シャチに出会える海、知床羅臼。その謎を解く海中のヒントを探れ

クラウドファンディングにご支援いただいている皆さま，当記事をご覧の皆様，ありがとうございます！海獣班M2のNSです．

 

調査8日目は終日凪で，目視調査にとってはとても都合の良い海況でした．

 

海を見渡すと．．．

鳥！

 

鳥！！

 

鳥！！！！！！！

 

ミズナギドリの大群に出会いました．パタパタという羽ばたきの音がよく聴こえ，海面には鳥たちの軌跡が無数にありました．（そして，鳥臭かった…．）

 

しばらく見ていると，鳥の大群の中に大きなしぶきが見えました．

何回も水面でバシャバシャしています．観察すると…

！！

ミンククジラです！海面で勢いよく頭を出している様子をみると，採餌中のようでした．何を食べていたのかは胃内容物を調べないとわかりませんが．．．お腹いっぱい食べられていたらよいですね．

 

ヒゲクジラの採餌方法は，大きくわけて3通りあります．ミンククジラ含むナガスクジラ科が行う①突進型，セミクジラ科が行う②濾しとり型，コククジラ科が行う③海底採餌（型）です．

 

 

他にも，ザトウクジラのバブルネットフィーディング等，群れで行う特徴的な採餌方法が知られています．ご興味のある方は是非，調べてみてくださいね！

 

根室海峡に来遊するシャチの中には，海生哺乳類を捕食すると考えられる群れがいます．魚類や他生物を捕食するシャチも，食物連鎖を通して他鯨類から生態学的な影響を受ける可能性があります．海洋生態系の解明に向けて，上記のようなヒゲクジラ科の在不在や鯨類の採餌行動が当海域のシャチの生態と関係しているのかどうか，調べる必要があると思っています．

 

ではまた！今回も，お読みいただきありがとうございました．