奈良猛禽類研究会のサシバの調査活動のご紹介

奈良猛禽類研究会　サシバの生息繁殖状況調査活動

昔日、サシバは里山の猛禽として、我々の生活の中で身近に存在していました。

山があり農耕地があれば、谷ごとに存在が確認されたくらいで、特に配慮の必要もありませんでした。

しかし、21世紀になってから、田畑の休耕や宅地開発などの影響により次々と繁殖地が確認されなくなり、2006年に国では絶滅危惧Ⅱ類、奈良県でも絶滅危惧種に選定されてしまいました。

その後も歯止めは効かず、気が付けば、当会が奈良県で把握している繁殖地は御所市の１箇所という状況まで激減していたのです。

そこで、サシバの保護を行っていくために、生息状況の少なさを目に見える形で提示していく必要があると考え、2019年より調査を開始した結果、5年間で25箇所の繁殖地を確認することができました。

この調査結果は当会のホームページで公表していますが、各市町村で１～5つがいといったところです。

里山のタカ・サシバの生息繁殖状況　奈良盆地周辺のサシバ

https://mountainhawkeagle.wixsite.com/sasiba

昔日の生息数がどのくらいかはわかりませんが、かつては里山の谷ごとに生息していたことを考えると、奈良県域で25箇所は多いとはとても言えず、絶滅危惧状態が続いていると言えます。

これまでの調査の中で、サシバの生態についても色々なことがわかってきましたが、未知の部分も多々あり、保護のために必要な情報を今後も得ていくことが重要です。

本クラウドファンディングでは、サシバ個体にGPS発信器が装着されるとお聞きしており、繁殖地での正確な位置情報等の把握により、適切な保護活動ができるようになることを、私たちも期待し応援しています。