【きずなメール】安心を言葉にのせ孤育てを防ぐセーフティネット強化を

あけましておめでとうございます。大島です。今年もよろしくお願いいたします。

 

年明け最初の投稿は、日頃お世話になっている方からの応援メッセージです。

 

「きずなメール」の基本となる原稿は、妊娠期の「マタニティきずなメール」、育児期の「子育てきずなメール」の2つが柱です。育児期の「子育てきずなメール」は、複数医師と団体との制作監修プロジェクトを経て完成しました。

 

今回のメッセージは、この制作監修プロジェクトメンバーのお一人、吉永陽一郎先生からいただきました。吉永先生は、育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍されており、たまひよで、小児科医・陽ちゃん先生の診察室だよりも連載されています。

 

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（応援メッセージ）

「子育てきずなメール」の文章を作る仕事は2012年に始まりました。10名の医師が集まり、子育てと子どもの健康に関する内容を多数ピックアップして、そのひとつひとつに文章をつけていきました。内容は子どもの健康に関する事ほぼ全体にわたりました。

 

文章はその時代の多くの医療者が妥当だと考えている内容である必要があります。現時点で正しいと確認されている内容、親子を見守っていく者として伝えたい思い、これまで言われてきたけれど事実かどうかわからない内容。それらを確認し合いながら、思いだけが先走らないように気をつけました。

 

またわかりやすいことや、違う意味にとられない文章である事も大切です。何度もやりとりをして、言葉を選んでいきました。何度も、日々診察室で出会っているお母さん達の顔を思い出しながら書きました。

 

「子育てきずなメール」は、全ての文章の細かい言葉使いまで、何人もの医師の目を通っている事が特徴です。ある医師の信念や思い込みで書かれているものでは無いので、より公平で信じていただける内容になっていると思います。

 

そして時代と共に予防接種などの規則が変わり、健康や病気に関する新しい知見が発表され、新型コロナウイルス感染に見られるように流行の病気も変わります。その時になにが正しくて、なにが妥当な判断なのか、なにに一番注意すべきなのか、検討する作業には終わりがありません。

 

「子育てきずなメール」は、毎日４万人近いママやパパが読んでいます。

「「子育てきずなメール」を読んでいて、うちの様子をどこから見ているんだろう と思ったほど、その時の子育て中の私にぴったりのタイミングで言葉がやってきました」
「いつも肝心なときに、だまっていても的確なアドバイスがやってきます。私はひとりじゃないとさえ思いました」「もうすぐ子どもが３歳になります。「子育てきずなメール」が無くなると、大事な友達が居なくなるようで寂しいです」

そんな感想をたくさんいただきました。

 

今回、「子育てきずなメール」はやさしい日本語化をめざしています。これまで通りの文章を、ひらがなやカタカナにしただけでは無い、もっと理解しやすく、平易な言い方に生まれ変わります。日本で暮らしている多くの外国の方達にも歓迎されることでしょう。正しい知識を得ることだけでなく、外国での育児を、だれかがサポートしてくれようとしているという気持ちさえ支えてくれるかもしれません。これから、やさしい日本語を作るスタッフと、その内容が正しいことを確認し続ける医療スタッフとの協働作業が始まります。より多くのご家族に寄り添い、役に立ってくれることを願ってやみません。

 

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吉永先生が、医師という専門性に加え、親となった方々への「エール」を込めてつくってくださった原稿には、学ぶところが多く、今も団体に関わる用語の細部に生きています。

 

社会の片隅で困っている人々を支えることは、未来の自分を助けることにもつながっています。「きずなメール やさしい日本語版」実現のために、引き続きご支援をお願いいたします！

 

（プロフィール）

吉永陽一郎●吉永小児科医院（福岡県久留米市）・院長。国内初の子育て専門診療科である聖マリア病院母子総合医療センターの「育児療養科」科長などを経て、現職。タッチケアの推進がライフワーク。