プロジェクト概要

【2018年6月14日追記】

第一目標金額達成のお礼とネクストゴール400万円の挑戦について

 

多くの皆様の心強いご支援を賜り、クラウドファンディングの開始から22日目に、目標金額である200万円を達成することができました。これにより、九大の歴史的什器救済に踏み出すことができるようになりました。ご支援くださいました皆様に深く御礼および感謝申し上げます。

 

今回、皆様から頂くメッセージを拝見したり、メディア取材への反響からみると、やはりこれが本学のみの課題ではなく、現代の日本全体にある課題の一つであるということを、再確認するに至りました。本プロジェクトの更に先にある社会的課題の解決への一助となることを目指し、引き続き、ご支援・ご協力をいただければ幸甚に存じます。

 

そして、本プロジェクトでの什器救済を確実にし、活用につなげるものとして、当初より想定していたネクストゴールに挑戦いたします。

 

第二の目標金額はさらに200万円とし、ご支援いただいた資金は、優先順位順に、

 

 A.運搬費が足りるかどうか不安があるため、不足分が生じた場合に備える
 B.今回レスキューした棚1〜2台について修繕を施し、 伊都キャンパスでの収蔵展示で展示利用し、ご支援の証として皆さんに触れて頂く
 C.追加で必要となる集積スペースの借用に万が一経費が生じる場合に備える
 D.搬出後の配置情報と救出リストとの照合の作業にかかる作業者(技術補佐員)を雇用することに使用させていただければと考えております。

 

本プロジェクトはお陰様をもちまして成立しているため、この第二目標額に至るご支援は、そのままご寄付として本プロジェクトに算入されます。

 

引き続き皆様のご理解、ご支援をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

九大什器保全活用プロジェクトチーム
 代表・三島美佐子

 

九州大学総合研究博物館
 館長・緒方一夫


2005年から始まった九州大学箱崎キャンパス移転を機に、それまで使われていた多くの木製什器がやむを得ず廃棄されてきました。総量にして推定50トンは下らないでしょう。中には戦前の「九州帝国大学」プレートがついているものもありました。古くて大きな木製家具は、近代の研究設備としては使いにくいものとなりましたが、歴史的な検証がなされてしかるべきものもありました。

 

当博物館は、これまで10年間、廃棄される貴重な家具類をレスキュー(救済)し、展示や学内で使用したり、リペア(修繕)して再利用するなどの活動を、地道に続けてきています。

 

そして今年、5月から始まった箱崎キャンパスの最終移転。​この最終移転でレスキューする分量は、これまで10年にわたり断続的に集めて来た分量に匹敵する見込みです。

 

九大の歴史ある教育研究文化資源を、この最終移転で最大限回収し、研究や教育を支えた貴重な大学資産として保管し発展的に活用するため、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

タイムリミットは2018年9月末。
九州大学箱崎キャンパスの貴重な木製学校家具を、廃棄の危機から救いたい!

 

ページをご覧いただきありがとうございます。九州大学総合研究博物館什器レスキューチーム・主担当の三島美佐子です。専門は、生物学・博物館学で、これまでに当館資料のデータベース化や什器(※)を用いた展示などの企画を担当してきました。昨年度からは、レスキュー家具を用いた、家具史やSDGsの視点を含む実践研究にも取り組んでいます。

(※)家具や食器などのように、日常生活の中で使う道具類のことを、「什器(じゅうき)」と呼びます。このご紹介でも時々出てくる言葉になります。

 

九州大学は、2005年度から、1911年創設時以来の歴史的なキャンパスの全面移転を開始し、この2018年9月に移転完了する予定です。九大ではこれまでに、工学部、理学部、一般教養キャンパスの移転や、医学部における施設の建て替えが実施されてきました。その際、移転先の狭隘(きょうあい)さや古い什器類が近代的な研究室の構造に合わないなどで使えなくなり、特に歴史ある木製家具類も、やむなく大量に廃棄されてしまったのです。

 

私たちは、価値が検証されることなく、それら歴史的な家具類が廃棄処理されていくことを看過できず、当館の有志の教員や賛同してくれた地元アーティストらなどとともに、レスキュー活動を開始しました。

 

そして九大はこの5月より、箱崎キャンパスから新・伊都キャンパスへの最後の施設移転を開始しました。9月末までに什器をレスキューしなければ、廃棄物として完全に処理されてしまいます。私たちはこの最終移転で、これまでの什器レスキューのノウハウを活かし、歴史的什器類の無為な廃棄と破壊を最小限に抑え、最大限レスキューすることに挑みたいと考えています。

 

什器レスキューに伴う運搬や調査には、多額の費用が必要となります。しかし、本プロジェクトはいわば「廃棄物の再収集」にあたるため、移転経費に含めることができません。今回、クラウドファンディングを成功裏に終えることができれば、戦前からの歴史を持つ箱崎キャンパスの、歴史ある学校家具のレスキューが実現します。どうか皆様、ご支援をお寄せいただけますと幸いです。

 

現在開催中のレスキュー什器展示「Furniture for Future」第2室の様子


 

意気揚々たる移転の背後で、打ち捨てられていた古い木製学校家具…

 

九大の新キャンパスへの移転は、2005年度から始まりました。最初に移転した工学部は九大設立時からある学部なので、戦前の旧帝大時代のものを含む重厚な木製家具を多数使用していました。しかし、新キャンパスの新しい規格の研究室や居室は、旧キャンパスのものよりも広さや高さが小さくなり、また、規格化された効率重視の近年の環境の中では、それまで使われていた大きく重く古い什器類の使用ができないという状況が生じました。

 

その結果、1911年の創設以来使われて来たと思われる歴史的な木製学校家具を含む什器類の多くは、やむなく放棄されることになったのです。初期の移転作業の過程では特に、そのような古い木製家具類を業者さんが処分している風景がみられました。または、新キャンパスに持って行かないけれども、すぐに廃棄処理に回す事が忍びなかったのか、泣く泣く箱崎キャンパスの旧建物内に残していった研究室も多々ありました。

 

現代の環境にそぐわず「使えない」からと、それ以外の価値が検証されることなく廃棄された木製学校家具たち。九大の研究室で使われていた木製家具には、大きくわけて12〜15種類くらいがあり、その中でも重い、上棚付き両袖机は130kg、小さめの平机や衝立でも1台25kg程度はあり、各種類あわせて平均すると1台あたり50kgにもなります。理学部移転以前のレスキューで回収しているものが約200点ぐらいですので、救済量はおおよそ10トン。廃棄量はその5倍以上はあったでしょうから、廃棄総量は少なく見積もっても50トンを越えていたことでしょう。

 

工学部移転がだいたい完了し、私たちも廃棄はほぼ完了してしまっただろうと思っていた2008年頃、箱崎キャンパス旧工学部建物内の空き部屋に、残置された歴史的什器がまだ少し残っていることがわかります。そこで博物館の三島と岩永が中心となり、その残置家具の本格レスキューに乗り出しました。この最初の本格レスキューで、約150点ほどが回収できたと記憶しています。

 

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2009年に最初に行った、残置什器の本格レスキュー時の様子.

 

 

工学部移転で無残にも積まれた大量の木製家具は、写真を撮ることもはばかられるほど痛々しいものでした。そのため私が撮影した廃棄場の写真は、その後の六本松キャンパスでの、この1枚だけです。

 

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当時の六本松キャンパスの什器の廃棄場の様子。(写真:2010年の六本松キャンパス移転時)

 

 

無念であったのは、この六本松キャンパスや、箱崎キャンパス旧工学部応用化学建物からは、全く残置家具を回収できなかったことです。特に後者では、建物内に据え付けられていた大型家具や、図書室のスチール書棚、最上階の木造階段教室など、回収に工事が必要、かつ分量もかなりありました。当時は保管場所や経費の確保・捻出の目処がたたず、手も足も出ませんでした。本当に、今でも悔やまれ、同じ事が繰り返されてはならないと思っています。

 

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レスキューできなかった、箱崎キャンパス・旧工学部応用化学建物の木製階段教室。

 

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同じくレスキューできなかった、箱崎キャンパス・旧工学部応用化学建物の、作り付け戸棚。

 

 

実際にレスキューされてきた家具類を見て、これは単なる「ガラクタの山だ」と言う人もいるかもしれません。また、「どちらにしろ学校家具だし、歴史的な価値は低かろう」と思われている方もいるかもしれません。

 

しかし、これまでの外部評価や基礎調査では、これらの什器類が、日本の学校家具として類をみない網羅的コレクションであることがわかっており、またほとんどの過去の購入記録が大学文書館に残っている点も、高く評価されています。特に創初期や戦前に導入された什器類は、材の厚さなどの質や、細部の作りなど、現代の学校家具とは一線を画す品質です。

 

設計・設置図面が大学文書館に残っている、旧工学部本館竣工時(1930年=昭和5年)に作り付けられた戸棚。
確かにこの大きさでは伊都キャンパスの居室には入らず、「使えない」とされざるを得ない。

 

 

この什器たちは、九大で学問に打ち込んだ研究者や諸先輩方と、時間を共にしてきています。激動の昭和を生き抜き、日本の成長を支えてきた、優秀な人材を多く見守ってきています。大学の新キャンパスという場では使用できないものであっても、目的や用途が異なれば、まだまだ再活用の余地があるはずです。

 

ところで私は、九州大学の出身者ではありません。だからこそ、九大内では当たり前であったであろうこのような歴史ある家具類が、決して当たり前ではないことがよく分かるし、他大学ではもはや存在しないか数少なくなっているということを知っているのです。この歴史的木製什器類が今まで教育現場で使われ続けて残って来ているということは、決して当たり前ではないのです。そんなモノを、簡単に捨てたり壊したりしてはいけないと感じるのです。

 

私は2011年の震災のとき、もの凄い自然の力によって否応なしに何もかも流されていくのを、メディアを通して見て呆然としました。直後、岩手県立博物館が、陸前高田市立博物館の海水に浸かった被災標本をレスキューし、その呼びかけに応えた全国の博物館は、皆で手分けして標本修復を行いました。

 

私も九大博物館でボランティアの皆さんとともに、わずかではありましたが、標本修復作業に携わらせていただきました。標本の塩抜きや、整えていく作業をしながら、期せずして鳥羽源蔵による戦前の貴重な標本などにも触れ、九大でこんな天変地異が起きたわけでもないのに、過去の天災や戦災をまぬがれてきた来たモノを、こんなに簡単に捨ててしまうことが許されていいはずはない、という思いが、何度も何度も頭の中でぐるぐると巡りました。

 

そして、まがりなりにも大学博物館で資料の保存・活用や博物館研究に携わる身である以上、10年20年後に「あのときお前は最善を尽くしたのか?」と問われた時に、「もちろん!」と自信を持って答えられるようでありたい。この歴史的家具を廃棄の危機から救い出し、もう一度活用できるようにすることは、私たちに課された使命であり、また、大学博物館という存在が試される正念場でもあります。

 

 

人員が足りない。時間がない。そして資金も…。
我々レスキューチームは、什器の回収や活用のために奔走してきました。

 

さて、六本松キャンパスの什器回収に失敗した私たちは、2010年に箱崎キャンパスの旧応用力学研究所と旧工学部2号館で、また2012年には印刷所で、順次レスキューを実施しました。このころには、学内の事務の方が「○○で廃棄がありますよ」「○○がゴミ捨て場に出てましたよ」と当館に知らせてくれるようになり、現場の皆さんも実は「もったいない」と感じておられたことがじわじわと伝わって来ました。

 

2013年には、吉田・前館長を中心として、農学部でも木製什器の再利用の取り組みがなされるようになり、九大博物館および農学研究院を中心とした全学的な取り組み「九州大学歴史的什器保存再生プロジェクト」に発展していきました。

 

レスキューをはじめて数年間、救済した家具類は、展示台としてしばしば活用してはいましたが、2013年3月に、初めて「回収什器」をテーマとして、地元アーティストと恊働した特別展示企画『活きる木製什器展「知花草生 春草ノ生ズルヲ知ル」』を開催しました。

 

2013年「活きる木製什器展 知春草生」

 

 

保管庫の一部

その後断続的に個別のレスキューなどを続け、工学部移転以降で久々の大規模移転となった2015年の理学部移転では、吉田・前館長主導のもと、徹底した事前調査を行い、出来うる限りのレスキューを実施しました。

 

とはいえ、当時保管スペースは充分になかったので、レスキューを断念せざるを得なかった家具は、救済したものよりもはるかに沢山ありました。

 

このとき救出できた什器は、ざっと200点強。現在、箱崎キャンパス内の空き建物内の保管庫10室ほどに、暫定的に保管しています。

 

なお、この最終移転以前に回収してきた分の什器も次の移設があるため、調査時のリストと現物を照合する作業が必要でした。しかし、救済当時スペースが不十分で緊急避難的にやむなく天井まで届く程の山積み状態にせざるを得なかったため、思うように作業が進んでいません。この反省をふまえ、本プロジェクトで新たにレスキューする什器については、暫定的な保管先でも、きちんと分類・整理して配置し、その後の調査や再利用をしやすい形で保管しようと考えています。

 

そして昨年からは、什器をレスキューするという取り組みだけではなく、その後の活用を視野に入れた実践研究を始めています。本学の大学文書館の折田教授や芝浦工業大学の真保・新井両教授らとの共同研究で、折田・新井両先生には、本レスキューチームの一員としても参画してもらっています。なおその実践的な共同研究については、今年5月から2カ年、トヨタ財団による研究助成に採択されています。

 

 

期限迫る。最後にして最大のレスキュー。

 

そして今年、2018年の5月。いよいよ箱崎キャンパスの最終移転が始まりました。現在、本学で3番目の歴史を持つ農学部移転が進みつつあり、9月の文学部の移転をもって、キャンパス移転が完了します。

 

これらの移転でもやはり、歴史的な木製家具を中心とする什器類の多くが残置・廃棄となることが決まっています。私たちは是非、それら廃棄予定の歴史的什器を救い、今後の実践研究や新たな利活用のために集めたいと考え、現場レベルでの調整を重ねています。

 

農学部は5月以降、徐々に移転がすすめられており、一方、文学部や図書館の移転は、8月下旬の夏期休業に入ってから始まります。移転後の建物の取壊しスケジュールの都合上、廃棄物処理も9月末までに一気になされると聞いています。すなわち、レスキュー可能なタイムリミットは、9月末。それまでに全力を尽くし、前代未聞の最大のレスキューに、挑みます。

 

幸い、学外で暫定的な保管場所が確保されており、これまで救済してきた什器類については、当館資料として、あらかじめそちらに移すことが決まっています。一方、この最終移転で什器をレスキューする本プロジェクトは、現段階では「廃棄物の再収集」にあたるため、公的な移転経費から運搬費などを捻出することができません。しかも最終移転でレスキューする分量は、これまで10年にわたり断続的に集めて来た総量をさらに凌ぐ見込みです。保管場所は確保できたのに、経費の目処がたっていない、という状況なのです。

 

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2013年「活きる木製什器展ー春草ノ生ズルヲ知ル」より。来場者が憩う場所では特に回収什器を活用。


 

「モノ」のあり方を考え、新たな価値を見いだす・創り出す社会実験へ。

 

もし今回レスキューに成功したならば、それらの什器は、当館の活用文化資源として保全しながら、伊都キャンパスでの収蔵展示や、今後の博物館活動で用います。

 

例えば、箱崎キャンパスにある図書館の中に農学部の標本室があり、標本が詰まった戦前の標本棚がたくさんあります。それらは当然移転対象として、標本室としては暫定的な室においてではありますが、伊都キャンパスの農学部建物内に配置されることになってます。

 

一方同じ室内には、中の標本を別の場所に移したあと数十年にわたり使われていなかった標本棚が3つあります。趣はあるものの壊れていて、3月末頃は、廃棄の対象となっていました。しかし、そのような棚こそ、むしろこのプロジェクトの一環としてレスキューし、修繕したあと、他の標本棚が移設された室内に設けた収蔵展示エリアで展示棚として生き返らせてはどうかと考えています。多くの方にこのような什器に触れていただいて、九大の歩んだ歴史にも思いを馳せていただきたいです。

 

この最終移転でのレスキューをもって、大規模なレスキュー活動は終了となります。本プロジェクト完了後は、断続的に個別で出てくる什器を、その都度地道に当館館員が出向いて回収し、公用の軽トラックなどで運搬する程度で済むと予想しています。

 

2015年の理学部移転時に不要になった、標本棚もレスキュー。

 

 

一方で、「そんなにたくさん古家具を集めて、保管場所や今後の利用はどうするの?!」と疑問に感じられている方もあるかもしれません。まさにその疑問は正しく、相当数の分量がある全てのレスキュー什器を、展示台などとして再利用できるわけではありません。いかにそのレスキューされた木製家具を活用していくかが、新たな課題となります。

 

そこで私たちは、このような歴史的木製什器の保全と活用について、実践的な基礎研究に着手しています。この研究では、大学をはじめとする官公庁などにおける備品更新のあり方や、古いモノの活用のあり方について、新たな提案をしていくことを目指しています。また、近代建造物は文化財として保存されたり、リノベーションして再活用されたりするのに、そこで暮らしをともにして来た近代の「モノ」たちは、ゴミまたは流通品として散逸する傾向にあることにも、再考を呈したいと考えています。

 

この研究では、上述したような「一体どうするの?」という疑問や社会的課題に応えるためにも、回収した学校家具を、活用文化資源として在野(※)で使い続けながら保存し(在野保存)、次世代につなげられるような仕組みを考え、それを社会実験を通して実践的に検証していきます。

(※)在野とは、官公庁ではなく民間、という意味あいで使われる言葉ですが、私たちはもう少し、自分自身に近い感覚である世間一般や一般家庭のような意味合いも含めて使っています。

 

一昨年からは実際に、貸し出し在野モニターに什器を利用してもらい、そのプロセスでの課題を抽出したり、効果を検証するような社会実験を行っています。レスキューした木製什器類を、単に展示するだけではなく、実際に社会の中で多くの方に触れていただくことを通して、様々な活用方法やその可能性を皆様と一緒に検討していければと考えています。

 

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現在試験的にモニター貸し出しした熊本のカフェの様子(この写真では、手前の4つの木製品が救済家具)。

 

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もう一件、福岡市科学館にモニター貸出されている、改変を加えた4台の救済家具。

 

 

このように、このレスキュープロジェクトのその先には、社会意識を変えることにつながるこれまで誰も試みた事がない実践研究が控えています。

 

家具史や大学史のような直球で関わる研究分野はじめ、社会学などの分野においても大変有意義な研究になると考えています。また、これまでの研究の過程で、本学以外の法人や団体そして個人においても、とりわけ地方の空き家などでは、本学と同様に、本来はレスキューが必要とされる家具があったり潜在していることが見えてきました。私たちは、今後の研究成果を、そのようなより広い社会や地域の課題解決につなげることも目指しています。

 

レスキューした什器リソースを用いて、今後研究として深め、その成果を社会実装していけるようにするためにも、まずは今回のレスキューを何としても成功させたいと考えております。200万円という大金を募る挑戦ではありますが、皆様のご理解ご賛同をいただけますと、幸甚に存じます。

 

現在開催中のレスキュー什器展示「Furniture for Future」第1室の様子。
木(もく)の什器類は全て、レスキュー品。レスキューされたからこそ、展示も可能になる。

 

 

プロジェクトメンバー紹介

 

三島 美佐子(総合研究博物館・准教授)

岩永 省三(総合研究博物館・教授)

折田 悦郎(大学文書館・教授)

澄川 愛(有体物管理センター・特任助教)

天野 順子・惣門 みつ子(総合研究博物館・技術補佐員)

新井 竜治(芝浦工業大学・特任教授)

 

 

支援者の皆様と思いを共有できるギフトをお届けします。

 

「もったいない!」や「こういう家具、いいじゃない!」を共有いただける皆様とともに、このレスキューに挑みたいと思っています。10,000円以上のご支援を頂いた皆様には、背景の解説等を含めたリターン限定のレスキュー報告書を、プロジェクト完了後にお送りします。

 

30,000円以上のご支援には、レクチャーまたは当館ツアーを含めた体験的なリターンを準備しています。特に、本気で古いモノを大事に思い、ともに社会実験を担ってみたいという方限定で、300,000円以上のご支援にて、歴史的什器の在野保存実践研究にモニターとしてご参画いただくことを考えています。どのような形でモニター参加いただくかは、個別に継続的にご相談させていただく予定です。

 

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2016年にソラリアであった家具展示会の一画で展示された、リペアされた九大家具。

 

 

税制上の優遇措置について

 

九州大学へのご寄附については、税制上の優遇措置が受けられます。

 

- 個人の皆様-
■所得税(所得控除)
寄附金額が年間2,000円を超える分について、所得控除を受けることができます。

寄附金額 - 2,000円 = 所得控除額
(控除対象となる寄附金の上限額は、当該年分の総所得金額の40%です)

 

■住民税
本学を「寄附金税額控除対象法人等」として指定している都道府県・市区町村にお住まいの寄附者の皆様は、所得控除に加えて、翌年の個人住民税が軽減されます。


[本学への寄附金を条例で指定している自治体]
福岡県/福岡市/糸島市/大野城市/春日市/古賀市/粕屋町/新宮町/那珂川町/その他
※その他の自治体については、各自治体の税務担当課へお問合せください。

 (寄附金額 - 2,000円)× 4~10% = 住民税控除額
 (控除対象となる寄附金の上限額は、当該年分の総所得金額の30%です)

  ※上記の計算式の4~10%について
  ・都道府県が指定した寄附金は4%
  ・市区町村が指定した寄附金は6%
(都道府県と市区町村双方が指定した寄附金の場合は10%)

 

- 法人様-
 寄附金の全額を損金算入することができます。

 

プロジェクトの実施に寄せて

日本では一般的に、家具類ー特に近代のものーは、同じ時代の建造物等に比べ、文化財として認知されることがない状況です。また戦後の消費社会の進行と相まって、木(もく)の再利用に対する日本ならではの習慣は失われ、古い木製家具も散逸ないし廃棄される傾向にあります。失われた木(もく)の再利用のに関する文化的素養や社会的仕組みは、現代において充分には再生できていない状況といえます。そのようななかで、私たちは、とにかく本学の什器類をレスキュー・保存し、今では大正~昭和中期の学校家具の一角を網羅する教育文化資源を構成するに至っています。

 

このプロジェクトは、使用することこそがその意義としてある「活用文化資源」の考え方と、市民や団体に貸し出し利用に供することをもって社会で共に保存する「在野保存」の方法を、新たに定義・提案し、レスキューされた家具類を用いた社会実験によりその有効性を検証する実践研究につながるものです。

 

本プロジェクトをとおして、是非古いモノ―ここでは特に戦前のものを含む学校木製家具―に新たな価値を見いだし、それらを再利用する持続的な仕組みと仕掛けが社会に必要であることに、気付いて頂ければと思っています。

 

是非、この取り組みについて知っていただき、メンバーの一員としてお力添えをいただけますと幸いです。

 
 

九州大学総合研究博物館 館長 緒方一夫

 

 

 

 

 

 

 

 

  


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