元不登校引きこもり僧侶発願赤鼻の身代り地蔵三尊を新しく勧請したい

和宗総本山四天王寺末福智山香仙院横浜出張所について

香仙院横浜出張所御宝前

福智山香仙院横浜出張所所長畑智晃と申します。

普段は一般社団法人すまいると言う福祉事業所の団体役員兼介護福祉士として御寺ではなく介護の現場で生業をしながら僧侶として生きる二足の草鞋を履いております。

福智山香仙院横浜出張所は福岡県北九州市にございます和宗総本山四天王寺末福智山香仙院の関東布教所であります、福智山香仙院横浜出張所所長を務めさせていただいております。

福智山香仙院の三面大黒天を信仰する有志が令和二年十一月に各自それぞれ三面大黒天を開眼して頂きました。当時はコロナ禍で長距離移動を伴う福岡県へのお参りが出来ない為横浜の地にも分霊をと言う希望から布教所として開設しました。

当初は横浜市鶴見区に仮道場を開設いたしましたが、借りていた建物の老朽化による事情により令和三年六月に川崎市幸区に移転いたしました。二足の草鞋で家族と運営しております一般社団法人すまいる運営の訪問介護「すまいる」内の事務所の一角を道場として活動しております

本尊は法華絵曼荼羅、大悲法福明星観世音菩薩、大悲大聖明星不動尊、大悲大聖北斗不動尊をお祀り、護法尊に三面大黒天、語導弁財天、八品聖天（はっぽんしょうてん）等の諸天善神をお祀りしております。

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

私は小学校の時に数回、中学一年の三学期から不登校となり、そのまま１９歳まで準引きこもりで過ごしてきました。

不登校の理由は勉強が出来なかったことや運動神経が鈍いため団体生活が上手く出来ない人間でありました。それが原因でイジリによる疲弊や入りたくもなく無理矢理入れさせられた運動系の部活への屈折があり不登校になりました。

不登校に入るに当たり都内の某病院の心理テストで下町特有のガラのよろしくないしゃべり方や小学校三年の算数の回答が出来ないという理由だけで心理テストを行った職員から生きている価値が無いとまで言われいっそう頑なに心を塞いでいきました。

やっとその心の束縛から解放されたのて三十五歳で正式な僧侶となり比叡山行院の遂業三日前に

「生きている価値が他人からみたら無くとも、神仏からは生かしておく価値があるから生かされているんだ」と気が付いた事です。

そして山から帰ってきて自分は不登校という逃げ道を見つけた事で生き延びれたけれど夏休みが終わる頃にいじめられっ子が自死していると言う話を思い出して自分が出来る事は供養ではないかと思うようになり供養を修すようになりました。

個人の枠ではなく寺として活動を始めたのは２０１９年の８月からです。以来毎月１日と、８月２５日から９月２日までいじめ自死指導死並不慮事故死等幼児童生徒供養を修しています。本年で六年目になりますが当初はいじめ自死者供養会でした。

ある時座禅をしていて心の奥底にあった記憶が思い出されました。

中学生当時の私は不登校で家から出ない生活をしておりテレビを視てある自死事件を知りました。その頃所謂拝み屋さんと呼ばれる人と関りがあり宗教的な事への興味を持ち始め、どこの誰かも知らぬ同い年の少年を供養する読経をしたのだと…

私の場合は勉強ができなかった事＋いじめで不登校になり、国の定義で言う準引きこもりとして生活しながら今を生かさせていただいております。

亡くなられた方々の御霊を供養する御霊信仰により鎮魂も必要だと私は思います。そこで僧侶としての自分が出来る事は何かと考えて供養にたどり着きました。自殺というより命を絶つと行為を選ばれたのですから自決というべきなのかもしれません。自決された方たちはその時は報道されても忘れ去られる方々も少なくありません、死後はどうなるか正直わかりません。科学的な根拠はありませんが、生きている時の怒りや怨みの念だけは死後分かれて疫病や災害を招くという考えが有りました。

何度も書きますが実際にそうなるとはいえませんし有るとも言えませんが、悲しい気持ちや恨みを持って逝った人の魂を祀り上げて怨霊を慰めるべきと私は考えていました。

そしてコロナ過を経験し心の支えとしての信仰が大切だと改めて実感することにより、供養だけでは無く今を生きる我々の心の支えとして安心を得る地蔵尊を祀るべきと思った次第です。

助けてほしいと言う気持ちを表に出せない苦しみ等を含めて地蔵尊の誓願である代受苦を持って心に安寧をと思い身代わり地蔵尊を勧請（かんじょう）したいと考えました。

普通のお地蔵様では無く、地蔵三尊と言う地蔵菩薩の左右に掌善童子、掌悪童子という童子が寄り添った御像です。延命地蔵菩薩経の中に不動尊と同体とあり、いじめだけではなく心の苦悩を少しでもお地蔵様が力になって頂きたいという祈り、私の経験ですが引きこもりの時に助けて欲しいけど頑なに動けないという状況がありました。現在を生きている我々だけではなく、自決を選んだ霊魂が彷徨っているのならば不動明王の力で導いてほしいと言う祈り、疫病や戦争等の不慮の死を遂げた方の御霊をやすかれの祈りから発願いたしました。

最初は普通の地蔵三尊を造立する予定で活動しておりましたが、ある日に瞑想と言うべきか妄想と言うべきか心に浮かんできました。この御地蔵様の本地は地涌の菩薩で「道化菩薩」、鼻が赤く娑婆の苦悩の身代わりと自死者と不慮の事故等で亡くなった子供の霊を供養すると言う誓願を立てている。鼻が赤く代受苦の誓願を現すと。いじめや人間関係を含めた苦しんでいる人の心の安寧になればという祈りを表わすために、赤い鼻をつけた身代わり地蔵三尊を造立したいと思っております。

クラウンメイクの筆者

赤い鼻と言うのはクラウン（道化師）の赤い鼻を表わします、日本だと道化師と言えばピエロの方が通じやすいと思います。画像は筆者のクラウンのメイクです

不登校引きこもりの経験からコミュニケーションを学ぶためにクラウンの勉強をしました。

道化師の中でもピエロのキャラクターは目の下に涙を描いております。クラウンの口伝として「もう貴方は泣かないで欲しい、その苦しみは僕が背負うよ　だから僕の道化で笑って欲しい」という意味が込められていると伝わります。

クラウンはお地蔵様と同じく悲しみに寄り添う存在です、儀軌等の根拠はありませんが現役のクラウンとして活動する僧侶として感得した御像になります。

地蔵菩薩立像　作者、画像提供並びに掲載許諾中村恒克先生

七寸の身代り地蔵三尊を中村彫刻代表の中村恒克先生に彫って頂きます。

Twitterで先生の作品が流れてきまして、地元の横浜市内に工房が有る事を知りました。

陸前高田のおやこ地蔵尊の母地蔵尊を彫られた方と知り是非とも地蔵三尊を彫って頂きたいと思いお願いしました。

御像が完成後福智山香仙院横浜出張所の御宝前に安置し日々御祈願御供養させていただきます。

ゆくゆくは地蔵三尊は不動三尊と延命地蔵経に有りますので対となる不動三尊を勧請したいと考えております。

推薦の言葉

　　　　　　　　　画像提供掲載許諾天台宗龍澤山寶泉寺住職横溝常之和尚

この度、香仙院横浜出張所に身代わり地蔵尊を建立・勧請するクラウドファンディングをされるとの事、たいへん意義深いことと関心しております。この身代わり地蔵尊は、地蔵菩薩の左右に掌善童子、掌悪童子という童子が寄り添った珍しいご尊像です。生きている我々の心の苦悩を身代わりとなってその身で受け止めてくださる尊いお姿であり、いじめや引きこもりによる苦しみ悲しみを少しでも和らげることを願い造立されます。

皆様の善意により集まった奉納金を元に地元彫刻家・仏師である中村恒克先生によって美しい地蔵尊像を刻み、日々御祈願御供養する予定です。どうぞ皆様のご支援をお願いいたします。

チョイ悪和尚こと天台宗寶泉寺住職 横溝常之

名称掲載の許諾を得ています

福岡県北九州市和宗総本山四天王寺末福智山香仙院

中村彫刻　中村恒克先生

天台宗龍澤山寶泉寺住職横溝常之和尚