日本語のルーツに関しては、アルタイ語(蒙古語・満州語・朝鮮語・トルコ語などが属するらしい)と似ていると言われているが、どうも、未だ答えがでてなくて、日本語は、世界の言語の中でも特異の存在(日本語が属する言語が世界にない)で、日本列島で長い間に形成された独特の特色を有しているようだ。

 1998年5月に出版された言語学者故小泉保氏が「縄文語の発見」(青土社)が、縄文語について詳細な研究をまとめられている。

 日本語は弥生時代を起源とするとの主流の学説に対し、「はたして、縄文時代の言語は弥生時代の言語に駆逐され、消滅させられてしまったのであろうか。六百年足らずの弥生期に弥生語は縄文語に完全に入れ替わったのであろうか。こうした弥生期における言語交替の証拠はどこにもない。」として、「出雲方言に東北方言と音韻の類似する面がある」ことに言及し、この裏日本的な音韻は、縄文語(裏日本縄文語)を受け継ぐものであるとされる。

 つまり、出雲方言は、恥ずかしいズーズー弁ではなく、縄文語を正当に受け継いでいる縄文語本流の言語であるということである。

 このことは、今回、関東在住の出雲出身者及び出雲在住の出雲人のDNA解析の結果、出雲人のDNAと東北人のDNAとが非常に近い位置にあるという驚くべき結果からも裏付けられる。

 そもそも、出雲と東北とは日本海の海のルートにより、縄文時代から交流があったことは考古学上明らかになっている。縄文時代に交流があったということは、共通の縄文語(方言の違いはあるにしろ)が話されていたことは誰が考えても否定できないことである。

 しかも、縄文後期から弥生時代。古墳時代にかけて、日本列島への渡来人の到来があったが、彼らは征服者としてやってきたのではなく、大陸から様々な理由で新たな新天地を求めてきた人々であり、最新のDNA研究の結果、ある時点を境に縄文人と弥生人が突然日本列島で入れ替わったのではなく、長い時と時間をかけて先住の縄文人と新天地を求めてきた大陸からの渡来人との混血・縄文系弥生人と渡来人との混血を繰り返しながら(その過程は、単純なものではなく複雑なものであることが最新のDNA研究から想定される。)、現在生きるヤマト人が形作られてきたことが、分かってきている。

 他方、渡来人は渡来する前の大陸の本籍(初期の渡来民は大陸沿岸の海洋民族系か?)では中国語系統の言語を話していたと推測されるが、日本に渡来した後、中国語系統の言語を保持した状況証拠も見当たらない。

 そうすると、大陸からの渡来人は、在来の縄文人が話していた言葉を学び、縄文人と渡来人の混血した弥生人は縄文語を承継しながら弥生語を形成し、現在の日本語に繋がっていったと考えるのが素直である。

 そうである以上、今、我々日本人が使っている日本語に縄文語の流れをくむものがあって、当然であり、自ずと出雲方言が脚光を浴びざるをえない。

 今回のプロジェクトは、日本語の成り立ちの解明のロマンにも繋がっている。

 

 

 

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