院に犬がいるようになることを夢想だにしていませんでした。

 

シャイン・オン！キッズの前進であるタイラー基金は、東京で生まれた愛児タイラーが生後1か月で白血病と診断され、2年間毎日病院に通院した経験に基づいて設立されました。

ほかのご家族と同じように、私は自分の人生のすべてを止めて、毎日病院に行くことに集中しなければなりませんでした。私だけでなく、すべてのご家族の方々は、自宅から離れて多くの時間を過ごすことにとても苦労していました。そして、子供の体調の変化に一喜一憂しストレスを抱えていました。

 

団体の発足当時、私はアメリカとオーストラリアを訪れ、他の国の病院でどのような支援プログラムが行われているかについて学びました。
私がハワイの小児病院を訪れ、病院の中にある食堂の前を通りかかったときでした。大きなもふもふしたゴールデンレトリーバーに向かって小さな女の子が走り寄ってゆき、しっかりと抱きしめる光景を目の当たりにしたのです。

私がすぐさま歩み寄っていくと、私に語りかけてくれました。

「この子はタッカー。私の命の恩人なの！」

私は意味が分からずにいると、女の子は、こう続けてくれました。
「重い病気でICUに1カ月いたとき、動くことも、何もできないでいた私に、タッカーが毎日、会いに来てくれたの。タッカーは添い寝をしてくれただけだけれど、またタッカーに会いたいから、明日も頑張ろうと思ったの。」と教えてくれたのです。

 

その時、日本の病院にもファシリティドッグが必要だと確信したのです。タッカーが子供の人生と病院にいる全ての人々の人生をどのように変えたかを垣間見ることができたからです。

 

どのようにして犬を探し、飼っていくのか。運営資金をどのように調達するのか。課題は山積みでしたが、それでも、必ず日本の病院にファシリティドッグをという強い思いがありました。

 

日本で初めてのファシリティドッグ・チームが活動を開始して11年を経て、私たちの団体は、日本国内3つの病院でファシリティドッグ・プログラムを展開しています。さらに来年からは、ファシリティドッグとして活動を開始する犬を自らトレーニングして育成するまでになりました。私とタイラー基金を信頼してこの夢を実現し、全国の小児病院にファシリティドッグを展開するための礎を築いてくれた森田優子とベイリーにとても感謝しています。

 

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、私共の団体は大きな困難に直面しています。私共が展開するファシリティドッグ・プログラムをこれからも継続し、日本全国に広めていけるよう、今、皆様からご支援をいただいていることに深く感謝申し上げます。

 

言い尽くせぬ感謝を添えて。

 

認定特定非営利活動法人　シャイン・オン・キッズ

理事長
キンバリ・フォーサイス

 

 

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