絵本作家・浜田桂子さんから賛同メッセージをいただきました

　絵本『コッハルモニ』が、とうとう日本で刊行される。ここに至るまでの長く困難な道のりを思うと、胸が熱くなる。

　著者のクォン・ユンドクさんから、最初に『コッハルモニ』の下書きを見せていただいたのは2007年だった。日本統治下の朝鮮の少女たちが、日本軍の性奴隷にされていく怒りと憎悪に、私はたじろいだ。その後クォンさんは、悩みながらも試作を重ね、感情を乗り越え、日本にとどまらない戦争と性暴力の本質について考えを深めていく。

　モデルになったシム・ダリョン ハルモニに寄り添いつつ、絵本としてどのように表現すれば読者の心に響くのか、探求される。そして『コッハルモニ』は、美しい芸術作品となって誕生した。

　日本での出版を目指してクォンさんが来日され、中学生に『コッハルモニ』を読まれたとき、男子生徒が感想を述べた。

「内容に衝撃を受けたが、もっと衝撃を受けたのは、僕たちが何も知らされていなかったことだ」と。

　この絵本の出版を、みんなで支えていきたい。

浜田桂子（絵本作家）