皆さまからの温かいご支援、本当にありがとうございました。
国土の3分の1が水没するという壊滅的な被害をもたらした洪水で厳しい生活を余儀なくされた方がたに、皆さまからのご支援のおかげで、食糧をお届けすることができました。クラウドファンディングにご協力いただき、本当にありがとうございました。
パキスタンの洪水で被災された多くの方がたは食糧不安にさらされていました。所持品を売ったり、借金を増やしたり、食事を減らしたりしてしのいでいた方々に食糧をお届けし、生活再建への一歩を支えさせていただきましたことを、心から感謝申し上げます。
今回のクラウドファンディングでのプロジェクトは、無事終了いたしましたが、被害規模が余りに大きかったため、現地では今もなお、約160万人の子どもたちが深刻な栄養失調で、命を繋ぐ支援を必要としています。250万人以上の人びとは、安全な飲み水にアクセスできません。これからもパキスタンの人びとのことを忘れずに支えていただけましたら嬉しいです。
(事務局長・木山啓子)
【配布について】
1カ月相当分の食糧パッケージを配布した300世帯は、郡の行政機関、他のNGO、コミュニティの長老などと協力し、洪水の影響を受けた人びとの中でも最も脆弱な立場にある世帯をリスト化し、選定いたしました。リスト化した世帯を実際に訪問し、以下の基準に基づいて配布世帯を特定いたしました。
・ 中心市街地から遠い所に居住し、最も支援が届いていない世帯
・ 女性世帯主の世帯
・ 妊娠中の女性や授乳中の女性がいる世帯
・ 6人以上の子どもがいる世帯
・ 障がいのある方のいる世帯
・ 高齢者のいる世帯
・ 慢性疾患のある方が世帯主の世帯
・ 10人以上の世帯
食糧パッケージには、現地の食文化に合わせ、米(バスマティ米)、ビタミン強化型の植物油、紅茶、砂糖、豆ミックス、小麦、乾燥ミルク、塩が含まれています。
【パキスタンの現状】
ジェンが食糧支援を行ったシンド州や、バロチスタン州では、洪水後に増加した蚊によるマラリア感染の拡大が報告されています。散発的にコレラの感染も報告されており、安全な水や衛生設備へのアクセスが限られていることから、感染の拡大が懸念されています。支援を必要とする多くの被災者の方がたは地方に住み、農業に頼って生活していました。こうした農家の方がたは、洪水によって農期を逃してしまい、深刻な食糧不安にさらされざるを得なくなりました。更にインフレが、ただでさえ厳しい被災者の方たちの生活に追い打ちをかけています。ジェンは、今後も被災された方たちの自立を支えさせていただくため、支援活動を実施してまいります。
食糧を受け取った家族
ジェンスタッフから食糧パッケージの内容について説明を受ける被災者の方
食糧を運んでいく様子
【収支報告】
皆さまからクラウドファンディングを通じて託していただいたご寄付263万1,000円は、経費を引いた全額を緊急食糧支援の事業に使用させていただきました。また事業実施に際しては、クラウドファンディング以外の形でジェンに託していただいたご寄付も使用させていただきました。
(1)食糧配布
最も脆弱な状況に置かれた人びとに、1カ月相当分の食糧パッケージをお届けいたしました。
厳しい避難生活を送られていた被災者の方は、日本からご支援くださった皆さまに感謝の意を表されました。また、配布を行った方がたに配布世帯の選定基準について説明を行っていますが、選定プロセスの透明性についても感謝の言葉をいただきました。
(2)食糧の取り扱い方の説明や衛生啓発
配布の際には、衛生的に食糧を扱う方法・保存する方法についてお伝えしました。加えて、配布食糧の栄養価や、日々の推奨摂取量、適切な利用方法についてもお伝えしました。
【リターンの発送状況について】
・ 領収書は1月12日に発送いたしました。
・ 御礼のメールにつきましては、2022年12月16日に、ニュースレター89号(PDF)とともに配信いたしました。
・ 3月20日頃にニュースレター90号を郵送させていただく予定です。
【今後について】
ジェンは、2001年からパキスタンでの支援活動を行ってまいりました。これからも、未曾有の大洪水で被災され、厳しい生活を余儀なくされた方がたのニーズを確認しながら、自立を支えさせていただくため、支援活動を継続してまいります。農業を生業としていた方がたをはじめ、多くの方がたが膨大な支援を必要としています。皆さまが支えてくださったパキスタンの人びとを、どうか忘れず、今後もジェンの活動を見守ってくださいますと、幸いです。改めて、皆さまからのご支援に感謝いたします。
特定非営利活動法人ジェン