プロジェクトを終えて
ピアニストの愛知とし子です。
この度、クラウドファンディングでのプロジェクトが無事に終了しましたので、
ご報告をさせていただきます。
今回、このプロジェクトにご興味を持ってくださり、
ご支援くださった全ての皆様に心より感謝を申し上げます。
最初は不安ばかりのスタートでしたが、
支援してくださる方が徐々に増えていくにつれ
勇気をいただき実行することが出来ました。
一人では出来なかったことを
皆様が同じ方向を向いてサポートしてくださったこと全てに、
感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
≪今回の支援先≫
2019年9月2日 El Safan (盲学校) 東ジャカルタ(45名)
2019年9月3日 Dorkas (イスラ厶系孤児院・女子のみ)中央ジャカルタ(80名)
2019年9月4日 Wisma Pius (カトリック系の児童養護施設) 東ジャカルタ (64名)
≪プロジェクト・サポートメンバー≫
愛知とし子 / 天野雅子 / 松原美里 / 景山助夫 / いといかなめ
Daniel Christianto / Valentina Nova
ー Women's International Club Jakarta(WIC)
ー Jakarta Nyaman Projectの有志の方々
ー Jakartaで働く日本人の方々
ー インドネシア人のボランティアの方々
ー 各施設のスタッフの方々
≪各施設の寄付≫
当初予定していた寄付内容と大幅に変わりましたが、寄付金額も増えたことで支援できる範囲が広がり、より施設が求めているものをということで、下記の寄付となりました。
◆El Safan:屋根の修繕
◆Dorkas:CCTVが見られるTV1台、エアコン1台、お菓子
◆Wisma Pius:アイロン4台、ガステーブル1台、扇風機2台、保温ポット2個、バケツ15個 、アンプ2個
≪施設訪問したときのコンサートプログラム≫
① クラシックコンサート
ショパン:華麗なる大円舞曲(ピアノ演奏)
シューマン:トロイメライ(ピアノ演奏)
ドビュッシー:月の光(ピアノ演奏)
モーツァルト:トルコ行進曲(ピアノ演奏と踊り)
オペラ魔笛より「パパパの二重唱」(ピアノ&歌)
ヘンデル:オンブラマイフ(ピアノ&歌)
カンツォーネ:オーソレミオ(ピアノ&歌)
ジョップリン:エンターテイナー(ピアノ演奏と踊り)
※全員で、ダンスを覚えて踊る。
オッフェンバック:天国と地獄(音源:CD)
※全員で、手拍子や体を使い音楽を作り上げる。
子どもたちの反応はとても素直で、感動すると演奏の途中でも歓声があがったり、涙がこぼれたり、、、特に踊りや手拍子では、会場内の熱が一気に上がり盛り上がりました。
② 紙芝居:「おむすびころりん」(インドネシア語訳版)
BGM&効果音:天野雅子
目が見えない子供たちの施設では、二人の歌手の情感豊かな朗読をしました。
どの施設でも、「おむすびころりん すっとんとん」のフレーズでは、合図を決めて、子どもたちと一緒に大声で大合唱。真剣に物語を聞いてくれました。
③おにぎりのプレゼント
紙芝居「おむすびころりん」の後に、おにぎりを子どもたちに配り、その場で味わってもらいました。味付け海苔が大人気で、みんながおかわりをしました。
④ワークショップ:折り紙で「鶴」を作ってみよう。
日本よりきれいな友禅の千代紙を購入し、子どもたち、スタッフ、先生らと一緒に「鶴」を折りました。見本用として大きな画用紙を使って子どもたちに作り方を見せ、日本人のボランティアのみなさんがサポートに入りましたが、子どもたちの中にはすでに作り方をしっている子どもたちもいました。
≪感動的ないくつかの場面≫
ピアノ演奏を間近で聴いてもらおう!と、ピアノの周りに子どもたちを呼び聴いてもらったところ、感激のあまりに涙が目に浮かぶ子がいて、とても真剣に聞いてくれたり、子ども達からの音楽のプレゼントがあったりもしました。
どこの施設でも「Indonesia Pusaka(インドネシアは宝物」という歌を歌ったのですが、誰でも歌える歌のようで、みんなで大合唱となり伴奏しているだけで本当に心に響いてきて、私が泣きそうになってしまうほどでした。
Indonesia Pusaka:https://youtu.be/c3PmwI2pHNs
紙芝居「おむすびころりん」は、インドネシア語に翻訳をしてインドネシア人歌手の方が朗読をしてくださいましたが、とても表現力が豊かで、目の見えない施設の子ども達も、その朗読だけで、全部伝わってしまうほど素晴らしかったです。
そして、「おむすびころりんすっとんとん」のセリフは、メロディーにして、鈴を鳴らした後、みんなで歌う!という事前の練習をしたので、みんな揃って大声で歌ってくれた時は、本当に嬉しくてたまらなかったです。(動画は少し長いです)
おむすびころりん: https://youtu.be/iDjY_Lu-YsY
子ども達の反応もすごいです。歌を歌っているときに、すごい!!と思うと、どのフレーズでも歓声があがってしまうのです。こんな風に自由に楽しめるなんて、本当にすごいと思いました。
O sole mio :https://youtu.be/7ON8qz8Awzo
パパパの二重唱:https://youtu.be/pK-mIH79cbQ
ジョップリンのエンターテイナーでは、みんなが踊りを覚えてくれたり、目の見えない施設では、手拍子を覚えてくれたりして、ばっちりできた時は、本当に楽しくて感動ものでした!
エンターテイナー:https://youtu.be/rotaz_mLhl8
番外編として、その他の楽しいシーンもお楽しみください。文章付きで分かりやすい動画もご覧ください。子どもたちの様子がわかりますよ。
番外編:https://youtu.be/m8ByqFJ5bPk
≪ハプニングがいっぱい!≫
日本ではないので、色々なことが起こることは前提ではいましたが、想像以上にいろいろなことが起こりましたので、少しご紹介を・・・。
①リハーサルの時間がない!?
2つの施設は、私たちが余裕をもって会場のセッティングはリハのために行くのですが、既に、子どもたちが会場で待っていたのです!歌の方もプロとしてリハーサルを見せるわけにはいかないということで、別室で口頭で打ち合わせを済ませて、すべて本番に挑むことに!しかもBGM担当の天野雅子さんは、ぶっつけ本番となりました。でも、さすがプロは違います。それでも完璧にこなしてしまったので全く問題なくできました!
②ジャカルタの交通渋滞 その1
ジャカルタは交通渋滞がひどくてとても有名です。
2日目の訪問の時は大規模なデモがあちこちであり、車で15分のところを2時間も掛かってしまったのです。渋滞を予測していたので、かなり早く出たので間に合ったのですが、ボランティアの方々がギリギリになったり、施設の子ども達が学校から戻ってこられない!というハプニング。30分スタートを遅らせても、来られない子ども達もいて、参加できなかった子どもたちには、おにぎりのプレゼントを渡してもらうようお願いしました。
③ジャカルタの交通渋滞 その2
3日目の訪問先では、歌手の方が渋滞にはまりコンサートスタートに間に合わない!でも、この施設はお祈りの時間があるから、予定の時間より10分早く終わらせてくださいと急に言われたので、プログラムの進行をすべて変えて臨機応変ですることに、、、出来ることから1つずつやっていきました。
④機材がない?
事前に確認してもらっていたのにも関わらず、CDのデッキがない!
では、どうしよう?とPCを借りれないかと探します、、、。見つかったところは、PCを調達してアンプにつなげたり、PCも壊れていて使えなかったところは、急遽曲目を変えて、ピアノ曲にしてリズム遊びをしました。
⑤紙芝居を忘れる!?
渋滞がひどかった2日目に、なんと私のミスで紙芝居を家に忘れてしまったのです!が、なんと、バイクタクシーをドライバーさんが探してくれて、家族が取りに行ってくれることになり何とか間に合うことが出来ました。
④子どもたちのセッションが止まらなくなる??
1日目の施設は、目が見えない子ども達だったのですが、音楽的才能がある子が多いと事前に聞いていました。私たちが演奏を始めると自分たちも演奏したくなってしまい、途中からピアノや楽器を使ってセッションが始まりました!それが楽しくなってしまったようで、先生が止めてもなかなか止まらず、とっても長いコンサートになってしまいましたが、独学でここまで出来るなんて、子どもたちの才能のすごさに驚きました。
≪収支報告≫
【支援総額】701,000円 【支援者数】67名
◆ 楽器関連:215,000円
(電子ピアノ / スタンド / スピーカー / ケーブル / マイク / カホン)
◆ 3か所の孤児院への寄付:240,000円
◆ 紙芝居「おむすびころりん」制作費:20,000円
(翻訳料 / ラミネート / 印刷代: 5,500円 / 送料)
◆ おむすび大作戦:15,000円
(おにぎり / 味付け海苔)
◆ ワークショップ「鶴」を折ってみよう:6,000円
(友禅千代紙 / 画用紙)
◆ インドネシア人演奏家への出演料:30,000円
◆ リターン:13,000円
(プレゼント代 / 送料)
◆ Readyforへの手数料:162,000円
≪今後の活動について≫
引き続き、このプロジェクトを続けていきますが、
その他にも、
① 毎年開催しているチャリティーコンサート
② 他の団体が企画の支援など
積極的に参加していく予定です。
その活動については、
「ピアニスト愛知とし子公式サイト」のボランティアページにてご確認いただけます。
2019年11月5日 児童養護施設訪問予定
2020年1月19日 チャリティーコンサート Vol.5(ジャカルタ)
1月下旬 児童養護施設訪問予定
≪最後に≫
日本に戻ってからも、しばらく余韻が残っていました。
どの施設に訪問をしても、「Indonesia Pusaka」の歌の時は、子ども達の心が1つになり私の心に響き毎回感動していたこと。子ども達が、とても珍しそうに美味しそうに、パクパクと食べるおにぎり。日本の子どもたちには、あまり見受けられないインドネシアの子どもたちの純粋で素直な反応は、とても新鮮でライブ感がとても楽しくてたまらなかったこと。その他に、今回、多大なるサポートをしてくださったWICのメンバーの皆様が毎回、どの施設にも来てくださりサポートしてくださったこと。おにぎりを220個作ったのですが、炊飯器を皆さんから借りて、沢山のおにぎりをチームワークの良さで手際よく握っていったこと。どんなハプニングが来ても、大丈夫!と思って対応しながらやったこと等々。
音楽以外に、ダンスや紙芝居、折り紙とバラエティに富んだ内容だったので、準備も大変でしたが子どもたちが積極的に感動を表現するのが伝わってきたのが本当に嬉しかったです。皆様のおかげで大成功となったプロジェクトでしたが、これがこのプロジェクトの本当の意味でのスタートです。継続して沢山の子どもたちに会いに行き、音楽で一人でも多くの子どもたちの顔に笑みがこぼれるよう頑張って活動していきたいと思います。この度は本当にご賛同とご支援を本当にありがとうございました。