石巻の水産業について学びたい

 

 夢のゴミ箱プロジェクトから1年。翌年の6年生を受け持たれた先生の言葉です。

 「石巻に住んでいながら、地元の産業について直接学ぶ機会がない。石巻と言えば、水産業。何とか子供たちが学ぶ機会を作れないだろうか。」というご相談をいただきました。

 

 石巻管内の企業との窓口になり、若年者の人材育成を担っているのが、宮城県東部地方振興事務所でした。当時のご担当者に相談させていただき、ご紹介いただいたのが「湊水産株式会社」で、『愛情いっぱいのたらこ』を作っている企業です。

 

 宮城と言えば、「笹かまぼこ」が特産品です。その主たる原材料がスケトウダラ。実は、石巻はかつて「たらこ」生産日本一でした。スケトウダラを水揚げし、たらこを取り出し、福岡へも送っていたそうです。そして身は、すり身にしてかまぼこに。

 

 ちょうど、その頃、別事業で「石巻‘まるっと’高高連携事業」という石巻市内の専門高校5校(農業、水産、工業、商業2校)と地元企業21社と連携して

商品開発を通した人材育成を行なっておりました。そのご縁で宮城水産高校の先生とお話した時のこと。

 「小学生が湊水産でたらこ作りをするなら、水産高校でかまぼこ作りをしないか」とご提案いただいたのです。

 

 願ってもない素晴らしい申し出に、早速、小学校の先生とご相談し、総合的な学習の時間で「水産業を学ぶ」カリキュラムデザインを行いました。

 

 当団体で、事前授業を5回担当させていただきました。

 自分を知る、友達を知るための「夢の設計図」「ペアインタビュー」

 職業の幅を広げ、多様な見方を知るための「お仕事マップ」「お仕事カルタ」。

 そして、石巻の水産業をテーマにした事前学習。震災前後でどのように変化したかを扱いました。東日本大震災から4年目、なかなか、震災について授業で触れることが難しかった中、子供たちから、水産業についてもっと知りたいという質問が沢山出てきました。一人一人が学習課題を持って、いざ体験活動へ。

 

 クラスごとに2日に分けて、湊水産(株)を訪問。

「たらこ、つくろう。」は、湊水産の木村社長が、津波被害を受けた社屋を立て直した際に、ずっと行いたかったこととのこと。

 それを授業の一環として、40名を一気に受け入れてくださいました。

 

 『今の子供たちは、たらこが海を泳いでると思ってるよ。』

 先生から聞いた衝撃の言葉。

 

 「体験して、楽しかった」とするのではなく、6年生の総合の授業として行う探究的な学習内容に、そして、働くことと学ぶことをつなげるキャリア教育プログラムづくりが必要でした。

 

 まずは、本物を知ることが大切です。スケトウダラを仕入れていただき、解体ショーから。お腹の中から出てきた一対のたらこに子供たちは大興奮。

 それから工場や事務所の見学と説明を聞いて、会社組織について学びました。震災を経て、どのように復旧、復活してきたか、これからどのような会社を目指すのか、社長の思いを沢山伺いました。

  

 そしていよいよ、たらこ作りです。グループで行う活動は、役割分担をしっかりして協力しながら行うことが必要。まさに、普段の教室で行なっていることが生かされています。

 美味しくなる秘訣を聞いて、全員で「美味しくなぁれ」との言葉をかけながら「手返し」ということを行いました。完成は3日後。毎日朝晩とたらこのお世話をすることを教えてもらいました。

     

        

 

最後は、石巻の田でん虫の木村さんが作る美味しい無農薬のササニシキと、湊水産で出している4種類のたらこを使って、MYおにぎり作り。

おにぎりを握ることは、防災教育にもつながります。

                        

                

 感想の中に、「美味しかった」「また食べたい」という意見が多かったのは

当然のことと考えておりますが、驚いたのは「初めて、たらこを食べた」という子がなんと1/ 3もいたという事実。

 

 水産加工が盛んな石巻に生まれ、育った子供たちが、食べたことがないという事に関係者一同がショックを受けた場面でもありました。

 

 持ち帰ったたらこは、家族みんなで食べたようです。

子供たちの感想文から、家族団らんの様子や、会話の様子が伺えました。

 

改めて地元を知る、産業を知る大切さを子供たちから教えてもらった活動となりました。

この後、宮城水産高校でのかまぼこ作りにつながっていきます。

 

 

 

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