岡田宗徳 先生 作『Hope スズメ幼鳥2011』

 

　今回のクラウドファンディングも残すところ一日となりましたが、今日はリターンのひとつとさせていただいている岡田宗徳先生の『Hope スズメ幼鳥2011』について、ご紹介させていただきたいと思います。

 

　『Hope スズメ幼鳥2011』は、一羽のスズメの幼鳥が描かれていますが、岡田先生はこの作品を東日本大震災の後に、『希望』をテーマに描かれていらっしゃいます。
　昔から日本人にとって馴染みの深いスズメの姿で『平和な日常の有難さ』を、そして、新芽に『どんな地にも根を張る植物の力強さ』、差し込む光に『未来の希望』、更には、幼鳥というところで『未来を託す子供たち』を表現されているのだそうです。

 

　この絵を初めて観た時、嘴のまだ黄色い子スズメが今にも チョン、チョン と動き出しそうに思え、「わぁ……」と声をあげてしまいました。

　嵐にでも遭って仲間とはぐれたのか、心許なげに少し膨らんだ様子ではあるものの、羽毛の艶も初々しく、瞳は生き生きとしていて、一羽でいるにもかかわらず、なんだか「負けるもんか！」というような意気込みも感じたりします。差し込む光や、新芽と一緒に「がんばれ！」と思わず声をかけたくなるような情景です。

 

　新芽はおそらくシダ類の一種だと思うのですが、シダは『齢垂れる(しだれる)』という言葉にかけて、長寿の象徴とされるので、お正月の注連飾りにも使われています。

　この作品が示す『希望』のように、動物たちにとっても、そして未来の子供たちの為にも、平和で、当たり前の日常が末永く続くようにと、願うばかりです。

　つい先日もまた、大きな地震がありました。東日本大震災を彷彿とさせるような揺れで、当時被災された方たちはどれだけ恐ろしかったかと思うと、胸が痛みます。この東京も決して他人事ではありません。もちろん、災害だけではなく、事故や病など、苦難はいつ起きてもおかしくはありません。

 

　先代代表である父も、病で突然亡くなりました。私や兄達にとってはたった一人の父で、現代表である母にとってもたった一人の最愛の夫で、スタッフにとっても代わりのいない大きな存在でした。

　明日の自分の身に何が起こるかも分からない。大切な人がいつ亡くなるかも分からない。日常が崩れ去るのは一瞬で、それは、本当に恐ろしいことだと思います。
　しかし、それでも。この作品の子スズメのように希望を捨てず、時に支える新芽になったり、時に差し込む光になって、励ましたり、助け合って困難を乗り越えていき、明るい未来を築いていきたいと思うのです。

 

　私たちのクラウドファンディングには勿体ない素敵な作品ですが、無茶なお願いにも快くご承諾くださった岡田先生に、心から感謝しています。

　この作品の一ファンとして、お受け取りいただくご支援者様にもこの子スズメを気に入っていただけたらとても嬉しいです。

 

　そして、こちらの記事をご覧いただいた皆様にも、この祈りが届きますように。