出演者の畑野とまとさん(トランスジェンダー活動家・TGJP代表) よりメッセージをいただきました。

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教育の場で多様性を伝える事がものすごく大事だけど、でも、それを伝えることはとても難しいことでもあるとも思っています。 言葉で多様性が大事だといくら伝えようとしても、学校の中でのイジメが無くなることも無かったりします。

これだけLGBTという言葉が社会的に使われるようになっても、LGBTQ+の子供達から今でも『辛い思いをした』という言葉が少なからず聞かれます。

文部科学省からはLGBTなどへの配慮を求める通達などが出ていますが、配慮という形では平等という状況からはほど遠く、その状態に傷つく若者達も多くいるのが実情です。

性同一性障害という言葉でトランスジェンダーの事は語られる事が多いですが、この疾病イメージになった背景は、多くのトランスジェンダーの高い自殺率にありました。ホルモンや手術まで行って、本人が望んだ形になったはずなのに、その状況から自殺する人達がとても多く、『それは医療行為として問題が無いのか?』と議論された上に導きだされたのが現在日本でも使われているガイドラインです。

しかし、このガイドラインが作られたのは1979年こと、現在は何故自殺率が高かったのかほぼ原因が判明しています。アメリカの団体『Trans Student Educational Resources』が発表したデータによると、両親のサポートがあるトランスジェンダーは、サポートが無い子の自殺を試みたことがある割合が57%に対して、サポートがあると4%までその数字を減らすことができるといったデータを紹介しています。

つまり、トランスジェンダーに限っていえば周囲が平等を担保して受け入れてくれるなら、その事が原因で自殺したりすることを回避できるというのが結論という訳です。

Get in touch!の掲げる『まぜこぜの社会』というのは、たとえば学校という場所においても、すでに『まぜこぜ』の状態であって、すぐ隣にも色々な人がいるということを知って、そのすべての人達に『人権』があり、皆が平等でなければいけないということをアピールしていく活動だと思っています。

これは『理解』とかの話ではなく、色々な人が居ることを知って貰うことがまずは大事なことだと、私はずっと考えています。余所の国、余所の地域、隣の学校、隣の教室、自分には関係が無い場所での出来事という感覚を持ったママの状況とてもマズイとも思っています。
本作品は色々な人が世の中には居るんだ、その人達は色々なことを考えているんだと、見た後にまた社会のありかたを考える良い切っ掛けになる作品だと思っています。このプロジェクトが成功し、より多くの子供達に『いろいろな人が居るんだ』ということを学べる機会が作られる事を切に願います。
 

トランスジェンダー活動家・TGJP代表 畑野とまとさん

 

【畑野とまとさんプロフィール】

ライター/トランスジェンダー活動家。

26歳からトランジションを始め、29歳でトランス女性として再出発。

96年に国内最初のトランスジェンダーHP『トランスジェンダーカフェ』を開設し、トランスジェンダーに関係する情報発信を始める。10年のセックスワークを経て現在はライターをしながら、トランスジェンダーの人権や非病理化などを掲げてトランスジェンダー活動家として情報発信も継続している。