主人公が通っている事業所　第2弾「でんぱた」

　「でんぱた」は、横浜市青葉区にある農業を中心にした生活介護事業所です。農業＝田畑＝でんぱたという流れの命名ですが、でんぱたが開設される際、私の中では、施設長さんが記事に書いていらっしゃった「でんでん　ぱたぱた」という感じ？がそのまま、でんぱたのイメージです。なんとなく、のんびり、ふわふわしていて、それなのに「農業」という最も着実で根本的な仕事をしている作業所。私のイメージはそんな感じです。

　でんぱたのメンバーさんが仕事を終えて帰ってくる姿に出会ったことがあります。この絵本シリーズで紹介するゆうくんもその中に歩いていました。なんともゆったりしたムードの集団で、率いるスタッフさんもみんなゆったりとした笑顔で、はっきり言って、ある意味「目立って」いました。

　中に、「がんばりました！」とぴょんぴょんとび跳ねてるメンバーさんがいました。スタッフさんがにこにこの笑顔で、「頑張りましたね、疲れた？」と聞くと、その方はいきなり地面に座り込みました。「疲れたよ！」と体中で表現したいのかなと思いました。すると、スタッフさんがげらげら笑いながら「すごいアピール力！素晴らしい～。もう少し頑張ってつめた～～いの飲みましょう！」って励ますんです。

　なんだかいいな～と思いました。

　なによりもスタッフさん自身が、そこにいることを楽しんでいるんだなと感じられたからです。スタッフさんの態度は、もちろん「急かす」「連れていく」ではなく、さらに言えば「励ます」でもなかったかもしれません。ただただ、「一緒にいる」ことを楽しんでいる、そんな風に見えました。

　そして、そういうでんぱたの素敵な空気は、地域の人にもじわじわ広がっているのだと思います。でんぱたは、田植えなど折々に地元のかたに声をかけ手伝ってもらっています。初対面の「障害者」に対してどう接するかではなく、考える暇もなく接する。そうする中で、お互いの個性や知識や技術や才能が交流する。そんな風景が見えるようです。（すみません、参加していません。ネット記事を読んで思った感想です。）

　でんぱたは、最近新しい素敵な建物を建てて移転しました。で、今年度中(2025年度)に事業所内にお店を構え、でんぱたで作ったヘチマタワシ、廃油石鹸、藁箒、ぷかぷか(当法人就労継続B型事業所)のパン、焼き菓子などを販売する予定だそうです。オープンが楽しみです！
 

でんぱた：横浜市青葉区鴨志田町66-1