クリスマスの一日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

60日間のチャレンジは、ちょうど半分を終えました。

本を手にすることが難しい方々のもとに心休まる本をお届け出来ますよう、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

 

皆さんの傍に認知症の方はおいでになりますか?超高齢化時代を迎えた日本では、認知症はごく身近な存在です。

今回は、お二人の認知症患者さんと本との関わりについてお伝えいたいと思います。

 

おひと方めは、80代の男性です。

若い頃から常に誰かの為に動く、たいへんな働き者でいらっしゃいました。

認知症を患ってからの口癖は「何したらいいんだ!」です。何かをしなくてはと焦るのですが、何をしたらよいのかが分からずに戸惑い、時にそれが怒りとなって周囲の人を困らせてしまいます。

ある時、一緒に字を書きませんか?と書き方の練習帳をお持ちしました。書いているうちに思い出されたました。かつて書道が得意で、賞状書きを手伝ったりしていたことを。もちろん字は完璧ではありませんが、お世話をする皆さんもそんなことは気にしていません。

今年は1枚1枚丁寧に筆文字の年賀状をしたためておられるそうです。

 

おふた方めは、70代の女性です。

主婦業をしっかりと勤めた小綺麗な方です。しかしここ数年、台所に立っても料理の手順が思い出せず、ダメな主婦だと落ち込んでおられたそうです。

 

 

刺し子の本をお届けしました。興味深くご覧になったあと、縫い物をするとおっしゃって、白い布に赤い糸でチクチクと縫い始められたそうです。根気よく黙々と作業をされ、布巾を縫ってはお世話をする方々に下さるそうです。

 

私は認知症の研究者ではありませんので専門的なことはわかりませんが、お二方が欲していたものは「自尊心」だったのではないでしょうか。自らの存在意義をご自身が認められたことで、少しだけ安心する材料が出来たのかもしれません。

 

症状も進行度合も人それぞれで、本が必ずお役に立てるとは思っていません。ただ患者さんご自身が「〇〇の本を読みたい。」とおっしゃらない限り、周囲の人はその本の必要性には気付けないのです。

本を手に取れる環境が快復の芽となれますよう、医療介護施設に小さな本棚を増やす努力を続けたいと思っています。

 

 

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