治療対象のチンパンジー紹介：ショウボウ編

以前、チンパンジーを使った肝炎の医学研究がされていた頃、対象チンパンジーそれぞれに数字が割り振られていました。肝炎研究番号で、チンパンジーはその番号で識別されていました。
ショウボウは、肝炎研究番号119番でした。
そうです！119番なので、ショウボウ（消防）と名付けられたのです。
そんなショウボウは、どこか不思議な雰囲気がただようチンパンジーです。
あるとき、ショウボウにサトウキビをあげました。
もちろん食べてもらうためです。
甘くて、長い時間を噛んで楽しめるサトウキビは、チンパンジーの好物のひとつです。
ところが、ショウボウは、なぜか食べずに、サトウキビで地面を掘り始めました。
コンクリートの床の一角に土の部分があったのですが、そこを、サトウキビを掘り棒のようにして、一生懸命に掘ったのです。
なぜそんなことをしたのか、いまだに分かりません。
サトウキビを植えるつもりだったのでしょうか。サトウキビは、土に植えれば根が出て茎が伸びてきて増えるのですが、ショウボウはそんなことは知らないはず・・・
やがてショウボウは、サトウキビを普通に食べ始めました。なので、掘って何がしたかったのか、分からずじまいなのです。
 

（ショウボウが熊本サンクチュアリに来たあと間もなくの頃の出来事でした。あらためて映像を見ると、肌がまだ色白だった頃です。その後、屋外でたくさん過ごして、チンパンジーらしく肌は黒くたくましくなりました。）