肝炎に苦しむアフリカの人を、日本の医療で救いたい！

　私は、ピースウィンズ・ジャパンで、アフリカ肝炎事業のリーダーをしている榛田（はりた）敦行と申します。

　今回は、私たちのプロジェクト「肝炎に苦しむアフリカの人を、日本の医療で救いたい！」にご支援をいただき、本当にありがとうございました。心から御礼を申し上げます。

　「毎日新聞」と「佐賀新聞」でご紹介いただいたこともあり、みなさまからいただいたご支援は、ここまで、クラウドファンディングをはじめ、総額で460万円以上になりました。心から御礼を申し上げます。

　このいただいたご支援で、現在、ブルキナファソの国立ムラズ研究所にフィブロスキャンを贈呈し、現地の患者団体・NGOに活用してもらうべく、覚書の締結や購入（フランスからブルキナファソへの輸入）事務などをすすめているところです。医療関係のみなさまをはじめ、多くの方々にご助力をいただいておりますが、治安状況もにらみつつ、早々に現地にフィブロスキャンを納品し、そして可能なら年明けにも、今後の支援に関する現地調査を行いたいと考えています。

　何度も申し上げていることですが、この肝炎プロジェクトのきっかけは、私の前職にさかのぼります。私はピースウィンズ・ジャパンで働く前、Ｂ型肝炎訴訟の事務局に務めていました。その中では、本当に多くの患者さんのお話をうかがう機会があり、みなさんの壮絶な人生をうかがっては驚き、そして、肝炎という病気への理解も深まりました。

　また、私も恩師や友人を過去に肝炎で亡くしているのですが、2000年に新しい治療法「核酸アナログ製剤」が使えるようになったことも、前職のときに知りました。この新しいお薬のおかげで、早期に感染を発見して、きちんと治療を続ければ、もう私の友人のように命を落とさなくてすむ、そういう時代が始まっていることも知りました。

　ただ、アフリカやアジアの国々では、残念ながら、そこまで到達していません。先進国では「治せる病気」になったウイルス性肝炎で、今も大勢の方が命を落としています。西アフリカでは、子どもの頃にＢ型肝炎に感染した大勢の方が、30代、40代で肝がんや肝硬変を発症し、命を落としているそうです。

　日本でも、かつて「国民病」と言われていた肝炎を、様々な方の努力によって克服してきました。現在では、国際的にも肝炎対策がもっとも進んだ国のひとつと言われています。

　その日本の経験や技術などをいかしながら、国連が2030年の達成をめざす肝炎「排除（elimination）」にむけて、アフリカの肝炎対策に貢献したいと考えています。長年、アフリカで肝炎対策の研究に取り組んでこられた島川祐輔先生にもアドバイスをいただきながら、ピースウィンズ・ジャパンという一つのNGOとしては、肝炎対策に貢献できる支援モデルを作り、国際社会に肝炎対策の取り組みを訴えることとあわせて、肝炎による犠牲のない世界をめざすみなさんの取り組みに貢献していきたいと考えております。

　これからも、私たちの活動の様子は、団体ホームページ（https://peace-winds.org）はもちろん、様々なかたちでみなさまにご報告してまいります。

　たくさんの困難もあるでしょうし、改めて様々なご助力をお願いすることもあるかと思います。それでも、どうか、アフリカにおける肝炎対策という私たちの取り組みに、引き続きあたたかいお気持ちを寄せていただければ幸いです。

　改めて心よりお礼を申し上げます。

榛田敦行

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

アフリカ肝炎事業リーダー