プロジェクト概要


 

ピラミッド研究の大転換!仮説先行ではなく現場検証から真実を導く。

 

はじめまして、エジプト考古学者の河江肖剰です。2006年から世界遺産のひとつであるメンフィス・ネクロポリス地区のピラミッド群の3D計測調査を行っています。

 

数年前より、産学官共同の「オープンイノベーション・プロジェクト」を推進してきました。(GIZA 3D Surveyチームメンバー)

 

これは、研究機関だけでなく、さまざまな異業種や異分野と協力することでイノベーションを起こし、ピラミッド建造の謎を解くプロジェクトです。

 

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▲世界初、ドローンでのピラミッドの詳細な画像データ収集に成功!

 

 

驚かれるかもしれませんが、実は多くのピラミッドの測量データは半世紀以上前の古いものです。しかもそのほとんどは、内部の通路や部屋などピラミッドの一部を記録したものであり、ピラミッド全体の建造に関わる「石組み構造」「裏張り石」「化粧板」などは、正確なデータがほとんど取られていません。

 

ピラミッド建造方法には、数え切れないほどの仮説がありますが、どれも仮説のままです。その理由は、これまでの現地情勢や技術的制約のため、まだピラミッドの全体像を正確に測量したデータが揃っていないためです。刑事事件に例えれば、4500年前に起こった事件の現場検証はまだ終わっていないということです。

 

私たちのチームでは2017年に、株式会社テレビマンユニオン、米国ナショナルジオグラフィック協会、株式会社アミューズワンセルフ、アペオ技研などの協力を得て、世界で初めてドローンを使って、ギザの三大ピラミッドの詳細な画像データを得ることができました。

 

そして現在、この膨大な画像データを用いて詳細な3Dデータを作り、ピラミッド建造の謎を実証的に解こうとしています。

 

▲プロジェクトへの想い(エジプト考古学者 河江肖剰)

 

 

多くのハードルを超えてようやく今。膨大な画像を、正確な解析データへ。

 

2017年の現場調査で、実に30,000枚近くの画像をドローンの空撮によって取得しました。この調査は日本国内のみならず欧米でもニュースになり、私も米国ナショナルジオグラフィック協会や、ハーバード大学に招聘され、成果の一部を発表することができました。

 

しかしそれらはあくまで一部のデータであり、全体的にはまだまだノイズや欠損箇所が多く、データの解像度も低いため、ピラミッドの謎を解くには、もっと精密​データを生み出さなければなりません。

 

この理由ひとつには、現場において、私たちでドローンを操縦することは許されず、軍から特別に許可された現地スタッフに委ねるしかなく、こちらが望む品質の撮影ができなかったことにあります。

 

そのため、謎を解くためのデータ精度は、後のデータ処理に懸かっています。ただでさえ膨大な画像データであるにも関わらず、3Dデータを生成するデータ処理には、さらに通常の何倍もの計算コストと労力がかかることになりました。

 

   

 

この1年、さまざまな方法を試みましたが、いまの私たちチームにおける資材、人材、機材環境では、三大ピラミッドすべての精密なデータ処理を完遂することが難しい状況にあります。

 

▲ドローンで撮影した大ピラミッドの頂上部

 

そこで、今回、クラウドファンディングによって処理環境を大幅に強化し、プロジェクトを新たに推進させます。そして、これまで誰も見たことがないピラミッドの3Dデータを生成し、古代の謎に挑みます。

 

この3Dデータが完成すれば、ピラミッド建造に関わる「石組み構造」、「裏張り石」、「化粧板」のデータが得られ、さらに、伝統的な考古学の基礎である精密な実測図も作ることができ、それらの情報から石材がどのように組み合わさっているのかが明らかになります。つまり、最新技術を用いた実証的なアプローチによって、ピラミッド建造の謎に挑むことができるのです。

 

 

異分野との協力があったからこそできる!実証的な建造解明へ。ついに!

 

未だに『仮説』の範囲を越えないピラミッドの石組み構造

 

現在、ピラミッド研究は大きな転換期を迎えています。これまで謎とされていたものの多くは解明されつつあります。

 

例えば、数十年前までは、奴隷が建造に関わっていたとされていましたが、私の先生でもあるマーク・レーナー博士によって「ピラミッド・タウン」が発見されたことにより、人々は豊かな生活を謳歌しながら、ピラミッドを造っていたことが分かってきました。

 

一方、新たな謎もでてきています。それはピラミッド内部に「未知の空間」が宇宙線によって発見されたり、クフ王の時代に遡る「最古のパピルス文書」が解読されたことで生まれたものです。こういった様々な研究調査が進む中、現在でも解けていない謎があります。それが「ピラミッドの建造方法」です。

 

ピラミッドの建造方法の主な仮説

 

建造方法が謎である理由の1つは、データが少ないからです。例えば、現在、ピラミッドの外装を覆っていた良質な化粧石はほとんど失われており、露出しているのは「裏張り石」です。この石材は化粧石と内部のコアの間に設置されたもので、化粧石を支える、あるいは運搬と関わる建材だと考えられていますが、形状データがないため、その機能は明らかになっていません。

 

この裏張り石のデータに加え、古王国時代のピラミッドは建造技術が高く、保存状態が極めてよいため、内部の「石組み構造」も明らかではありません。推測されているのは、以下の3つです。

(1)外側と同じように、整形された石が内部でも水平に積まれている形

(2)石材がピラミッドの中心に向かって傾斜しながら重ねられ、レイヤー状の「付加構造」になっている形

(3)全体を構造的に支える階段状のコアが内部にある形

▲左から、水平の石積み。内部にレイヤー状の付加構造。内部に階段状のコア。

 

 

しかし2013年と2015年に私たちのプロジェクトが3Dモデルを生成した結果では、大ピラミッドの北東の角80メートル地点にある「窪み」や「洞穴」から、充填材を用いた複雑な構造であることが示唆されました。さらに頂上部のデータから裏張り石の構造が、一部明らかにされました。

 

※ 充填材…単なる石積みではなく、瓦礫やモルタルや砂など、石と石との間にいれる建材。

 

▲「窪み」と「洞穴」の立面図(左)、3Dデータから生成した頂上部の平面図(右)
色は奥行きを表している。

 

 

3Dデータが解き明かす4500年前に起きていたこと

 

この3Dデータが完成すれば、裏張り石の構造、化粧板や内部コアとの関わり、表面に見られる奇妙な凹みなどについて記録・表現することができます。

 

これらの情報は、石材の運搬方法である傾斜路の形状、化粧板の設置方法、そしてピラミッドが4500年なぜ崩れないのか、などを解き明かす研究の重要なデータになります。これまで解き明かされこなかった、ピラミッドがどのように石材を組み合わせているのか解明することができるのです!

 

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▲ノイズが出ている状況。
このようなデータからノイズをなくし、精密な3Dデータを生成し、基礎データを作り上げる。

 

 

みなさんの応援が推し進める世界中のピラミッド研究

 

ご支援金は、三大ピラミッドの3Dデータの生成・解析、そして公開していくための費用に充てさせていただきます。この基礎データの公開までが実現できれば、ピラミッドに関わる他の研究者にも重要なデータになります。

 

 

第一目標:800万円 

新たに資材、機材、人材を得て、ポストプロセッシングを行う処理環境を強化し、ギザの三大ピラミッドの詳細な3D測量データを生成します。(2019年6月完成予定)

 

第二目標:1400万円 

失われた「化粧板」の石材量や、大ピラミッドの4面に残る奇妙な凹み、「裏張り石」と呼ばれる化粧板と内部のコアを繋ぐ石材の役目などをデータから紐解きます。そして、それらのデータを用いて現場調査を行い、考古学的・建築学的見地から実証性のある説を提示します。

 

第三目標:2000万円 

三大ピラミッドの3Dデータやそこから作り出す画像処理データを公開することで、世界中のピラミッド建造方法の研究を飛躍的に進展させます。

 

 

主要なピラミッドの3Dデータの公開によって、当時の社会の変容を明らかに!

 

ピラミッド建造の研究は、単体で見るより、通史的に解析することで、建造技術の変化を明らかにすることができます。さらに、ピラミッド・タウンから出土した遺物やパピルスや碑文の文字資料などと相互に関連付けることで、多面的に当時の社会の変容を理解することもできます。

 

私たちは2006年からの3D計測調査を行っており、すでに7基のピラミッドの3Dデータを取得しています。それぞれのデータは、私たち含めた日本の大学機関、民間企業、エジプト考古省、米国古代エジプト調査協会、チェコ・エジプト学研究所がステークホルダーとして著作権を所有しています。

 

このクラウドファンディングの成功をした暁には、各ステークホルダーと調整し、将来的には、それら全ての3Dデータを公開していきたいと思います。それによって、現在のピラミッド研究をさらに大きく変え、世界中の研究者と知恵を合わせ、考古学における最大の謎であるピラミッド建造方法を、歴史的な流れの中で解明したいと思います!

 

▲アブシールのピラミッドの3D調査を行うチームメンバーたち。

 

 

リターンのご案内

 

 

ご支援いただいた方々へのリターンの早見表です。詳細はそれぞれのリターンページをご確認ください。

 

 

 

 

   

GIZA 3D Survey-主要メンバー紹介-

 

 

 

 

 

 

 

 

*注1

3Dデータの生成はクラウドファンディング終了後、最短で半年と見積もっています。3Dデータの解析と考古学的解釈も最短で半年、3Dデータの公開はそこからさらに半年を予定しています。しかし予期せぬことが発生し、作業の中断や遅延が発生する可能性もありますので、予めご了承下さい。その場合には、活動報告のメールマガジンでお知らせ致します。

 

*注2

リターンの発送は、日本国内に限らせて頂きますので予めご了承下さい。

 

*注3

今回のプロジェクトは、研究機関だけでなく、民間企業を含めた、さまざまな異業種や異分野からなるオープンイノベーション・プロジェクトであるため、税制優遇を受けることはできません。予め、ご了承下さい。


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