プロジェクト概要

 

 「京都市上京区」と「まるごと美術館」

 

 こんにちは、「まるごと美術館」を運営している菅と申します。

 

 「まるごと美術館」は上京区の寺院や神社、町家などを会場として、伝統工芸品の展示やアート作品の展示を行う連続開催的な取り組みです。

 

 

「京都市上京区」〜 さぞ賑わっているエリアなんだろうというイメージとは裏腹に

 

 私の地元である「京都市上京区」は京都駅からも、河原町エリアからも、たったの30分。区内には京都御苑・北野天満宮・晴明神社・西陣エリアを初めとした数々の有名観光地もあり、近年の外国人観光客の増加も手伝ってさぞ賑わっているエリアなんだろうというイメージを、もたれるかもしれません。

 

 私は小さな商店街で生まれ、育ちました。物凄く温かい地域で、幼きころは近所の方々に声をかけてもらったり、あめちゃんをもらったりしていました。私は大人になり、自分の夢や目標を達成することに夢中になりました。アパレルショップを初め、八年間経営しています。必死で働くうちに、いつの間にか地元のことには無関心になっていました。

  

 ある日私が上京区を歩いていると、衝撃的なことに気づきます。昔あったはずの店がなかったり、いるはずのおっちゃんや、おばちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんがいなかったのです。すでに自分を可愛がってくれた方々はもうそこにいない。それに気づいたときは、ただただ寂しい気持ちでした。

 

 近隣の方々にお話しを伺うと、地域に人が来なくなり、商売がうまくいかなくなったと。昔のような活気もなく若者も少ない。後継者問題も発生している。少し話をしただけで問題だらけでした。確かに私が幼かったころは活気もあり、みんなが笑顔でした。

 

 私は自分に何かできないかと思い、色々考えました。その結果、とにかく上京区の魅力を発信しながら大人数を地域に呼び込みたいと思いました。さっそく地図を開きどこに人を集めるか、何をして集めるかを毎日、毎日考えました。

 

 

目に入ったのは"ひしめき合う"神社仏閣

 

 地図上で目立ったのは神社仏閣!広大な敷地面積のお寺が所狭しと立ち並んでいました。その中には自分も知らず、おそらく多くの人がよく知らないお寺や神社もたくさんありました。しかし、知り合いのお坊さんにそのようなお寺の一つを紹介してもらい訪れてみると、そこにはとても京都らしい景観の境内に立派なお堂が立ち並んでいました。とてつもなく綺麗で、風情溢れる景色に心が癒されたことを今でも覚えています。ただし、四条通や京都駅付近で見かけるようなあの国籍豊かな人混みはありませんでした。ポツポツと拝観者を見つけられる程度。こんなに素晴らしいところなのになんで誰もこないのか?不思議で仕方ありませんでした。

 

 私はこのお寺でイベントをして、多くの人に来てもらえばいいのではないかと考えました。お寺側にこんなことがやりたい!あんなことがやりたい!と話してみましたが、自分の想いばかりが先行して全然うまくいきませんでした。考えてみれば、どこの馬の骨かわからない奴に大切な場所を貸すはずもありません。あっけなくその時は砕け散りました。私は諦めがつかず通って通って通って。お寺の掃除や草抜き、雑用などを頼まれてもいないのに勝手にやってました。気がつけばなんと、一年半も。

 

 そんなことをしているうちにわかってきたのですが、このような立派なお寺でも近年は人口減少の影響を受けて檀信徒が減り、長く維持してきた立派な境内・建物を維持しつづけるのが実は難しくなりつつあるそうです。日本には77,000*の寺院がありますが、すでにその約4分の1にあたる20,000*以上が無人になっているということもこのときに知りました。まだ誰かの手で管理されているお寺も管理者の高齢化や信徒の減少により今後同じように維持していくことはどんどん難しくなります。

* 鵜飼 秀徳(2015). 寺院消滅 日経BP社 p.15.

 

 私はおこがましくも、この状況も何とかして変えることはできないか?と思いました。長く続いてきた美しい景観と人々の心の拠り所を何とかして残していきたい、と。

 

 

伝統文化とつなげる、というアイデア。

 

 想いが伝わったのか話は急展開します。お寺でイベントを開催させて頂けることになったのです。

 

 お寺を昼夜に渡り参拝可能にし、夜間はライトアップをすることに決めました。ライトアップはふつうなら機材や工事代で500万〜1,000万かかると言われましたが、そんなお金はないので、自分でどうしたら綺麗にできるかを調べたり、知り合いに聞いたりしてなんとか準備を整えました。

 

 こうして準備に追われる私にある友人が助言をくれました。「ライトアップなんか京都中あちこちにあるやん。その中でなんでわざわざ上京区まで行かなあかんのか。イベントのコンセプトをもっとはっきりさせたほうがいいんちゃう。ただのライトアップやなくて、上京区ならではのことをやる。そうせんと一般の人には魅力が伝わらんと思う。」と。

 

 私はまた地域の人に相談をしました。そこでわかったのは、上京区には数多く伝統文化の担い手がまだまだ残っていること、そしてその伝統文化も寺社同様に、衰退傾向にあることでした。

 

 これでようやくコンセプトがはっきりしました。伝統文化を通じて地域の活性化を図る。寺院や神社の場所をお借りして、伝統工芸品の展示を行う。若者が普段触れることのない分野のものを全面に出して寺社仏閣の素晴らしさや伝統工芸品の魅力を伝えていく。来場して頂いた方には地域に存在する商店街や喫茶店、ごはん屋さんなどを紹介して地域散策をしていただく。大人数を会場に集めて、地域に分散する。これが理想のカタチだと思いました。

 

 そんなこんなでイベントに対する来場者数は開催する度に増えていき、新聞にも取り上げられ、初めは800人程度だったイベントも今は4000人弱まで増えました。能衣装や、絵画、仏画、様々な作家さんの協力もあり広いお寺を埋め尽くすほどの展示物にお寺は大賑わいになりました。

 

子どもとともに作る日本庭園 〜 200年後の「名勝」を目指して

 

庭師・皆川拓哉さんとの出会い

 

 イベントで様々な作家さんと仕事をする中で、私はある熱い職人に出会います。その名は皆川拓哉さん・31歳。彼は庭師で普段はお寺や有名ホテルなどに日本庭園を造っています。

 

 

そんな彼は言います。

 

 「このままいけば本当の伝統産業はなくなってしまう。若者や子どもたちがあまりに無関心だと思う。ただ、それは若者や子どもたちが悪いのではなく、彼らに魅力を伝えられていないこちら側の責任じゃないかと思っている。魅力を次の世代に伝える場が作れていない。それを作りたい。」

 

と。私は彼の真っすぐな気持ちに心をうたれました。

 

 「どうしたら伝わるかな?」

 

私は聞きました。

 

 「できれば、若い世代や子どもたちと一緒に庭をつくりたい。その庭をずっと残して、その次の世代、その次の次の世代に、過程とともに見てもらいたい。」

 

 

何百年もの歴史を持つ場所に、何百年後も残る庭をつくる

 

 私は彼のその夢が素晴らしいと思いました。一緒に追いかけたい、叶えたいと思いました。中途半端ではいけない、今後何百年残るものにしたい!そう強く思いました。では、日本庭園が似合う場所、何百年残せる場所はどこか。考えて行くとやはり「お寺」に行き着きました。何百年もの歴史を持つ場所に、何百年後も残る庭をつくる。

 

 もちろんその両方が存続の危機に瀕している組み合わせではあるわけですが、だからこそ、次の世代に残す、魅力を伝えるためにはふさわしいのだと思いました。

 

※妙顕寺の特別拝観に合わせて、皆川さんが展示した作品。
 このときは屋内の仮設展示ですが、
 今度は本当にずっとこの先も残るお庭を作りたいと思っています!

 

お寺探しと驚きのGoサイン

 

 あとは、この想いに賛同して土地を与えてくれるお寺を探すのみ!時間があればお寺を巡り、プロジェクトの内容を住職に話ました。ただ、やはりそんな甘くはなく、数えれば交渉した数は20件を超えていました。でも彼の熱い想いに応えたくて諦めることはできませんでした。

 

 私は、ダメ元で「本法寺」という寺院に伺ってみました。本法寺はたくさんの芸術家との繋がりを持ってきた由緒正しきお寺です。その「巴の庭」はなんとあの本阿弥光悦が作り、国の名勝に指定されています。また安土桃山・江戸時代初期の画家である長谷川等伯が巨大な涅槃図を残していることでも有名です。
※本法寺:https://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/info/info.htm

 

 このようなお寺に庭を作る相談をするなんて、それだけで恐れ多いのですが、そこはあたって砕けろ精神で相談してみると、なんと若者の真っすぐな想いに賛同して下さり、大きな土地を与えて下さることに!二度とないチャンスが巡ってきたのです!嬉しくて、嬉しくて、すぐに皆川さんに連絡をしました。「本法寺さんが協力してくれるってさ!」皆川さんもすごく感動していました。立派すぎるお寺に庭を造れる!こんなチャンスはもうない!

 

 伝統文化、日本の侘び寂びを伝えるお庭を子どもたちと一緒に作りあげる。それもまたとないこの場所で。私が知る限り日本初の試み!

 

 だれか有名人が作り上げる庭ではありませんが、今の伝統文化が窮地に立たさせている状況で踏み出すこの第一歩は歴史的な意味があると本当に思っています。200年後の人々にとっての「名勝」を作ることができるのではないか、それほどに考えているのです。

   

  

▼プロジェクトの展望・ビジョン

  

   上京区本法寺の境内に、200年以上残る庭を地域の子どもたちとともに

   作り上げます。

 

   ■造園予定地の現況

 

 

   ■スケジュール

    ・2019年7月末  造園作業開始

    ・2019年8月〜  夏休み、土日等に

              子どもたちと共同作業

    ・2019年10月末  造園作業完了

    ・2019年11月   まるごと美術館で公開

 

   ■子どもたちとの共同作業の想定

     子どもたちとは「霰こぼし」を中心に共同作業を行います。

     参考)霰こぼし

 

▼リターンについて

 

以下の4種類のリターンをご用意させていただいております。

 ・造園を行う本法寺からの

  拝観券・御朱印

 ・庭師にしか手に入らず、

  本法寺が特別に手を加えた贈呈品

  (京都7名石)

 ・造園過程のわかるポストカードや

  記録ムービー

 ・造園した庭における、

  人生の節目に向けた記念撮影

 ・庭園内にお名前の記念刻印

 

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・プロジェクトの終了要項
2019年12月1日までに、本法寺で日本庭園をオープンさせたことをもって、プロジェクトを終了とする。 
・関連事項
※着手予定日:2019年7月30日
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