子どもたちに開かれた保護犬猫の触れ合い譲渡施設、25年越しの改修へ

暑い日も寒い日も、雨の日も台風の日も、散歩も行けず。

ゴミだらけの、廃棄物だらけの屋上。いや屋上だけではなく、3階建ての部屋、階段いたるところ、歩ける所がない。10匹の猫もいた。

 

ご親戚の方の依頼で、犬達を保護することになった。猫達はすでに他団体さんに依頼されていた。さて、どうやったら犬達を保護できるか。

 

首輪無。リード無．どれほど馴れているかわからない。

階段は登って上がれるところもない。

歩ける場所をまず作った。

それから、毎日、エサとおやつをもって、通う日々。

 

首輪をつけてリードを付けて一緒に歩いて出られるか。

ケージに入れて、屋上からクレーンで下すか。ロープで下すか。

 

屋上の入り口に、1頭の子が顔を出してくるようになり、手からおやつを貰ってくれるようになった。少しずつ少しずつ仲良くなった。

 

何週間かかっただろうか。一緒に階段を降りれるようになって、最後の一頭を残して3頭保護できた。私達が依頼で保護に入る前に一頭はすでに亡くなっていた。残念だった。

 

間もなく最後の一頭は捕獲器で保護することになり、4頭が無事にシェルタ―に入ることができた。

 

過酷な環境にいながらもきっと飼い主さんはそれなりに可愛がっていたのだと思う。環境の変化におびえながらも、性格の良い、穏やかな4頭だった。

 

肝臓や乳腺炎、けいれん等を持ちながらも、新しい家族を探しながら、2度の譲渡経験も積んで、3頭は高齢の為、命を全うした。

 

大和、撫子（なでしこ）、きぬかつぎ、そして、卑弥呼。

 

現在、卑弥呼は元気に、シェルターの他の仲間と一緒に仲良く暮らしている。

散歩に行ったことのない卑弥呼は、リードを付けると、固まってびくともしない。又は、急に飛び出して走る。外で迷子になるのが不安で、皆と同じように毎日の散歩には行けない。

 

数週間前から、卑弥呼の病院通いがあった。毎週の投薬の為、検査の為、３階のシェルターから抱いて下して車に、病院でも、診察室まで抱いて移動。いやはやこの卑弥呼の体重の重さには、病院通いは心臓の悪い私には苦行だった。

回復してくれた時には、心底ありがたいと思った。

現在シェルターには１３歳のゴールデンレトリバーがいる。

歩けなくなったら、どうしようと、抱いて３階までの上り下りはきついだろうなと。ギリギリ最後まで歩いていてねと、願わずにはいられない。

 

猫達も１０匹以上いて、犬達も５匹いて，片付けもままならず、人間高齢者での生活で、多くの動物と住むのには絶対に無理がある。

 

世間を賑わす多頭崩壊は、人間、社会的問題としても取り上げ、早目の解決策を考えなければいけないだろうと思っている。表に出にくい、出た時にはすでにひどい状況になっている事が多い。

 

100匹以上の犬猫の相談が舞い込み、ヴォランテイアが奔走する前に。

行政の指導も含め、早目の解決策をと願う。