東山旧岸邸の庭園を次世代へ|国登録有形文化財登録記念事業

東山旧岸邸の庭園を次世代へ|国登録有形文化財登録記念事業

支援総額

3,065,262

目標金額 3,000,000円

支援者
109人
募集終了日
2022年10月31日

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プロジェクト本文

東山旧岸邸の庭園を、次世代へ

東山旧岸邸は、首相を務めた岸信介の自邸として1969年に建てられ、2021年に国の登録有形文化財に登録されました。伝統的な数寄屋建築の美と、現代的な住まいとしての機能の両立を目指したこの邸宅は、建築家・吉田五十八いそやの晩年の作品でもあります。御殿場市に寄贈された後、現在は御殿場市の文化施設として一般公開され、建物と四季折々の庭園を楽しみに多くの皆様にご来館いただいております。


私たちは今回初めてクラウドファンディングに挑戦します。その理由は、都会の喧騒を離れ特別な時間を過ごしていただけるこの場所「東山旧岸邸の庭園」を守り続けたいからです。現在、限られた予算・人員の中ではメンテナンスの手が届かないところがあり、庭園の再整備が必要な状況です。

今回のプロジェクトでは、庭園の再整備の一歩として、長年課題だった高木のメンテナンスを実施します。このプロジェクトを通じて、高木によって発生していた手作業での日々の維持管理の負担を軽減し、より美しい庭園として次世代に繋ぐための再整備に人員・時間を投資できるような体制を整えたいと考えています。

どうか皆様からのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

プロジェクトを立ち上げた経緯

 

来館者の皆様に特別なひと時を届けるために


東山旧岸邸は、1969(昭和44)年に元総理・岸信介の自邸として建てられました。多くの要人や海外からの賓客をもてなしてきた、歴史のある邸宅です。

 

 

邸宅の周りには小川が流れる和風庭園が広がっており、その敷地面積は延べ5669㎡。指定管理者である株式会社虎玄は、この庭園を維持するために落ち葉などの毎日の清掃や、定期的な剪定をしています。日々のメンテナンスを続けているおかげで、来館される皆様には木漏れ日が降りそそぐ庭園の散策や建物と庭園の調和を楽しんでいただき、喧騒を離れた特別なひと時を味わっていただけます。

 

 

 

庭園のご紹介

庭園の木々は、春には梅やフジザクラ、夏はビヨウヤナギやハナイカダ、秋にはイロハモミジ、冬はロウバイなど四季折々の花を楽しむことができます。象徴的なノムラモミジは岸元総理ご自身で植えられたと言われています。

それと並んでムクロジの木があり、茶庭にはスギコケが広がり、つくばいの後ろに吉田茂元総理から贈られたという石灯篭があります。庭園は散策もできるように整備され、池やせせらぎがあり、その茂みには初代内閣総理大臣の伊藤博文公がもっていたものを譲り受けたという古い石灯篭もご覧いただけます。

ハナイカダ

ビヨウヤナギ

イロハモミジ

ロウバイ

ノムラモミジ

茶庭に広がるスギコケ

吉田茂元総理から贈られたという石灯篭

 

 

大きく茂った高木の影響…
剪定が必要であるものの、予算不足が課題


しかしながら、限られた予算や人員のなかでできることに限界が生じ、一部手が届いていないところがあるのも正直なところです。

 

中でも一番の課題は「高木」です。創建当初から大切に守り続けてきた木々は、50年以上経過した今では非常に大きく茂り、剪定をする必要があります。しかし高木の剪定は自分たちでの手作業では難しいうえ、他の剪定よりも費用がかかるためになかなか実施できないのが現状です。

 

実際に茶庭左手にある高木が屋根にかかり、初春にはその実が屋根一面に落ちることで景観を損なわせてしまっています。その他にも、この庭園の象徴する「ムクロジ」が弱ってきたり、御殿場ならではの桜の品種である「フジザクラ」が他の高木に負けて存在が薄くなってしまったりなど、高木の影響は非常に大きいのです。

 

和室屋根にかかる木々

若いまま落下するムクロジの実

他の木の日陰になるフジザクラ

大きくなったシデの木

 

 

庭園の特徴でもある広大なコケ敷地も、高木からの雨だれで傷んでしまっています。獣(サギ、イノシシ)による掘り起しに遭うこともあり、その度に毎年のようにコケ修繕を行いながら維持をしています。

 

庭園を荒らすイノシシ

イノシシに荒らされた箇所

 

 

庭園の再整備を進めたいが、
維持管理に留まってしまう現状


造園の世界では木々の剪定をする時期は決まっており、年間スケジュールを密に作成し、その時期に合わせた作業を行う必要があります。作業は休館日や開館前の早朝に終わらせなければならず、短時間で完了させるためにスタッフや業者など総出で行っていますが、雨で作業が中止になるなど、自然相手ゆえに予定通りにいかないこともあるのが悩ましいところです。

 

本来であれば、東山旧岸邸を設計した建築家・吉田五十八の目指した庭園にするために必要な再整備を進めていきたいところですが、現在の環境下では、庭園の細やかな維持管理にほとんどの時間と人員が取られてしまいます。限られた予算や時間、人員の中では、今よりもさらに手が回らないところが増えてきてしまうかもしれません。

 

これからも東山旧岸邸の庭園を大切に守り繋いでいくためにも、この課題をなんとか解消できないかと今回のプロジェクトを立ち上げました。

 

 

 

 

プロジェクトで実現すること

 

東山旧岸邸の庭園を未来へ繋ぐため、再整備のきっかけに

 

今回私たちが実現させたいのは、これまで予算的な事情で着手することができなかった東山旧岸邸の庭園内にある高木のメンテナンス(剪定と一部の伐採)です。これにより、落ち葉の清掃や定期的な剪定などの負担が軽くなります。これからも手仕事で庭園を維持管理し続けることはもちろん変わりませんが、高木のメンテナンスを通して日々の維持管理の負担を軽減し、より美しい庭園として次世代に繋ぐための再整備に人員・時間を投資できるような体制を整えたいと考えています。

 

生い茂った木々の様子

 

また、東山旧岸邸では毎年伝統芸能講座や茶会などイベントを定期的に行っています。この庭園を使用したイベントも人気があり、整備後の庭園で新たなイベントができるよう現在企画中です。そのため、一部イベントの運営費に使用させていただきます。

 

クラウドファンディング概要

第一目標金額:300万円
資金使途:庭園の整備費・イベントの開催費、手数料、その他リターンに関わる諸経費

 

 

 

なぜクラウドファンディングなのか?

 

一緒に東山旧岸邸を次世代に繋げていく仲間と出会いたい

 

東山旧岸邸は御殿場市の文化施設として一般公開しているため、入館料は大人300円、子ども150円(20名以上の団体は各50円引き)と条例で定められています。入館料とともにお土産品などの物品販売による資金源は、新型コロナウイルス感染防止策として臨時休館や地域制限をするなど、近年は収益減により運営に大きな痛手を受けています。

 

東山旧岸邸の本館が2021年10月に国の登録有形文化財に指定されましたが、庭園は範囲外です。したがって広大な庭園の整備を行うための補助金や助成金に指定管理者が申請できるものがなく、現在は全て自己資金で賄っている状況です。

 

これまでも心地よいひと時を皆様にお届けするために、当社のスタッフが手作業で日々のメンテナンスにあたるなど限られた予算の中での工夫を続けてきました。しかしこのままだと高木によるさまざまな課題は解決できないため、どうか皆様の力をお借りできないかと、初めてのクラウドファンディング挑戦を決意した次第です。

 

 

ただし、今回クラウドファンディングを実施することは、単に資金的なご支援をいただくという目的だけではございません。クラウドファンディングは、これまで応援してくださっている皆様、そしてこれから出逢う皆様と繋がりを作ることのできる手段だと捉えています。

 

そうして繋がっていただいた先に「また行ってみたい」「初めてだけど少し覗いてみよう」と思っていただけたならば、ぜひ東山旧岸邸にお越しくださいませ。おひとりで静かに見学したり、ご家族で和やかに見学したりと、この場所でしか味わえない空間を体感していただきたいです。東山旧岸邸の歴史を刻み続け、次世代に繋いでいくことを一緒に目指す仲間になっていただけますと幸いです。

 

 

 

 

プロジェクトの今後

 

建築家・吉田五十八が目指した形に立ち戻る

 

2020年に東山旧岸邸に関する書籍「五十八さんの数寄屋」が鹿島出版会より出版されました。その著者である田野倉徹也氏は、東山旧岸邸の庭園について次のように記しています。

 

「和室前を垣根と枝折戸で仕切り、内露地をつくる構成などは竣工当時のままだが、植栽はだいぶ更新されている。竣工時の姿(吉田好み)は以下のとおり。・・・・」(p.85)

 

現在も来館者の皆様に喜んでいただけていますが、建築家・吉田五十八の目指した建物と庭の調和の実現にはまだ至っていません。今回のプロジェクトが終了したその後は、吉田五十八がどのように庭園の設計をしたかを田野倉氏や作庭家、造園業者と研究しながら、庭園を再整備・復元していくことを第二目標として予定しています。

 

普段の日常から少し離れ、吉田五十八の設計した建物と庭園の中で、御殿場の風を感じながら過ごしていただくと新しい気づきがあるのではないでしょうか。ぜひこれからも歴史ある東山旧岸邸を後世に残していくため、応援とご支援をお願いいたします。

 

 


 

応援メッセージ

 

大倉源次郎さん(能楽師)

 

 

明治大正昭和を生き抜いた傑物、岸信介。この名を一度は聞いたことがある筈です。 彼が住まいとしたこの空間は当時の空気を残し暫し時空を超えさせてくれます。 人は忘れる動物です。昭和44年に岸信介の自邸として名工吉田五十八設計のこの空間が伝える世界観は凡ゆる書物や映像を通しても伝わることは無いでしょう。 激動する世界の中の日本を如何に考え生き抜こうとしたか? そこで生まれた功罪を肌で感じることをこの空間は教えてくれます。 1日でも永く、この空間が多くの皆様の手によって伝えられ語り継がれます様にお願い申し上げます。 御大の最晩年に小生は、新幹線熱海駅で偶然に出会いました。 年老いても尚背筋をピンと伸ばし佇む姿には只者ではない景色を漂わせていました。 思わず会釈をして立ち去ったことを昨日の様に思い出します。

 

■プロフィール
おおくら・げんじろう
1957年大阪生まれ。 甲南大学卒 能楽小鼓方大倉流十六世宗家。公益社団法人能楽協会理事。 
20代より能公演はもとより、誰もが日本文化である能と気軽に出会えるよう「能楽堂を出た能」をプロデュース。 新作能、復曲能にも数多く参加。 海外公演延べ20カ国30ツアー45公演を超える。子ども向け能楽体験講座など各地で開催。 奈良県商工会議所青年部委嘱作品新作狂言「釜の火」を制作。
1992年大阪市咲くやこの花賞。2016年法政大学観世寿夫記念能楽賞。2017年重要無形文化財保持者の認定を受ける。2019年フランスLV財団の要請を受けて同財団美術館にて能楽公演を梅若桜雪と開催。

 

 

藤森照信さん(建築史家・建築家)

 

 

日本の誇る数寄屋建築の近代化をリードした吉田五十八の住宅は、庭とともにあった。吉田の庭は、レヴェルが床面に近いのが特徴で、こうすることにより、室内の空間が外の庭の空間へと連続的に流れ出る効果を持つ。

 

東山旧岸邸は、この特徴をよく示すよう作庭されたが、その後の管理の行き届かない時期を経て、今は荒れている。これが回復されれば、往時の建築と庭の連続性をまた味わうことができるだろう。

 

■プロフィール

ふじもり・てるのぶ

建築史家、建築家。東京大学名誉教授、工学院大学特任教授、東京都江戸東京博物館館長。1946年生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。
作品に「神長官守矢資料館」「熊本県立農業大学校学生寮」(日本建築学会会賞(作品))「高過庵」「ラコリーナ近江八幡」(日本芸術院賞)など。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『フジモリ式建築入門』(ちくまプリマ―新書)、『茶室学講義』(角川ソフィア文庫)ほか多数。田野倉徹也氏との共著に『五十八さんの数寄屋』。

 

 

田野倉徹也さん(建築家)

 

 

日本建築には、建物と庭園とが一体となり調和した境地がある。ミリ単位で寸法を指定できる建物に対して、構成する要素の全てが自然物という庭園は、工匠にとっても憧れの人造物である。建築家・吉田五十八は「木が主で家は従」と考え、庭の向こうからの「見返り」を考えて建物を作った。近代数寄屋を大成させただけでなく、いち早く流行の「雑木の庭」を採り入れ、樹種も試行錯誤を加え、時代に合った庭を積極的に提案した。東山旧岸邸は、着工の前に仮設のステージを組み、2階の窓の景色まで詳細に気を遣ってつくられたという。ただでさえ美しい御殿場の豊かな自然に、吉田の手の入った、建物と庭園とが一体となった姿をもう一度見てみたい。

 

■プロフィール
たのくら・てつや
1978年生まれ。東京大学同大学院を修了。鹿島建設を経て独立。伝統的な数寄屋や社寺の実作を手がける。漫画家・山下和美のエッセイ漫画『数寄です!』『世田谷イチ古い洋館の家主になる』に蔵田徹也として登場、執筆や監修も行う。伝統芸能にも造詣が深く、にっぽん文楽公演の組立て舞台や岡山RSK・新社屋の能舞台の設計の他、舞台監督なども務める。藤森照信氏との共著に『五十八さんの数寄屋』。柿傳・茶の湯同好会や淡交社文化事業部での講座など

 

 

勝又正美さん(御殿場市長)

 

 

富士山の裾野に広がる美しい自然の中にある御殿場市は、古くから保養地や避暑地として多くの人々から愛されてきました。

その中で東山旧岸邸は昭和44年に、首相を務めた岸信介の自邸として建てられました。この邸宅は、建築家・吉田五十八が設計を担当し、五十八晩年の代表作としても知られております。

平成15年にご遺族から寄贈を受け、文化的・歴史的に貴重な建造物であることから、御殿場市では東山旧岸邸の整備を進めてまいりました。また、令和3年には本館が国の登録有形文化財に登録されました。市民の皆様だけでなく、市外からも多くの方々が訪れ、洗練された近代数寄屋建築や風情豊かな庭園を楽しまれております。

当市にとって重要な文化施設である東山旧岸邸の美しい庭園を後世に残していくために、このたび指定管理者がチャレンジするクラウドファンディングに多くの皆様方からのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

 


留意事項

 

●今回いただくご支援金は、東山旧岸邸の指定管理者である株式会社虎玄が庭園の整備費とクラウドファンディングの諸経費として使用し、他の目的に充てることはございません。

●今回のクラウドファンディングは、東山旧岸邸の所有者である御殿場市の許諾を受けて実施しております。

●お名前掲載のリターンについての注意事項:リターンに関する条件の詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。 

●返礼品の各種企画について、新型コロナウイルス感染症の影響等により開催が難しくなった場合、翌年以降に実施する場合もございます。予めご了承ください。

プロジェクト実行責任者:
近藤英雄(株式会社虎玄(東山旧岸邸))
プロジェクト実施完了日:
2023年4月30日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

庭園の整備費・イベントの開催費、手数料、その他リターンに関わる諸経費

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
今年度は500万円が必要金額であり、内クラウドファンディングから300万円、自己資金から200万円を支出する予定。

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リターン

5,000+システム利用料


ポストカードセットコース

ポストカードセットコース

●ポストカード3枚セット

●お礼のメール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制/企業名も可)
●東山旧岸邸ペア招待券
※有効期限:発行から1年間

申込数
30
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年1月

10,000+システム利用料


年間フリーパスコース

年間フリーパスコース

●東山旧岸邸 年間フリーパス券 1名様分
※有効期限:発行から1年間

●お礼のメール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制/企業名も可)
●東山旧岸邸ペア招待券
※有効期限:発行から1年間
●ポストカード5枚セット

申込数
22
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年1月

5,000+システム利用料


ポストカードセットコース

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