【水・衛生問題】下水管を設置し、ガザの子どもたちを守りたい！

2021年5月にパレスチナ自治区ガザ地区で起こったことを前回の記事でご紹介しました。
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区は、長期にわたって衝突と停戦を繰り返してきました。多くの子どもたちが、暴力、破壊、身内の死による苦しみを経験し、瓦礫と化した家屋や建物の間を歩き、数千世帯が避難を余儀なくされる、こうしたことを何度も経験している子どもたちがいる状況です。
 

このような厳しい生活環境の中でもセーブ・ザ・チルドレンのサポートを受けながら、将来への希望を持とうとする少女がいます。

＜さまざまな困難を乗り越え、いつか弁護士になりたいと語るガザの少女アマニさん（16歳）＞

16歳のアマニさんは10歳だった時に経験したつらい話を聞かせてくれました。
ある日、ロケット弾がアマニさんの住まいの近くの建物に命中し、その建物の瓦礫が飛んできて自宅が破壊されてしまいました。当時、アマニさんは10歳。家族は一命をとりとめましたが、今でもあの日に起こったことの精神的苦痛に苦しんでいます。
 

攻撃を受けた後、住む家を失ったアマニさん一家は2ヶ月近くにわたって学校で生活しなくてはなりませんでした。父親のアブドゥラさんは、娘たちがトイレに行くときでさえ、嫌がらせや虐待を受けるのではないかと、心配で夜も眠れなかったと語っています。一家はすべてのお金を失い、その後の数年間は、食べ物や衣服をはじめ生活必需品でさえ買うことができませんでした。

このつらい経験は、6年経った今でもアマニさんに影響を与えています。
「この紛争が終結した今でも、不安や不眠、悪夢に悩まされています。学校に行くときも、外に出るときも、爆撃があって自分の身に何かが起こるのではないかと不安でたまらないと言います。私が望むものは自由、そして恐怖を感じることがない日常です。もっとも、ガザに暮らす少女の多くにそういった日常はありませんが・・・。」と話すアマニさん。
 

彼女は、これまでの衝撃的な経験による強い精神的苦痛を受けてから4年が経っていました。こころのケアが必要な状態でしたが、これまでその機会はありませんでした。しかし、数ヶ月前からセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体による個人セラピーとカウンセリングを受けています。ケースワーカーによると、アマニさんと出会った当初、彼女は悲しい気持ちを抑えることができませんでした。でも、今では少しずつ良くなっています。また、紛争が与える影響は、少女と少年とでは異なり、少女は内向的で不安になり、またしばしば制約を受けることもあります。そして、夫が（少女を）守ってくれるという考えから、児童婚になってしまうのです。

こころに傷を抱えながらも、彼女は希望に満ちていて、いつかは弁護士になりたいと考えています。アマニさんは、人々に正義をもたらし、法廷に出て人々の権利を守りたいと語っています。