社会活動家であり、法政大学教授の湯浅 誠さんからメッセージをいただきました。
 
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「さあ今から2分間で、お互いの共通点を20個みつけよう」
 
私の法政大学の授業では、毎回ちがう人たちとペアを組んで座ってもらう。
「社会問題論」というその授業の参加人数は200人。ほとんど1年生。
毎回の授業の始めには、ちょっとしたアイスブレイクを行う。そのときのお題。
 
100組のペアがいるが、2分で20個の共通点を見つけられるのは、毎年2~3組。
「初めて会った人と、いきなり20個なんて、無理」という反応が多い。
 
でもね。
2人とも目が2つなかった?鼻は1つじゃなかった?耳は2つなかった?手は?足は?
世の中には、目の2つない人がいる。耳の2つない人がいる。
これは、お互いの共通点を探しているように見えて、どれだけ世の中の多様性に開かれているかをたしかめるゲームです、と。
学生たちは「は~」という顔をする。
 
「ちがい」が視野に入っているから、共通点を見つけられる。
何が同じかは、その外の世界があることを知っていないと、気づけない。
 
私自身は、障害をもつ兄のおかげで、そのちがいと同じを知ることができた。
兄の学校に迎えに行くと、よだれを垂らす子、奇声をあげて歩き回る子……実に多様な人たちがいた。
「人間って、いろいろなんだなぁ」と小学生の私は思った。
私のクラスの友人たちが、車イスにも乗らず、ヘッドギアもせず、黙って座って先生の話を聞いているのが、「特別な人たち」に見えることがあった。
 
おかげで、私は多様性にビビらない大人になった。
知り合った留学生から「日本人ぽくない」と言われる日本人だった。
一度も留学したことがないのに、大学の教官から「あなたは帰国子女なんですか」と大マジメに聞かれた。
 
すごく得した、と今は思っている。
そして、多様性をおそれ、他人をおそれる人たちを見ると、「他人はこわくない」と伝えたくなる。「壁は、相手よりも、あなた自身の中にある」と。
だから、毎回新しい人とペアを組んでもらうような授業をしている。
 
だから、今の子どもたちにも得してもらいたい。
グローバル人材とは、英語をしゃべれる人ではない。アフリカの村に行っても、オープンで正直なコミュニケーションのできる人だ。そこで初めて何かを一緒にできる。
アクティブ・ラーニングとは、難解な問題を考えることではない。障害のある子と一緒に、どうやったらみんなが草野球を楽しめるか、ルールを考え、手直しすることだ。
 
どんな世界になっても生きていける子に育てたければ、多様性に開かれた子にせよ。
「私はワタシ」は、きっとそのような子を育てる。
それは「大変な誰かにやさしくしましょうね」という話ではない。
誰かのために見るのではなく、あなた自身のために見るのだ。
すべての子に、その機会が開かれていくことを願う。
 
湯浅 誠(社会活動家・法政大学教授)
 
 
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