【最終章】ウイルスの医学的実験を受けたチンパンジー みんなの治療へ

【最終章】ウイルスの医学的実験を受けたチンパンジー みんなの治療へ

寄付総額

24,188,698

目標金額 5,000,000円

寄付者
1,273人
募集終了日
2023年10月31日

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プロジェクト本文

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【最終目標達成!】

最後まで、ご支援をお願いいたします。

 

おかげさまで、大変多くの方々にご支援、ご協力をいただき、10月29日に最終目標金額の2,180万円を達成することができました!

 

これで念願だったムサシ、サイ、ユキオのC型肝炎治療を行うことができます。

早速治療薬購入の手続きを始めます。
みなさまに、深く、深く、お礼申し上げたいと思います。

 

プロジェクト終了の10月31日まで、引き続きご寄付を募っていきますので、どうぞよろしくお願いします。

 

最終目標金額を超えて頂いたご寄付は、今後チンパンジーの治療の過程で想定外の出費が必要になった場合や、その他の病気の治療、健康維持管理に必要な経費に充てさせていただきたいと思っています。

 

最後に、あらためて皆様に感謝の気持ちをお伝えします。ここまで本当に、ありがとうございました。

引き続き最後の瞬間まで、そして本プロジェクトの終了後も、チンパンジーたちの健やかな暮らしと未来を、温かく見守っていただけますと嬉しいです。
 

 

追記:2023/10/29
熊本サンクチュアリ(京都大学野生動物研究センター)

 

\投薬完了後、ウイルスが検出されなかったチンパンジーたち/

検査結果の他にも、投薬の様子などを

活動報告欄にて紹介しています。

ぜひあわせてご覧ください。

 

- はじめに -

 

熊本サンクチュアリは、もとは民間会社のチンパンジー飼育施設だったところ、2011年に京都大学が建物とチンパンジーを引き取ってできたものです。もとの民間会社の施設が設立されたのは1982年のこと、その数年前から国内でチンパンジーの医学実験が始まったのがきっかけでした。この熊本の施設の当初の目的は、そうした医学実験で「使用された後」のチンパンジーを受け入れて飼育することでした。

 

熊本サンクチュアリには、かつてC型肝炎ウイルスの医学的実験の対象となり、今もなおウイルスに持続感染しているチンパンジーたちが7にん暮らしています。彼らには、肝炎ウイルスによって引き起こされたと推測される肝臓や腎臓の障害があるなど、健康上の問題がおこっていて、手厚い看護が必要になっています。

 

末期腎不全でやせ細ったヒトミ。腹水でお腹も出てしまっています(ヒトミはこの写真の約半年後の2008年1月8日に亡くなりました)。

 

2022年に実施したクラウドファンディングにていただいたご寄付で、2023年7月25日、チンパンジー4にん分の肝炎治療薬の購入を完了しました。まず1にんのチンパンジーのC型肝炎ウイルスを完全に消し去ることに成功しました!さらに現在4にんが治療中で、間もなく合計5にんの治療を終了できる見通しとなりました。

 

一方で、昨年いただいたご寄付だけでは、悔しいですが全員分の治療薬を購入することができませんでした(詳細はこちらをご覧ください)。また、昨年当時の想定よりも長い投薬が必要な個体も複数いることがわかり、さらに多くの資金が必要となることがわかりました。

 

このままでは終われません。

人間の都合によって、必要のなかった闘病生活を強いられ、今も治療を待っているチンパンジーがいます。彼らみんなを救いたいと思っています。

 

そこで今回、まだ治療の見込みが立っていない3にん分の治療薬購入費用を募るべく、再びクラウドファンディングに挑戦することを決意しました。まずは1にんの治療薬購入費用を第一目標金額として目指します。もしも第一目標を達成しましたら、2にん目、3にん目の治療薬購入費用として第二・第三目標を掲げ、全員の治療薬購入を目指していきます。

 

 

かつて未知だったウイルスへの治療薬開発のため力を貸してくれた彼らに、彼らが生きている間に、私たち人間が恩返しをしなければなりません。

 

ご賛同いただける皆様からのご寄付を、心よりお願い申し上げます。

 

 

前回のお礼・プロジェクト概要

 

京都大学野生動物研究センターが保有する熊本サンクチュアリには、かつて医学研究の対象となり、その際に感染したC型肝炎ウイルスに持続感染しているチンパンジーたちが暮らしています。

 

持続感染しているチンパンジーには、肝炎ウイルスによって引き起こされたと推測される血液凝固障害があるなど、健康上の問題がおこっていて、手厚い看護が必要となっている状況です。

 

C型肝炎ウイルスによって、出血が止まらなくなってしまったサンゾウ。
出血が止まらないため、鼻血でさえ命取りになりかねません(サンゾウは2021年11月30日に心不全で死亡しました)。

 

一方で、近年の医療の進歩によって、今日に至るまでにC型肝炎を治療する良い飲み薬が開発されてきました。ヒトでは、こうした治療薬の服用によって、かなり高い割合でC型肝炎は治療可能となっています。

 

私たちはこのヒト用の治療薬を投与することで、体内のC型肝炎ウイルスを消失させることができると考え、治療薬を購入するために2022年9月〜10月末にかけて、クラウドファンディングに挑戦し治療薬の購入費用を募りました。

 

最終的に1,676名もの方々から24,140,000円ものご寄付をいただくことができました。

ご寄付をいただいた皆様に、この場を借りてあらためて、心から感謝申し上げます。

 

▲前回の挑戦はこちらからご覧いただけます。

 

これまで取り組んだこと:
男性チンパンジー「ショウボウ」が完治しました!

 

C型肝炎ウイルスの治療薬は、数週間継続して飲み続けなければ効果が期待できません。

私たちが見定めた治療薬の場合、継続して投薬が必要な期間は「8週間」と「12週間」の2つの場合があります。

 

当初の見込みでは「8週間投与」の予定で治療薬を購入することとし、1日あたり約5万円強の費用がかかることに鑑みて、1個体分の治療薬の購入費用を400万円(手数料等の諸経費込)と計算し、目標金額もそのように設定してご寄付を募ってまいりました。

 

ところが、プロジェクト終了後に人間の肝炎治療が専門の医師の先生に詳細に相談したところ、持続感染している8にんのチンパンジーのうち、クミコ、キャンディー、サイ、ムサシの4にんが「12週間投与」の方がよいことがわかりました。

 

投薬治療の流れ

 

当初私たちが想定していたよりも少し多く薬代がかかることになりますが、いただいた寄付金のうち手数料等を除いて熊本サンクチュアリで使える全額を投資して、足りない分は可能な範囲で自分たちで捻出しながら、最大限できる治療を続けていきたいと考えました。

 

そこで、まずは薬がきちんと効いてくれるかを確かめるべく、男性チンパンジーの「ショウボウ」に投薬を開始。8週間投薬を続けた後の検査の結果、C型肝炎ウイルスは血液中から検出されませんでした。

 

ショウボウの治療に成功し、ヒト用の治療薬がチンパンジーにも効果があることを確認できました。そこで、追加で4にん分の治療薬を購入し、投薬を開始しました。今のところ、みんなしっかりお薬を飲んでくれており、治療は順調に進んでいます。

 

 

これから取り組んでいくこと:
8にん全員の治療が終わるまで、この挑戦は終われない。

 

前回のプロジェクトでは最終的にいただいたご寄付の総額をもって「6にんのチンパンジーの治療」をお約束していました。実際には想定以上に資金がかかることとなってしまいましたが、これらは可能な限り自助努力で賄いながら進めていければと考えています。

 

ただ、このままでは終われません。

なぜなら、まだ治療薬を購入できておらず、治療開始の見込みが立っていないチンパンジーがいるためです。

 

年齢や症状等の優先度により、「サイ」と「ムサシ」と、完治したショウボウの前に投薬を開始したものの薬が効かなかった男性チンパンジー「ユキオ」という3にんが残されたままです。

 

- 治療対象のチンパンジーたち -

 

ムサシ・男性

 

|ムサシの性格と日常

ツンデレおじさん。気に入らない相手には疲れ果てるまで無言ダッシュで追いかけます。「デレ」の時はこの上ない甘えん坊の顔をします。

 

|現在の症状

腎機能が低下してきており、今後要注意です。

サイ・女性

 

|サイの性格と日常

サイだけに、うるさい、ください、めんどうくさい、最強で最高のおばちゃんです。サイには誰もかないません。

 

|現在の症状

血液検査で血小板数が少ない以外は異常はなさそうです。

ユキオ・男性

 

|ユキオの性格と日常

陽気で優しく、助けを求められれば誰の味方にもなってくれます。喧嘩の時はユキオに「助けて」と泣きついたもの勝ち。

 

|現在の症状

以前は貧血(自己免疫性溶血性貧血)が酷かったのですが今では元気になりました。検査では肝機能の低下が見られています。

 

実は、すでに完治したショウボウの前に、2022年12月19日からユキオに投薬を開始していました。しかし途中経過の検査で薬が効かなかったため専門の先生に検査いただいたところ、ユキオに感染しているC型肝炎ウイルスに変異が生じて、薬剤耐性となっていることがわかり、やむを得ず、投薬を一時中止しました。

 

人間のC型肝炎の場合でも、低い確率で同じ薬剤耐性の変異が生じることが知られています。不運なことにチンパンジーでもこの低確率なことが起こり、しかも、私たちがチンパンジー治療の最初の対象に選んだユキオで生じていたのです。

 

しかし、ユキオにもまだ、薬を切り替えて治療することで治る見込みは残っています。一方で、その治療薬では、24週間投薬を続ける必要があるため、多額の資金が必要となります。

 

挑戦を始めたならば、最後のひとりまで。

全員の治療が完了するまでは、この挑戦は終わりません。

 

またも大きな金額でのご寄付を皆様にお願いすることとなり心苦しくもありますが、どうか熊本サンクチュアリのチンパンジーたちを全員治療すべく、お力をお貸しいただけないでしょうか。

 

写真に写っているのは、現在治療を進めているアキナ、本プロジェクトの第二目標が達成した場合に治療を進めるサイ、肝炎ウイルスへの持続感染はしておらず、治療対象外の個体であるオウムとナッキーです。みんなが苦痛を伴わず、穏やかな日々を送れるようになってほしい。

 

 

クラウドファンディングに挑戦する理由

 

熊本サンクチュアリは、京都大学の野生動物研究センターが運営する施設です。生態や行動、心理などの基礎研究を通じて、チンパンジーやボノボへの理解を深める研究拠点として位置づけられています。研究に力を貸してくれるチンパンジーとボノボの幸せを第一に考え、飼育下での健康管理や環境づくりも大切にしています。

 

エコーを使って、定期的に健康診断。

 

チンパンジーたちは、言ってしまえば人間の都合でアフリカの野生から連れて来られて、いまから森に帰ることはできません。仲間と引き離され、長い時間をかけて海を渡ってきた彼らを待っていたのは、狭いケージに入れられ、ウイルスに感染させられ、実験に使われる過酷な環境だったのです。

 

私たち人間は、あまりにも、私たちの都合でチンパンジーたちの命ある限りなく尊い時間を、振り回してしまっている。だからこそ、これ以上彼らが人間の都合に左右されることがないようにしていきたい。

 

私たちにできることとして、研究を通して彼らのことを理解することに努め、生まれ育った野生に近い環境で、できる限り健康に幸せに暮らせるようにしていきたいと思っています。

 

 

一方で、熊本サンクチュアリの母体が「研究」を目的とする大学の組織であるため、飼育する動物の「健康管理や福祉向上」をおこなう地道な活動に対しての予算については優先順位はどうしても低くなってしまいます。

 

そのため、大学の予算では賄えない、彼らの幸せな暮らしを追求して私たちにできることをもっと増やすために、クラウドファンディングを活用した資金調達に挑戦しています。

 

まずは、人間の都合によって必要のなかった闘病生活を強いられ、C型肝炎ウイルスに感染させられたチンパンジーたち全員の治療を完遂するために。

どうか私たちの活動にご賛同いただける皆様からの温かいご寄付を、心からお願い申し上げます。

 

- 熊本サンクチュアリ 設立の趣旨と方針 -

 

熊本サンクチュアリは、京都大学野生動物研究センターが保有するチンパンジー・ボノボの研究施設です。

その母体である京都大学野生動物研究センターは、野生動物に関する教育研究をおこない、地球社会の調和ある共存に貢献することを目的とした組織です。熊本サンクチュアリは、その実践のための最重要の中核的教育研究拠点として位置付けられています。

 

 

熊本サンクチュアリでは、前述の通りチンパンジーやボノボが幸せに暮らしていけることを第一に大切と考えています。彼らを対象とした基礎研究を通じて、人間の本性についての理解を深める研究をおこなっています。また、彼らの健康と長寿をはかるとともに、野生のチンパンジーやボノボの生息地での暮らしを守る活動にも加わっています。

 

さらに、フィールドワークとライフサイエンス等の多様な研究を統合して新たな学問領域を創生し、人間とそれ以外の生命の共生のための国際的研究を推進すること、ならびに地域動物園や水族館等との協力により、実感を基盤とした環境教育を通じて、人間を含めた自然のあり方についての深い理解を次世代に伝えることを趣旨として運営されています。

 

なお、野生動物研究センターの基本方針に則り、医学・薬学・生理学的実験(※)、及び野生状態に比して著しく行動変容をもたらす可能性のある全ての行為は、理由の如何にかかわらず一切おこないません。

※…チンパンジーやボノボの健康維持や福祉向上に役立つ医療行為等は進んで実施します。いわゆるモデル動物としてチンパンジー・ボノボを扱って医学実験に使うことはおこないません。

 

京都大学野生動物研究センターが共同利用・共同研究拠点であることにより、学内外に開かれた研究拠点として機能するとともに、国際的研究拠点たることを目指しています。

 

 

 

プロジェクトメンバーより

 

|伊谷 原一
(野生動物研究センター長 / 京都大学野生動物研究センター教授)

みなさまの大きなご支猿のおかげで、熊本サンクチュアリのチンパンジー・ショウボウがC型肝炎ウイルスから解放されました。心から御礼を申し上げる一方で、関係者一同万歳をして喜んでいます。これは人間用に開発された薬がチンパンジーにも十分有効であることの証です。

 

しかしながら、熊本サンクチュアリには治療が必要な個体がまだ3個体残っています。そして、彼らの余命は限られています。わたしたちは引き続き残る個体もこのややこしい病から救いたいと願っています。彼らの残された チン ・・  生を少しでも健康に、幸せに過ごさせたいのです。薬物への耐性変異や個体による投薬方法の違いなど、困難な問題がまだいくつもありますが、わたしたちは決して諦めることなく挑戦を続けたいと思っています。ただ、人間のように保険が利かないチンパンジーへの薬の入手には多大な費用が必要です。

 

重ねての厚かましいお願いで申し訳ありませんが、みなさまからの再度のご支猿を切にお願いいたします。いつの日か日本から、そして世界から不条理な理由でC型肝炎に感染させられたチンパンジーがいなくなることを夢見ています。

 

|平田 聡

(京都大学野生動物研究センター教授)

前回のチンパンジー肝炎治療薬のクラウドファンディングの際に、「製薬会社が治療代を負担すべき」「国が負担すべき」というご意見をいただきました。そうしたご意見について、私も十分理解できているつもりで、それから実際に関係する方と協議もおこなったのですが、現実的にはなかなか難しいところがあります。

 

チンパンジーを使って肝炎研究を進めた国や民間の組織等は、組織改編や解散などで、もう存在しません。当時の組織をたどって現在の後継組織と治療について交渉する余地はあるかもしれませんが、非常に時間がかかることが予想され、そうこうしている間にもチンパンジーたちの健康状態は徐々に低下していきます。

 

また、国のお金を使うということは、税金を使うということであり、そうした税金はチンパンジーの肝炎治療に賛成か反対かに関わらず強制的に徴取されたお金です。そのようなお金ではなくて、今回の私たちの目標にご賛同いただける方からのご寄付をもとに進めるほうが、治療を早く進めることができますし、ご協力いただく皆様お一人おひとりに御礼をお伝えすることもできます。

 

熊本サンクチュアリでのチンパンジーのC型肝炎治療について、一区切りがついた段階で、英文での報告書を出すことを考えています。皆様のご寄付で可能になった今回の取り組みについて、国際的な発信をおこない、かつて医学研究に供された世界中のチンパンジーたちが幸せに余生を暮らすことができるよう、一層の努力をしていきたいと思っています。

 

|鵜殿俊史
(獣医師)

昨年のクラウドファンディングで頂いたご寄付のおかげで、私達の長年の課題であり夢でもあったチンパンジーのC型肝炎の治療を行うことができました。

最初のテストケースとして選んだユキオでは、ウイルスの薬物への耐性変異が見つかり、急遽代役に選んだアキナは薬入りのサツマイモ団子を食べようとしないなど、途方に暮れてしまうような紆余曲折がありましたが、代役の代役として選んだショウボウは薬入りの少し苦いサツマイモ団子を嬉々として毎日・8週間食べ続け、今年(2023年)の6月には体内からC型肝炎ウイルスが完全に消え去ったことが確認できました。ついに難関を突破した瞬間でした!

そして、次は誰を治療するかを急いで決める必要がありました。ユキオに薬を使ってしまったので、治療できるのはあと4個体となりました。非常に悩みましたが、傷からの出血が止まりにくいなど、ウイルスによる障害が明らかなアキナ、キャンディー、クミコ、ススムの治療を優先することにしました。長期の投薬は容易ではありませんが、必ず治ってくれると信じています。

これは同時に、残るムサシ、サイは治療しないという非情な選択でした。薬が効きにくいユキオも後回しになったままです。C型肝炎ウイルスを体内に持つチンパンジーが残っている限り、私達の責任はまだ残っています。

当初は半信半疑で始めたチンパンジーのC型肝炎治療ですが、今は「薬さえあればチンパンジーを治せる」と、自信を持って言うことができます。もう少しで日本からC型肝炎が体に残るチンパンジーをゼロにすることができそうです。

再度皆様のご寄付をお願いいたします。どうかお力を貸してください。

 

|野上悦子
(飼育担当)

みなさまの暖かいご寄付のおかげでショウボウはウィルスから解放されました。本当にありがとうございました。ショウボウ本人は体内の変化に気づいているのかいないのか、相変わらずのほほんとしていますが、これからの病気のリスクが軽減されたことをスタッフ一同喜んでいます。みなさまに多大なご寄付をいただいたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。再度のお願いとなり、大変恐縮ではありますが、あと3にん分の薬の購入のため、みなさまのご寄付をどうかよろしくお願い申し上げます。

 

|藤澤道子
(医師)

今年の5月から10年ぶりにサンクチュアリに戻ってまいりました。初めてサンクチュアリに来た当初、チンパンジーもそれぞれの性格がまったく異なること、人間とよく似た行動をとるため、とても共感できる気持ちになれること、彼らもこちらを観察しており、チンパンジーと自分との間に関係性が生まれるため、一緒に遊んだり怒られたりして、友達のような関係が築けることを知りました。

 

このようなチンパンジーに人間の病原体の感染実験がおこなわれ(当時は動物実験が当たり前の時代でした)、肝炎ウイルスについての研究が進み、私たち人間への感染予防や治療につながる研究がされました。ウイルス性肝炎が治療できるようになったことは、本当に画期的なことだと思います。ただ、チンパンジーの中にはまだ感染したまま苦しんでいるものがいます。私たち人間の犠牲になったチンパンジーのウイルス感染が治癒してよりよく生きてもらいたいと願っています。

 

クラウドファンディングでたくさんの皆さまが寄付してくださり、おかげさまでショウボウの治療が終了しました。本当にありがとうございます。引き続き今後ともご協力をお願いいたします。

 

|クリスティン・ハーバーキャンプ
(野生動物研究センター研究員)

私はこれまで、日本で飼育されてきたチンパンジーの寿命や老化の影響などを調べる研究をおこなってきました。熊本サンクチュアリでは、たくさんのチンパンジーたちに出会うことができました。みんな個性豊かで、それぞれ独特で、そしてちょっと変わり者だったりします。それと同時に過去に多くのチンパンジーが医学研究のために使われてきた事実を知ることになりました。私たちはC型肝炎ウイルス持続感染がチンパンジーの健康と寿命に及ぼす悪影響を明らかにするだけでなく、今後他の動物を使った生物医学研究が慎重に検討されること、理想的には完全に終焉を迎えることを願いながら研究論文を書くことにしました。

 

何十年もの間、世界のいたるところでチンパンジーは研究の対象とされてきました。残念ながら彼ら自身ではなく、私たち人間の利益のために彼らを利用してしまったのです。幸いなことに、多くの民意の反映もあってそのような研究や実験は止まっていますが、ここで終わりにするわけにはいきません。私たちは医学実験に使われたチンパンジーたちがその生涯をまっとうするまで、彼らに対して最善のケアを提供する必要があります。

 

C型肝炎の治療はとても高額ですが、彼らの健康への悪影響をやわらげ、本来の寿命をまっとうした幸せな暮らしを実現させるための、このプロジェクトにぜひご寄付をお願いします。

 

 

応援メッセージのご紹介

 

|川端裕人
(作家)

チンパンジーなどの類人猿はとても長寿です。飼育下での平均寿命は40年くらいだといわれています。

 

2006年頃まで、日本でもチンパンジーを使った医学実験が行われており、医学実験のために飼育されているチンパンジーが大勢いました。そんな中でも、とりわけ、肝炎ウイルスの感染実験は、今の感覚ではショッキングなものです。今も持続感染しているチンパンジーたちがおり、治療を必要としているというのは、寿命を考えれば当たり前のことなのですが、このたび熊本サンクチュアリからの訴えがなければ、世に知られることもなかったのではないかと思います。

 

持続感染したまま高齢化したチンパンジーたちが、日々の健康を維持するために、このクラウドファンディングが成功することを願っています。

 

|山梨裕美

(京都市動物園・主席研究員)

京都市動物園のチンパンジーの中でも、コイコ・タカシ・ジェームス・ローラは熊本サンクチュアリからやってきました。彼らはC型肝炎の持続感染個体ではありませんが、過去に一緒に過ごした仲間には、C型肝炎の実験対象になったチンパンジーが含まれます。


2013~2015年頃、わたしは熊本サンクチュアリのチンパンジーを観察していました。観察していた当時は、これからもまだまだ元気でいてくれるだろうと思っていた、若いチンパンジーたちが、その数年後に立て続けに死んでしまったことがありました。C型肝炎の実験対象になっていたチンパンジーでした。たくさんのオスがいる群れの中で堂々と君臨していたチンパンジーが、数年後に動かずに弱っていた光景は忘れられません。


ヒトのために実験対象となったチンパンジーが、この先に心も体も健康な状態で生きることができるように、みなさまのご寄付をお願いします。

 

税制上の優遇措置について

 

京都大学へのご寄附に対しましては、法人税法、所得税法による税制上の優遇措置が受けられます。

 

別途お送りする国立大学法人京都大学発行の「寄附金領収証書」に基づき、所轄税務署に確定申告してください。確定申告の時期は通常、毎年2月16日から3月15日(3月15日が土日の場合は翌日か翌々日)までとなっています。国税庁ホームページより確定申告書を作成される場合の「寄附金控除」の入力方法についてはこちらをご覧ください。

 

税制上の優遇措置についての詳細は、以下をご覧ください。

http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/exemption/

 

個人の場合(日本国内居住者)

 

①所得税の控除

所得税法第78条第2項第2号により、その年に支出した寄附金の額(総所得金額等の40%を上限とする)から2,000円を引いた額を、所得税の課税所得から控除することができます。

 

②住民税の控除

京都大学を寄附金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。

 

※控除額は、寄附金額(総所得金額等の30%を上限とする)から2,000円を差し引いて控除率を乗じた額となります。

※控除率は都道府県・市区町村あわせて最大10%です。詳細な控除率は、下記総務省ホームページをご覧ください。
総務省ホームページ(個人住民税の寄附金税制の概要)

※個人住民税控除対象の都道府県:京都府・大阪府・滋賀県・徳島県・山口県・愛知県

市区町村についてはこちらをご覧ください。

 

③相続税の控除

相続または遺贈により取得された財産を相続税の申告期限までに寄附した場合、その寄附金額には相続税が課税されません。

 

法人・団体の場合(日本国内居住者)

 

法人税法第37条第3項第2号により、寄附金の全額を損金算入することができます。

 

寄附金の受領日について

 

寄附金の受領日(領収証書の発行日)は、本クラウドファンディングの募集終了日(2023年10月31日)以降、READYFOR株式会社より国立大学法人京都大学への寄附金着金日(2023年12月10日予定)となります。領収証書を郵送しお手元に届くのは、2024年1月頃を予定しております。

 


ご留意事項


※寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。

 

※寄附時にご回答いただく質問項目への回答は寄附の確定後、変更できません。あらかじめご承知おきください。

 

※本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「支援契約」にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

 

※本プロジェクトのギフトのうち、有効期限を設けている体験型のギフトについて、有効期限内にやむを得ない事情によりご案内が困難になった場合には、有効期間について個別に調整させていただくこととし、ご返金は致しかねますのでご了承ください。

 

※個人で100万円以上、法人で300万円以上のご寄附をいただいた際には、ご希望者に限り京都大学都境内記念館の寄附者銘板にご芳名を掲示することが可能です。該当される場合はご希望をお教えください。

プロジェクト実行責任者:
伊谷 原一(京都大学 野生動物研究センター長)
プロジェクト実施完了日:
2024年1月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

肝炎治療薬購入費用:400万円 / ギフト費用や配送料、大学事務手数料などの諸経費:20万円 / READYFOR 手数料:80万円

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ギフト

5,000+システム利用料


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5千円|京都大学基金HPにお名前掲載コース

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
452人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

10,000+システム利用料


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1万円|オンラインツアー動画とチンパンジーの画像をお届けコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
83人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

10,000+システム利用料


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1万円|チンパンジーたちの回復をお祝い!コース

・治療対象の個体が全快した際に、チンパンジーにお祝いの果物をプレゼント!
※ご寄付人数に応じて内容を調整します。例えば、100名からご寄付いただいたら1個のマンゴーをチンパンジーにプレゼントします。
※プレゼントの様子は、皆様に画像でお知らせいたします!
※万一実施が困難となった場合にも、ご返金は致しかねますので予めご了承ください。

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
582人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

30,000+システム利用料


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3万円|チンパンジーたちの治療の様子を見届けるコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
76人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

50,000+システム利用料


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5万円|【お気持ちを上乗せして応援】チンパンジーたちの治療の様子を見届けるコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
52人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

100,000+システム利用料


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10万円|【もっとお気持ちを上乗せして応援】チンパンジーたちの治療の様子を見届けるコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
22人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

300,000+システム利用料


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30万円|【全力で応援】チンパンジーたちの治療の様子を見届けるコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

500,000+システム利用料


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50万円|【魂の応援】チンパンジーたちの治療の様子を見届けるコース

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

・チンパンジー・ボノボの写真

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HPにご芳名を掲載 ※希望者のみ

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

1,000,000+システム利用料


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100万円|熊本サンクチュアリ見学ツアーコース

・熊本サンクチュアリ見学ツアー
※日程等詳細は別途調整 / お礼のメールを差し上げる際にご連絡予定
※万一実施が困難となった場合にも、ご返金は致しかねます。
※交通費はご自身でご負担ください。

・熊本サンクチュアリのオンラインツアー
※第1回の挑戦時に作成したオンラインツアー動画をお届けします。

・治療対象のチンパンジーの日常を撮影した動画

- - -  こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・活動報告レポート
・寄附金領収証書
・京大基金HP/銘板にご芳名を掲出
※希望者のみ/個人で100万円以上、法人で300万円以上ご寄附された場合に限ります。

<ご留意事項>
※HPへのお名前掲載について、万が一公序良俗に反するなど掲載が不適当であると判断できる場合、掲載を取り下げとする可能性がありますのでご了承ください。

寄付者
4人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

28,698+システム利用料


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【こちらのコースは10月30日までに静岡市立 日本平動物園の募金箱にいただいたご寄付反映専用のコースです】

こちらは、2023年10月30日までに、静岡市立 日本平動物園の本プロジェクトに向けた募金箱にいただいたご寄付を入金するための専用コースです。

寄付者
1人
在庫数
予定数終了
発送完了予定月
2024年1月

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