プロジェクト終了報告と御礼
「古代出雲人の人骨のDNAから縄文人・弥生人のルーツに迫る挑戦」プロジェクトは、下記東京と出雲での報告会の実施でもって、クラウドファンデイングプロジェクトとしては終了致しましたので、ご報告申し上げます。
11月24日 東京報告会 於島根イン青山
約100名
12月 1日 出雲報告会 於出雲弥生の森博物館
約120名
クラウドファンデイングとして、大成功を収めることができましたのは、皆様のご支援の賜であり、厚く御礼申し上げます。
今回の成果は、以下のとおりです。
1 出雲市の猪目洞窟の古墳時代の古代人骨から核DNAの抽出及びミトコンドリアDNAの
抽出に成功しました。
古墳時代の保存状態が良く核DNAが得られた古代人骨は、西日本では極めて少なく、
学術的に非常に貴重な成果が得られました。
今後本格的な分析が研究者の先生方によって進められますが、とりあえず、報告会の
時点で、猪目洞窟の人骨からは、主成分分析では現代日本人の枠内に概ね収まるもの
の、他の分析結果では、縄文人に比較的近いという興味深い結果が出ています。
そして、今後、出雲弥生の森博物館のさらなるご協力により、弥生時代の古代人骨
の核DNAの抽出の見通しが出てきたことから、弥生時代の古代人骨の核DNAの抽出分析
結果が出れば、古代出雲の縄文人、弥生人、古墳時代の成り立ちの解明が著しく前進す
ることが期待されています。
2 松江市の小浜人骨から、核DNAの抽出までには至りませんでしたが、ミトコンドリア
DNAの抽出に成功しました。この小浜人骨のミトコンドリアDNAのハプログループは、
関東、東北の東縄文人に見られるもので、これまで西日本縄文人からは出ていなかった
ものでした。このため、日本列島における縄文人から現代日本人への遺伝子の継承につ
いて、最新の仮説を再検討する必要が出ました。
3 多くの皆様に日本の古代史において、古代出雲の重要性を再認識していただくことが
できました。1年から2年後には、始まったばかりの古代出雲人骨のDNA分析のまと
まった分析結果が日本人類学会等で発表される予定です。
皆様方には今後も最新の研究成果を発信していく予定す。
今後とも引き続きご支援をお願い申し上げます。
東京いずもふるさと会