今回は、私、藤﨑が出会った元ストリートチルドレンの女の子ハシナちゃんについてご紹介します。

 

2001年から2年半年、バングラデシュの首都にあるダッカ事務所へ赴任して以降、駐在員生活は合計11年となりました。そのうち6年半はバングラデシュです。最初に担当したのは、村から都市に出てきて路上で働き生活するストリートチルドレンの支援です。バングラデシュでの生活は言葉も習慣も違い戸惑うこともしばしばでしたが、親元を離れて路上で生きる子どもたちのたくましさに励まされました。

 

当時5歳くらいだったハシナちゃんは、私の姿を見ると駆け寄ってくれたものです。いたずらをされたら、その子が年上でも本気で怒る気の強いところがある一方、辛いことを思い出して涙する子どもにそっと寄り添うことのできる女の子でした。

 

そのハシナちゃんがストリートに出てきた直接のきっかけは父親の再婚でした。精神的に弱ってしまった母親はハシナちゃんの面倒を見ることができず、「おばさん」の元に預けられたそうです。血のつながりもない「おばさん」から家事を命じられましたが、小さい彼女にはとても辛く家を飛び出してしまいます。路上にいたところを私たちが保護して、施設で生活をしながら学校に通っていました。NGOスタッフをしながら大学に進学、18歳からは母親と一緒に暮らせるようになりました。

 

ドロップインセンターで歌うハシナさん(一番右)

 

実はハシナちゃんと出会った当初、私は彼女が使用人として働いていることに気づいていませんでした。最初の駐在を終え、出張ベースで訪問を繰り返す中である日ふとその事に気づいたのです。子どもたちの痛みを理解しようと努力してきたつもりの私にとって、身近な彼女のことすら思いやることができなかった事実に大きなショックを受けました。

 

それ以降、私は判ったつもりにならず子どもに接しようと肝に銘じています。

 

今、ヘルプセンターで出会う少女たちと向かい合うときも。

 

かつて通ったドロップインセンターでスタッフとして働くハシナさん

 

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