突如、八丈島に現れたザトウクジラ。変化する生態系の謎に迫る！

　ご覧いただきありがとうございます。

　八丈島沖のザトウクジラについて、船上目視やソングのチェック、遺伝子の解析などを試みる本プロジェクトですが、クラウドファンドの募集期間は残すところ16日となりました。

　ツイッター等でも多くの方々に情報を拡散していただいております。先日は、海鷹祭（東京海洋大学の学園祭）のマルシェに出店されていたハンドクラフト作家さまがリツイートしてくださっているのを発見し、感激いたしました…（注：鯨類学研究室には、うみたかマルシェのファンが多数在籍しています）。皆様に応援していただき、心から感謝いたします。

 

　一番好きな鯨類について、研究室内でアンケートを実施いたしました。11月29日の新着情報では回答のあった鯨種のうち、ハクジラ類に属する種類を好きな理由とともにご紹介いたしました（こちら）。今回も研究室内アンケート結果の続きをお送りして参ります。

 

 好きな鯨種（げいしゅ）はなんですか？

 

　まずは、ヒゲクジラ類のセミクジラ科の2種です。セミクジラ科は大きな頭が特徴で、畝は発達していません。ヒゲクジラ類の中でも古い時代に出現したグループです。

 

ホッキョククジラ（Balaena mysticetus）

　名前の通り、北極圏周辺に住むクジラです。氷の海の中を泳ぐ姿を想像してください。好きな理由は「幼少時にフィギアを持っていたから」だそうです。

 

セミクジラ（Eubalaena japonica）

　セミとは夏の昆虫ではなく、水面から現れる背中の様子が語源のようです。「顔がカワイイから」ということで選ばれました。海洋大にもセミクジラの全身骨格がありますので、機会がありましたらぜひご覧になってみてください。

 

 

　続いて、ヒゲクジラ類ナガスクジラ科2種とムカシクジラ類バシロサウルス科の1種をご紹介いたします。

 

 

ミンククジラ（Balaenoptera acutorostrata）

　中村玄先生の一番好きな鯨種です。「体の色がおしゃれ（白い腕章）、ナガスクジラ科最小種」という特徴に加え、学生時代からの研究対象種なので思い入れがあるとのことでした。

 

ザトウクジラ（Megaptera novaeangliae）

　本プロジェクトの対象種、ザトウクジラです！好きなポイントは「アクロバティックな動き」だそうです。長い胸びれを活かした多様な行動はザトウクジラの特徴のひとつです。

　今年11月26日の調査でも、八丈島のザトウクジラがブリーチングしている様子が観察されておりますが（報告記事はこちら）、個々の行動がどのような意味を持つのかについては色々な説があります。ザトウクジラの生態について、少しでも明らかにできればと日々研究に励んでおります。

 

バシロサウルス（Basilosaurus isis）

　最後にご紹介するのはバシロサウルスです。『そんなクジラいたっけ…？』と少し焦った方、ご安心ください。3000万年以上前に生きていた、すでに絶滅している種です。鯨類の仲間がハクジラ類とヒゲクジラ類に分かれる前の古いグループ、ムカシクジラ類に分類されます。上の図は骨格の資料から描いた私なりの想像図ですので、あまり正確ではないと思います、申し訳ありません…。「頭が異様に小さいから」一番好きだと回答されました。

 

 

　以上で、鯨類学研究室のメンバーの一番好きな鯨種紹介を終わりにします。皆様の好きな鯨種は出てきましたか？

　次の八丈島沖調査は12月9日以降を予定しております。クラウドファンディングの締切は12月21日までとなっておりますので、引き続き情報の拡散にご協力いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。（廣瀬）