【3.11から12年】ハードからハートへ 災害大国日本に伝承の力を

東日本大震災の被災地で続けてきたNPOパートナー協働事業では、「記憶の伝承」と合わせて「福島・保養」を重点テーマの一つに掲げています。「保養」とは、2012年に制定された「原発事故子ども・被災者支援法」の考え方に基づき、放射線による被ばくなどを心配する親子に、野外でのびのびと遊べる機会を提供し、子どもたちの健やかな成長を支援することを目的としています。

原発事故から時間が経っても「保養」のニーズは高いことが確認されていますが、公的な支援は十分ではなく、民間で細々と実施しているのが実情です。Civic Forceのパートナー団体で、全国の保養団体をつなぐネットワーク「311受入全国協議会」（現在58団体が加盟）は、コロナ禍だからこそつながりを絶やさないよう、さまざまな取り組みを続けています。

このたび、311受入全国協議会の共同代表の一人である、北海道のみかみめぐるさんからメッセージをお寄せいただきました。

「ダイナミックな交流が豊かな感性を育む」

NPO法人みみをすますプロジェクト理事長　　みかみめぐるさん（写真左）

いま、福島の大学生たちが「meets福島futures」という団体を結成して、震災当時多くのご支援を受けた台湾訪問を実現させ、これからは同じアジアの海で暮らす者同士で様々な交流を行う予定です。大震災と原発事故発生から満12年。保養で北海道に来ていた小学生たちは大学生となり、大きな翼で羽ばたこうとしています。人と人とのダイナミックな交流は豊かな感性を育み、被災地は新たな創造の舞台となっているのです。

子どもたちから届いたメッセージ