独りで悩まないで。全国の女性医師たち15名と、苦しむ女性を救いたい

ー現場ではどんな活動を行い、どのように女性達をフォローされていたのでしょうか。

分娩も取り扱っている施設ですので、経済的に分娩費用の支払いも困難という方や、シングルマザーだったり、実親、.義理親との関係性がよくなく産後のサポートを得られない妊婦さんを行政をつなげたり、精神疾患を抱えてこれからの出産育児に不安を抱えている妊婦さんに対して精神科医師と連携したり、出産後の親子が社会的に孤立しないよう関わってきました。
 
また、その中には明らかにDVや児童虐待の可能性がある方もいました。
 
富山県の性被害ネットワーク医師でもありますので、性被害にあった方が警察に届け出された後の診察にも協力していますし、被害にあって当院を受診された方はワンストップ被害者支援センターにつないでフォローをお願いすることもあります。
 
 
ー今までサポートしてきた女性たちは、どんな背景の方が多くいらっしゃったのでしょうか。
 
DVに関してはごく普通の家庭と思われる方もいれば、夫が明らかに私たち医療者に対しても攻撃的な方もいて一概には言えないです。
 
 
ー女性たちは、どのようにして先生方のもとに相談に来るのでしょうか？
 
DVに関しては体調不良を訴えて来院され、よくよく話を聞いているとDVが背景にあったりします。
 
性被害も最初は避妊に失敗したとだけ問診票に記載していて、緊急避妊ピルを処方してほしいのかなと思い、どういう状況で避妊に失敗したのか聞いてみると「実はレイプされて……」という話になることがあります。
 
注意して観察しないと見逃す可能性もあり、注意して診察しています。
 
 
ー今まで先生が活動をしてきた中で、個々だとフォローでききれなかった課題でも、財団という形にしたことでフォローできる内容が増えたことなどがあればお教えください。
 
自分一人では経験もそれほど多くないですが、経験豊かな先生方に相談することで対応の幅が広がるのではないかと思います。また、逆に私でお役に立てることがあれば……という思いもあります。
 
自分の中ではこれからは自院に通院されている患者様のみならず地域や全国にいらっしゃる患者様のお役に立てる機会につながると思っています。
 
 
ー最後に、今回のクラウドファンディングへの思い、フェムシップドクターとしての思いをお教えください。
 
「すべての女性の幸せのために、すべては女性の幸せのために」をメインコンセプトとし、16年間クリニックで診療してきましたが、自分一人、クリニックで待っているだけではお役に立てていないことがたくさんあると思っています。

少しでもこのプロジェクトを通して何かお役に立ちたいです。