プロジェクト概要

北海道の豪雪地帯で、87年の歳月を経た木造駅舎『沼牛駅』
広大な大地の中、役目を終え静かに佇み続けるその姿は、
北海道の鉄道の歴史を語る上で重要な存在です。

 

しかし、沼牛駅舎はいつ倒壊してもおかしくないほど老朽化が進んでいます。そこで、雪が降り積もる前の完成を目指し、駅舎を後世へと残し守り継いでいくため、修繕が始動しました!

 

はじめまして、「おかえり沼牛駅実行委員会」の事務局長・飯沼剛史です。私たちは、日本一のそばの産地として知られる北海道幌加内(ほろかない)町にある、築87年・廃線から21年を迎えた旧深名(しんめい)線の木造駅舎「沼牛(ぬまうし)駅舎」の保存に取り組む有志団体です。

 

これまで私たちは、「北海道や町の歴史とともに歩んできた、歴史的建造物である木造駅舎の価値を、後世に残し伝えていくためにも、少しでも長く保存していきたい」との思いで活動を続けてきました。

 

そば畑の沼牛駅
〔キタワセそば畑の中にたたずむ沼牛駅舎〕

 

しかし、鉄道の廃止とともに本来の「駅」の役目を終え、今年で21年を迎える沼牛駅舎は、月日の流れや雨風の影響で老朽化が着実に進んでおり、私たちで可能な限りの修繕を行ってはきましたが、今後も長期に渡り維持していくことを考えると、一刻も早く本格的な修繕作業を要する状態です。

 

そんな折、かつて道内にあった旧池北線の「上利別駅」が、暴風雨による建物損傷のため惜しまれつつ解体されることを知りました。「木造駅舎を守る」活動をしている私たちは、この「上利別駅」の歴史を形として少しでも残し語り継いでいきたいと強く思い、この木造駅舎の希少な部材の一部を譲り受け、「沼牛駅」の修繕部材として活用をする、『古材再利用による木造駅舎保存』を行うことを決めました。

 

上利別駅舎
〔旧ふるさと銀河線(池田~北見間) 現役時の上利別駅舎 増田 秀則 氏撮影提供〕

 

 

かつては人々や物資が行き交う「下幌加内地区の玄関口」として栄えた沼牛駅

 

1995年9月4日、惜しまれつつその役目を終えました。

 

北海道に鉄道が敷設され始めた頃、いまのような交通網が整備されていなかったために『鉄道』は重要な移動手段の一つで、地域の発展にとって欠かすことのできないものでした。この沼牛駅からも、周辺から集まってきたクロームや粘土などが、北海道内各地、さらに全国へと運び出されていたのです。

 

かつての天塩弥生駅
〔昭和30年、冬の深名線・天塩弥生駅 富岡達彦 氏提供〕

  

しかし時代の変化とともに、鉄路と並行する道路の整備などが進み、平成7年9月…深名線も惜しまれつつ廃止となりました。廃止された時、すでに築66年が経過していた「沼牛駅舎」。その後、この駅舎を個人で譲り受け、約20年間にわたり保存維持を行ってきた方がいらっしゃることをご存知でしょうか?

 

雪解けの沼牛駅
〔数メートルの雪の中に埋もれている雪解け進む4月の沼牛駅舎〕

 

 

役目を終えた古い木造駅舎をたった1人で守り続けた地元住民

 

北海道でも有数の豪雪地帯である幌加内町で、長きに渡りその姿をとどめておくことができたわけとは。

役目を終えた、古い木造駅舎
沼牛駅がある下幌加内地区で農業を営む坂本勝之さん(74)。坂本さんは、約20haのそばの作付けを行う以外にも、そばの自家製粉、さらにそば打ち最高段位(全麺協・五段位)を有する「そばのプロフェッショナル」です。そんな坂本さんが、実は「沼牛駅」を約20年間にわたりお一人で守り続けてきたのです。 

 

北海道有数の豪雪地帯である幌加内。毎シーズン、十数メートルも降り積もる雪を、何度も何度も駅舎の屋根にのぼっては雪下ろしを行い、また数年前には屋根が強風で吹き飛んでしまった際にも、自らトタンを打ち付け補修をされたそうです。

 

本業はそば農家の坂本さん。私たちは「なぜ駅舎を守ってきたのか?」と尋ねたことがあります。すると、『昔から慣れ親しんできた沼牛駅舎が、廃止とともに姿を消すのは名残惜しい、なにかの形で活用できるまで自分が出来る範囲で保存していこう。そう思い立って、今日まで保存維持をしてきました。』と仰られていました。

 

私たちはこの思いに強く共感し、坂本さんとともに沼牛駅舎を守り継いでいくことを決めたのです。

 

坂本さん
〔町を代表するそば打ち有段者でもあり、20年間駅舎を守り続けてきた坂本さん〕

 

 

深名線が役目を終えてから11年後

 

もう一つの鉄路がその歴史に幕を降ろしました。

 

道東地方には、かつて「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(池北線)」という鉄路がありました。この路線は、全線(池田~北見間)開業が大正元年、そして平成18年に廃止となり、今年で10年が経ちました。廃線後、沿線の足寄町内で姿をとどめていた木造駅舎の一つに『上利別(かみとしべつ)駅』があります。

 

冬の上利別駅
〔現役時の冬の上利別駅舎 天野 速人 氏撮影提供〕

 

この駅は、明治43年開業と歴史が古く、昭和10年に改築されて以降、廃止とともに本来の駅の役目を終えた後も、地域の方々で周辺の草刈りをするなど管理をされてきました。足寄町出身の歌手・ 松山千春さんの映画の中でも、この上利別駅舎がかつての「足寄駅」として登場したこともあるなど、さまざまな歴史やエピソードのある駅舎です。

 

現役時の銀河線
〔地域の足として活躍していた頃のふるさと銀河線(本別駅) 札幌漫鉄オヤジ 氏撮影提供〕

 

しかし、昨年秋頃に足寄町内を襲った暴風により、駅舎屋根も多大な被害を受けてしまい、今後の修繕や維持管理などが難しくなったことから、惜しまれつつも今年度解体されることとなりました。

 

私たちは偶然にも「解体」のニュースを知り、『沼牛駅舎とは直接的なつながりはないかもしれないけれど、「北海道や地域の歴史を物語る大切なもの」であること、廃止後も地域の人に愛されてきた「木造駅舎」なのは同じなはず』と考え、『北海道に残る木造駅舎の想い出や歴史を少しでも保存したい』とアクションを起こしました。

 

上利別駅内部
〔現役時の上利別駅待合室 増田 秀則 氏撮影提供提供〕

 

上利別駅舎を所有している足寄町の全面的なご協力を得た上で、「上利別駅」の持つ歴史や想い出を「形」として残していくために、上利別駅舎の貴重な部材の一部を沼牛駅舎の修繕に活用する『古材再利用』による、北海道内の木造駅舎保存のプロジェクトをスタートさせました。

 

現役夜の上利別駅
〔現役時の上利別駅 榎本 淳 氏撮影提供〕

 

 

「懐かしのあの頃」の姿へとさかのぼるまでの、軌跡のはじまり

 

昨年春、沼牛駅舎は数十年ぶりにすべての窓を開けました。

 

昨年春、まずは「深名線廃止から20年の節目の年、現存している沼牛駅を観てもらおう」ということを目標に、少しずつ掃除や修繕を重ね、長い間閉ざされていたすべての「窓」を開けました。

 

これまで、駅舎全体の軽微な修繕は行ってきましたが、沼牛駅から駅員がいなくなった昭和の時代から住居部分はまったく使われておらず、建物の中は真っ暗なうえに、数十年分のほこりが蓄積していて、お世辞にも「綺麗」とは言える状況ではありませんでした。

 

修繕前の沼牛駅
〔昨年春の沼牛駅〕

 

真冬には屋根の高さまで雪が積もることから、すべての窓にはコンパネが打ち付けてありました。そのコンパネを数十年ぶりに取り外し、何度も何度も床を磨き、危険な箇所の応急処置をしながら内部を整え、どうにか見学していただける程度にまでたどり着くことができたのです。

 

修繕前の様子
〔雨漏りで傷んだ住居部分の天井〕

 

 

そして昨年夏、昭和の雰囲気が色濃く残る沼牛駅舎が蘇りました。
深名線廃止から20年、1日限定で駅がオープンしました。

 

ささやかな公開イベント「おかえり沼牛駅」約800名程の町民や全国のファンのみなさまにお越し頂き、「あの頃」を想いだす、懐かしい憩いの場となった木造駅舎

 

2015年7月18日、廃止後も約20年間のわたり大切に守り続けてこられたことで、当時のままの雰囲気が色濃く残った「沼牛駅」が、廃止以来久々に『…おかえり…』と皆さんをお迎えしました。

 

1日限りのささやかな公開イベント『おかえり沼牛駅』は、住民の皆さんはもちろん、道内各地や全国からの鉄道ファンの方々にもお越しいただき、6時間ほどのイベントにもかかわらず、約800人の皆さんにお越しいただき、驚くほどの大盛況となりました。

 

夜の沼牛駅
〔町保存の駅名標を取り付け、電灯もつくように修繕した沼牛駅〕

 

お越しいただいた方からは、「昔を思い出すようで懐かしい」「町にまだ当時のままの駅が残っていたとは」「初めて訪れたがいまにも列車が走ってきそう」など、年齢問わず多くの皆さんから嬉しい感想をいただくことができました。

 

また、かつて沼牛駅で勤務されていた駅長さんの息子さんがはるばるイベントにお越しいただき、さらにその方と同級生の地元の方が偶然にも1人2人と沼牛駅に集まり、気づけば駅舎で『同窓会』がはじまっていたのです。私たちメンバーからも、「たくさんの町民の方々も訪れて“懐かしい”と言っていてくれていたのがなにより嬉しかった」との感想が聞かれました。

 

イベントの様子
〔無人化で壁になっていた窓口を復元し、イベントでは記念品などを販売〕

 

 

 

 

より多くの歴史的建造物や鉄道遺産を保存利活用していくため

 

その歴史的価値を“古材再利用”で紡いでいく。

 

自然環境厳しい北海道の地で、地域の歴史的建造物を『古材再利用』により保存修繕を進めていくプロジェクトです。これまで、鉄道資源、特に「木造駅舎」の保存修繕では前例のない取り組みですが、今後より多くの歴史的建造物や鉄道遺産がより良い状態で保存利活用されていくためには、このいまある貴重な部材を再利用することにより価値をつむいでいく、『古材利活用』という新たなきっかけづくりのプロジェクトとしても、ご支援ご協力の程よろしくお願いいたします。

 

今回、譲り受けた上利別駅舎の古材の一部を再利用しながら、沼牛駅の修繕を行う主な内容は以下のとおり計画しています。

 

◆【上利別駅舎古材再利用による復元修繕】

上利別駅舎の木窓枠、出札口木板などの古材を再利用し、沼牛駅舎欠損箇所の復元修繕

 

◆【沼牛駅舎応急維持修繕】

沼牛駅舎の特に傷みが激しい箇所の修繕(木窓枠、建物基礎、屋根、木材腐食箇所等)

 

まず今回は「沼牛駅舎を少しでも長く維持していく」ための修繕を最優先に実施します。そして、この建物の魅力や価値をより多くの方に感じていただけるよう、皆様方にも実際に観ていただけるようなイベントなどの「利活用」も行っていきたいと考えております。

 

いまもなお北海道に現存している「木造駅舎」が持っているものは、「鉄道趣味」としての魅力だけではなく、地域史を語る上で欠かすことのできない歴史の1ページであることも間違いありません。簡単には語りきれない、奥深い魅力と価値を後世に守り継ぎ、そして皆さまにもその魅力に触れていただきたいと強く願っています。

 

とても長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございます!

私たちと一緒に貴重な木造駅舎「沼牛駅」を守って頂けないでしょうか?

応援よろしくお願いいたします!!!

 

廃止後、20年ぶりに賑わいを見せた「おかえり沼牛駅」イベント 札幌漫鉄オヤジ 氏撮影提供

 

 

 

旧沼牛駅のご紹介

 

◇住所

旧深名線旧沼牛駅舎(北海道雨竜郡幌加内町字下幌加内)

 

◇修繕期間

2016年8月頃~9月末予定

 

◇支援金の使用用途

①建物修繕費
②再利用部材運搬費など

 

◇おかえり沼牛駅実行委員会Facebook
https://www.facebook.com/okaeri.numaushieki/

 

 

 

幌加内町長からのメッセージ

 

 

幌加内町長の細川雅弘です。
北海道幌加内町は、そばの作付面積・生産量、人造湖として最大面積の朱鞠内湖、非公式ながら最寒記録-41.2度と3つの日本一がある町として知られております。

 

昨年、地元有志を中心とした実行委員会により実施された木造駅舎公開イベント「おかえり沼牛駅」は、町内外からの来場者数が約800人と大盛況のもと開催され、皆さまにとって『深名線』という鉄路が、どれほど思い入れがある路線であったかを強く感じることのできたイベントでした。

 

今回のプロジェクトは、旧沼牛駅舎(旧深名線・幌加内町)を旧上利別駅(旧池北線・足寄町)の解体に伴う、一部部材を譲り受け、修繕・保存整備することを目標にしており、それぞれの地域の玄関口であった歴史ある「木造駅舎」の思い出や姿を紡いでいく素晴らしいプロジェクトであると感じています。

 

そして、この実行委員会の構成員のほとんどが20~30代の若い方を中心に構成されており、「地域にある資源を活かしてまちを盛り上げたい。歴史的建造物である沼牛駅舎の魅力を多くの方々に感じてもらいたい。」という思いから、活動をスタートしたと聞いております。

 
地域の若い方の力は、町の活性化に必要不可欠であり、幌加内町としてもこの活動を応援したいと考えております。全国の皆さま方におかれましてもご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

リターンのご紹介

 

 

◇5,000円≪乗客セット≫

◇サンクス切符(特製模擬硬券切符)

*お披露目イベントで切符提示で特典をお渡しします

 

 

◇10,000円≪駅員セット≫

◇サンクス切符(特製模擬硬券切符)
◇限定沼牛駅グッズ(非売品)

◇駅舎内にお名前(もしくは企業名)掲示

 

 

◇10,000円≪幌加内セット≫

◇サンクス切符(特製模擬硬券切符)
◇幌加内産そば(乾麺)

◇駅舎内にお名前(もしくは企業名)掲示

 

 

◇30,000円≪主任駅員セット≫

◇サンクス切符(特製模擬硬券切符)
◇限定沼牛駅グッズ(非売品)
◇幌加内産そば(そば工房坂本・乾麺)
◇足寄町特産品
◇駅舎内にお名前(もしくは企業名)掲示

 

 

◇50,000円≪助役セット≫

◇主任駅員セット
◇お披露目イベント時に、そば打ち最高段位の坂本勝之名人による手打ちそば提供(もしくは自家製粉そば粉等郵送)

 

 

◇100,000円≪名誉副駅長セット≫

◇助役セット
◇駅舎内にお名前を掲示(木製札)
◇『名誉副駅長』 辞令書交付

 

 

◇500,000円≪名誉沼牛駅長・宿直(1晩貸切権)セット≫

◇副駅長セット
◇『名誉駅長』 辞令書交付
◇沼牛駅舎1晩(半日)貸切権

※宿泊設備ではありません。貸切権は1回のみ、2017年10月まで有効

 

 

◇800,000円≪名誉駅長・駅名標セット≫

◇副駅長セット
◇『名誉駅長』 辞令書交付
◇駅名標にお名前(もしくは企業名)を掲示し、現地に1年間設置

(その後、駅名標はプレゼント)

 

 

 

 

お問い合わせ先等

 

◇本プロジェクト事務局窓口:(幌加内町観光協会内)

 ・住所:北海道雨竜郡幌加内町字幌加内

 ・TEL:0165-35-2380

 ・MAIL:horokanai.jyuku@gmail.com

 

※本プロジェクト担当者は事務局窓口に常駐しておりませんので、

お問い合わせはメールにてお願いいたします。

 

 

◆後援:幌加内町、足寄町、幌加内町観光協会

◆協力:北海道鉄道観光資源研究会

 

 


最新の新着情報