災害による停電の危機から医療的ケア児の命を守る“K-DiPS”

K-DiPSという名称がまだない頃から、私の研究にご協力いただいている、ALSの人工呼吸ユーザーの方と奥さんをご紹介します。「意を決して県外へ！娘の結婚式に出席しました。」というタイトルですが、実は2年前のお話しです。

 

発症以来、県外へ出かけたことはなかったのだそうですが、意を決して初めて県外にでかけられたそうです。でも、娘さんの結婚式なら、そりゃ行きたいですよね〜と思って納得しました。

 

地元の新聞に掲載されたので、僕はネットニュースで拝見して、「あー行かれたんだ〜よかった〜」と研究室でつぶやいたことを思い出しました。

 

この写真は、バージンロードを歩んでおられるときの様子です(この写真が新聞に掲載されました)。

 

 

下の写真は、看護師でありケアマネジャーである神明さんと車中で撮影したものです(ちょっと写真が暗いですね･･･)。神明さんはご担当以来、ご夫婦にずっと伴走されています。

神明さんには開発にあたって大変お世話になっていますし、K-DiPSを応援してくださっています。

たくさんの方々に応援していただいているのに、なかなか開発が進まなくて、合わせる顔がないと考えた時期もありましたが、ようやく少しだけ光が見えてきたような気がします。

この方たちと一緒に、自分に必要な災害への備えが話し合えるようになるまでもう一息です。

 

COVID-19による感染リスク下における避難について

 

そういえば、千葉県鴨川では4/13午前に、大雨で土砂災害の危険性が高まったとして市内の一部に避難勧告がだされたことがNHKで報道されました。

 

COVID-19による感染リスクを前提とした避難対策の検討が急務な状況となってきました。

 

個人的には、従来通り要支援者の皆さんは、可能な限り自宅でしのぐという方針がもっとも安全と考えるのですが、それでも避難が必要な状況もありますよね。

 

避難勧告・指示発令時の避難行動及び避難環境について、みんなで知恵を出し合う必要があります。どう備えるべきなのか。従来の避難所運営では3密は避けられない。困りました･･･。

 

今回のK-DiPSへ追加予定の機能のなかに、要支援者の居場所を把握して、取り巻くハザード(浸水、土砂災害リスク、避難経路状況など)を可視化して、当事者と一緒に対策を考える機能が含まれています。

サーバー情報を活用することで、地域全体を俯瞰した災害時オペレーションに貢献できる可能性があります。

今後、この機能がより重要になってくると感じています。

 

医療的なケアが欠かせない人のためのシェルターの整備が必要

 

K-DiPSの将来構想として、医療避難所兼備蓄保管庫：Shelter and Stock Center(SSC)の地域への実装があります。実現していないのにSSCが必要な状況になってしまったと感じています。

 

SSCの実装までには、まだまだクリアしなければならない課題があります。その最初の段階としてK-DiPSアプリの充実が位置づけられています。

 

この先、梅雨に向かって降雨が多くなってきます。すごく危機感を持っています。今こそみんなで対策を検討しなければなりません。

 

皆様、ご支援をよろしくお願いします。