プロジェクト概要

日本の自殺者数は15年間で46万人。先進事例集の作成と

自治体への研修を行い、地域に合った自殺対策を推進したい!

 

はじめまして。清水康之です。2004年にNPO法人ライフリンクを立ち上げ自殺対策に取り組んでいます。日本では年間2万8千人が自殺で亡くなっています。この15年間で46万人もの人が自ら命を絶っているのです。活動を行う中で20代の自殺が多い地域や被雇用者の自殺が多い地域など、地域による特性が明らかになりました。今必要なのは、地域に合った自殺対策を後押しすることです。

 

そこで今回は自殺対策の全国的な底上げを図るために、今まで各地域で行われた自殺対策の「先進事例集」の作成と、約300の自治体が所属する自殺のない社会づくり市区町村会を対象とした研修会を東京と京都で2回行います。自殺対策の最新情報を共有し、若者の自殺対策と自殺対策の評価方法をテーマとした研修を行う予定です。

 

複数の都道府県をまたぐ取り組みには、地域自殺対策交付金を使うことができません。自殺対策の底上げを図っていくためには、皆さまからのご支援が必要です。どうか応援をお願いします。

 

(2006年5月 自殺対策の法制化を求める3万人署名を全国で展開)

 

 

自殺者数は年間3万人から2万8千人に。これはあくまでも前年比。

自殺者が減ったのではなく、増えるペースが遅くなっただけなのです


日本の自殺者数は、北海道拓殖銀行や山一証券の破たんの翌年である1998年に急増し、それ以降14年間3万人を超えていました。そこで、国会議員の方々と協力して2006年に自殺対策基本法を作り、社会的な自殺対策の枠組みを整備。全国各地で様々な立場の人が様々な取り組みを推し進める中で、2010年からは自殺者数が5年連続で減少しています。

 

しかし、「減少」というのは、あくまでも過去と比較した時の話です。自殺で亡くなった人は生き返ることがない限り「自殺者」のままです。つまり、年間3万人だった自殺者数が翌年2万8千人になったのだとしたら、確かに前年比では2千人減っていますが、実際は2万8千人また増えたと捉える必要があります。

 

(自殺対策のために、日々会議を重ねています)

 

「減少」といっても、「増えるペースが少し遅くなっただけ」であり、日本では、この15年間だけで、実に46万人を超える人が自殺で亡くなっているのです。

 

いまでも、一日平均70人が自殺で亡くなっており、非常事態は続いたままです。日本の自殺は世界的にも極めて深刻で、人口10万人当たりの自殺者数を表す自殺率は、アメリカの2倍、イギリスの3倍です。20代、30代の死因一位が自殺なのは先進7カ国の中で日本だけです。

 

(平成27年版「自殺対策白書」より)

 

 

「自分のせいで親が亡くなってしまった」

遺された家族は誰にも言えず、自分を責め続けています

 

私はNPO法人を立ち上げる前、NHKのディレクターとして自殺問題をテーマにした番組を何本も制作してきました。ある日「自殺って言えない」という冊子を自死遺児自身が無料配布していることを知りました。掲載されていた手記に私は衝撃を受けました。特に中学生の時にお父さんを亡くした男の子のエピソードが頭から離れませんでした。

 

ある日男の子が湯船に浸かっているとき、突然お父さんがお風呂に入ってきたそうです。そのとき彼は恥ずかしくなって、そそくさとお風呂を上がりました。その翌日、お父さんは自殺で亡くなったのです。

 

お父さんがお風呂に入ってきたときに「最近仕事どう?」「長生きしてね」と伝えていたらお父さんは死ななかったんじゃないか。お父さんは最後の思い出作りのつもりでお風呂に入ってきたのに、自分はすぐ出てしまって、なんてことをしたんだろうと。彼は本当に自分を責めていました。

 

取材を続ける中で、親が自殺したことを友達にも言えない、親のことを聞かれるのが怖いから友達を作らないようにしているという自死遺児とも出会いました。

 

彼らの姿を目の当たりにした私はもうひたすらショックでした。その子には何の罪もないわけです。むしろ親を失くすという非常につらい経験をしているのに、ここまで精神的に追い詰められてしまうのかと。この経験をきっかけに自殺問題を解決したいと思い、ライフリンクを立ち上げるに至りました。

 

(20代の自殺率の推移を示した白書です)

 

 

20代の自殺や高齢者の自殺、被雇用者の自殺が多い地域など

自殺には地域によって特性があります

 

私たちライフリンクは活動の一環として、国会議員の方たちと協力して市区町村単位の詳しい自殺統計が公表されるように働きかけました。その結果、2010年よりそれぞれの自治体の「自殺の地域特性」が明らかになりました。


例えば、20代の自殺が多い地域や高齢者の自殺が多い地域、あるいは、被雇用者の自殺が多い地域、学生の自殺が多い地域など、それぞれの地域特性が浮き彫りになったのです。いま必要なのは、それぞれの地域の実状に即した自殺対策を後押しすることです。


※全市区町村のデータを都道府県別に集計し、ライフリンクのホームページで公開しています。「自殺実態白書2013(発行:ライフリンク)」

 

(地域によって自殺者の属性が異なる傾向にあります)

 

 

東京23区内で自殺者数ワースト1だった足立区。

様々な部署・機関との連携を核にした対策により自殺者を減少させました

 

それぞれの自治体で、地域の実状に即した自殺対策が行われるように、ライフリンクは2つの具体策を行う予定です。1つは、全国の自治体が行っている自殺対策の中から「ベストプラクティス(最善策)」を選定し、それらを「先進事例集」としてまとめ、すべての自治体に情報を公開することです。

自殺対策の先進事例として、足立区の「自殺対策の都市型モデル」があります。足立区では2006年に年間で161人が自殺で亡くなり、東京23区ワースト1となりました。そこでライフリンクと手を組み、2008年から区民と接することの多い窓口職員や民生委員、区内の様々な機関との連携を核とした取り組みを始めました。

 

(ゲートキーパー研修の様子。真剣な面持ちが伺えます)

 

その取り組みの柱の一つに、ゲートキーパー研修の導入があり、2015年3月現在、区役所職員約4300人、関係機関や民生委員、区民1700人の計6000人が研修を受講し、連携のための共通認識を深めてきました。

ゲートキーパーは相談者の隠れた悩みに気づいたときに、彼らの了解を得て、区の生活支援の部署や保健総合センター、ハローワーク、病院、法律相談機関など適切な関係機関につなぐ役割を持っています。

研修は初級、中級、上級の3段階で行います。初級では自殺への偏見をなくし自殺のサインに気づく研修を、中級では相談窓口等につなげる研修、上級では関係機関と連携していのちを守ることができるようになる研修を行っています。

 

こうしたゲートキーパー研修や、ワンストップ型の総合相談会、地域ネットワークの強化など、足立区は自殺対策を総合的に推進する中で、自殺に追い込まれる人を減らすことができました。2014年における足立区の自殺者数は142人となり、2010年に比べて約21%減となりました。

 

(ライフリンクのメンバー。想いを持って集まったメンバーばかりです)

 

 

300の市区町村を対象とした自殺対策研修会の開催へ

 

2つ目の策としてライフリンクが事務局を担っている「自殺のない社会づくり市区町村会」の加盟自治体を対象とした研修会を開催します。「自殺のない社会づくり市区町村会」は、2011年に発足した市区町村のネットワークで、現在約300の市区町村が加盟しています。

 

来年度の自殺対策計画に間に合わせるために、研修会を10月中に東京と京都の2カ所で開催したいと考えています。そこでは、全国的な自殺対策の最新情報をしっかりと報告した上で、「若者の自殺対策」と「自殺対策の評価方法」をテーマとした研修を行う予定です。

 

自治体内で自殺対策の担当者が孤立していることも少なくないので、グループワークも行い、どうやって他の部署を巻き込んでいるか、どうやって首長を説得しているか、といった本音を語れる場も設けます。

 

(清水による研修の様子です。自殺の現実について伝えています)

 

 

継続して自治体の自殺対策を後押しするにはあなたのお力が必要です!

 

これまでもライフリンクは、実際に私たちがやってみせて「こうやってやればいい」というモデルを作り、それを政府に真似してもらうという方法で、政府や都道府県に対して「対策を提言」してきました。今回の研修会は「モデル作り」でもあると思っています。

 

複数の都道府県を跨ぐこうした取り組みには、残念ながら現在の地域自殺対策交付金を使うことができません。かと言って、自治体に財政的な負担を求めると「自殺のない社会づくり市区町村会」を脱会せざるを得なくなる自治体がでてきます。そのため、加盟自治体には一切財政負担を求めていません。

 

ただ、ライフリンクの持ち出し分が結構な額になってきているため、今後も安定的に「自殺のない社会づくり市区町村会」を支援し、全国の地域の自殺対策の底上げを図っていくためには、皆さまからの支援が必要です。

 

「誰も自殺に追い込まれることのない社会(自殺総合対策大綱)」を実現するため、すべての自治体で自殺対策が行われるように、このプロジェクトに寄付という形で参加していただけると嬉しいです。応援をお願いします。

 

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