『喜界島 海と陸の造礁サンゴ図鑑』が完成しました!!
海の中では、サンゴ礁に多くの生物が集まり多様な生態系をつくります。私たち人もサンゴ礁の恩恵を受けサンゴ礁に集まる生物のひとつです。
サンゴは私たちに、たくさんのことを教えてくれます。過去のこと、今のこと、そして私たちがサンゴに寄り添い話しかけることで未来へのヒントをくれるかもしれません。
喜界島サンゴ図鑑プロジェクトは、喜界島のサンゴ礁生態系の“今“の姿を図鑑として、100年後の未来へ残すプロジェクトです。
2020年2月の第1次調査から始まった本プロジェクトは、2020年8月のウェブ版のフィールド図鑑の公開、2020年10月にはクラウドファウンディングで多くのみなさまからのご支援・声援を賜り、100年後に残す書籍版図鑑の出版に向けた調査を本格的にスタートしました。
そして、2021年5月に第二次調査を実施後図鑑の執筆が始まり、2022年5月31日出版で、ついに書籍版図鑑が完成しました!
コロナ禍の影響もあり喜界島での調査の遅れなど困難もありましたが、皆さまのご支援のおかげで完成までたどり着くことができました。
本当に ありがとうございました!!
皆さまからの貴重なご支援は
・調査費
・傭船費
・編集費
・図鑑印刷費
サンゴ図鑑をつくるために大切に使わせていただきました。
(調査海域に向かうサンゴ図鑑調査チーム)
これから出会うサンゴに期待を膨らませて調査に向かいます。
(海中での現生サンゴの調査)
海中では県の許可のもと生きたサンゴを採取しました。生時の写真はこの時撮影しました。
(骨格標本の作成)
最終したサンゴはDNA試料を採取したのち、生体部を除去し骨格標本にします。
これをもとに採取したサンゴの種類を同定していきます。サンゴ図鑑チームが分類をしていると地域の方々や学生が集まってきました。
(陸上でのサンゴ化石の調査)
喜界島を形作る化石サンゴは、島中を探して撮影しました。
(標本の撮影)
標本の撮影には多くの学生も関わりました。分類のために必要な部分は種類ごとに様々です。サンゴの標本をどのように撮影したら良いか教わりながら撮影を進めました。
図鑑の作成には調査チーム、地域の方々、学生、出版社の方々、そしてご支援いただいた皆様と本当に多くの人が関わりました。
今回作成した図鑑は、喜界島の海を守るための活動、海洋観測・リーフチェック・海岸清掃などの啓蒙活動にも活用されていく予定です。
図鑑のタイトルは、『喜界島 海と陸の造礁サンゴ図鑑 Living and fossil zooxanthellate corals of Kikai jima Island』。海と陸、Living and fossilとあるように、海の中のいきいきとしたサンゴたちの姿に加えて、学術的な骨格標本の写真、さらには喜界島を形作る化石となった時の姿も含め掲載されています。「生体」・「骨格」・「化石」の3つの要素がそろった、隆起サンゴ礁の島 喜界島でしかできない図鑑になりました。
執筆者一同、100年先まで残る図鑑となることを願っています。
6月下旬からはオンラインでの販売も予定しておりますので、ぜひお手にとってご覧いただけましたら幸いです!
(喜界島サンゴ礁科学研究所一同)