ご支援頂き誠にありがとうございました。
【ご支援頂いた皆様へ】
近世紀行文最後の名品と称される「西遊草」を復刻したい。この思いに賛同頂いた全ての皆様に改めて感謝申し上げます。
「西遊草」は安政2(1855)年に、江戸の大火で文武指南「清河塾」を失い帰省していた折、これまで清川を出たことがない母に国内を旅し、日頃の苦労を少しでも癒して貰いたいという母親想いの気持ちが込められた旅日記です。出立が3月19日、帰着が9月10日で約半年の長期に及ぶものでした。目的は伊勢神宮参拝でしたが、さらに足を延ばし岩国の錦帯橋、讃岐の金毘羅宮にも立ち寄っています。
八郎は「書くことが癖になっている」と自ら書いている通り、約半年、毎日その日に見た事、あるいは感じたことを仔細に書き記しました。また母や妹が読み易いようにと、敢えて漢文ではなくひらがなを用いてまとめています。
小山松勝一郎先生の校注により、初版は平成5(1993)年、第2刷発行が平成12(2000)年で2回発行しておりますが、買い求める人が多く約8年間で絶版となってしまいました。
今回のクラウドファンディングにより新たに1千部の「西遊草」を印刷することが出来本当に有難く思います。八郎の社会観、人間観、あるいは歴史観を理解する上で最適な1冊だと思いますので、お手元に届きましたら時間を掛け熟読をお願い致します。
先日(2月17日)の山形新聞社説「清河八郎生誕190年 人物像を広める契機に」の中に、『作家の田辺聖子さんは、江戸時代に伊勢参りをした筑前(福岡県)の女性の旅日記を基にした「姥ざかり花の旅笠」でたびたび「西遊草」に触れ、八郎を「天性、人なつこさがあったのか、旅中も袖振り合うた旅行者たちに慕われている」と評した。尊皇攘夷の志士というイメージとは違った親孝行で人間味豊かな一面が伝わってくる。』と記載されております。
この本を通して一般的にいわれている幕末の暗躍者的イメージとは違い、新しい八郎像が生まれてくることを願ってやみません。
▼山形新聞社説(2月17日)
【結果の報告】
昨年12月20日に目標金額70万円で最終期限を1月31日としてスタートして以来、12月27日には488千円になり、1月8日には70万円を達成できましたが、当初厳しい財政ながら自己資金を覚悟していたクラウドファンディング運営手数料や、郵送料等もお願いしようと130万円のネクストゴールを設定させてもらいました。その金額も1月27日には達成することが出来、最終的には1,397千円の金額になることができました。誠にありがとうございました。
【収支の報告】
収支の結果を次の通りお知らせいたします。但し、送料等で金額が確定していない部分もありますので3月4日現在の数字になります。
1収入
クラウドファンディング支援金 1,397,000円
庄内町観光協会助成金 200,000円
清河八郎顕彰会助成金 100,000円
合 計 1,697,000円
2支出
「西遊草」復刻版印刷費 1,122,000円
クラウドファンディング運営会社手数料 307,340円
広報宣伝費(チラシ印刷、返礼品購入費) 208,200円
返礼品送料 34,300円
その他プロジェクト諸経費 25,160円
合 計 1,697,000円
【リターン及び所得控除証明書について】
3月3日に清河八郎顕彰会常任理事及び記念館理事の協力により、ご支援頂いた196人の皆様にそれぞれ選定して頂いたコースに従い、お礼状と所得控除証明書を添え梱包作業を行い3月4日にはヤマト運輸様(地元清川地区の皆様には清河八郎顕彰会理事が対応。)に依頼して発送致しました。
なお所得控除証明書についてですが、昨年金額を寄せられた方にあっても、証明書の発行できる月日はクラウドファンディングの当初目標を達成した日にち(目標に達しないと不成立となり支援金は返金となるため。)になるとの指導を受けておりますので、当初設定目標を達成した1月8日になります。よって来年の所得申告の際に提出下さる様お願い致します。
【今後の当館の活動について】
「清河八郎記念館」は明治維新の魁である清河八郎の生誕百年記念事業の一つとして、昭和37年に建設されました。八郎の残した400点以上の書簡、日記等を所蔵し郷里が生んだ偉人の功績を今に伝えて来ました。郷土愛を育む学校教育として、地元立川小学校では社会科副読本に取りあげたり、6年生が演劇「回天の志士清河八郎」を発表する際には積極的に資料提供に努めております。
八郎は天保元(1830)年清川に生まれ今年で生誕190年になります。これを記念しまた今回のクラウドファンディング事業成功記念としての特別企画展として、「西遊草」の文中から著名な訪問地、あいは八郎が特に興味を示した事柄を抜粋してパネル展示したいと考えております。是非記念館にも足を運んで下さると嬉しく思います。
今回の心温まるご支援に感謝申し上げると共に、今後共当館運営にご支援ご協力を賜ります様お願い申し上げ御礼とさせて頂きます。