地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

7/7に首都東京で都知事選挙が投開票されます。

現職の小池都知事、蓮舫参議院議員のほか、石丸安芸高田前市長の公約が発表されました。

少子化に関する公約を見比べてみると、

●小池都知事

・子育て、教育にお金のかからない東京にする・・・第１子からの保育料の無償化

・子育て家庭の家賃負担減

・無痛分娩（ぶんべん）への支援

●蓮舫参議院議員

・現役世代の手取りを増やす

・子どもが多くいる世帯への家賃補助

●石丸安芸高田前市長

・公約に少子化が盛り込まれていなかったが、教育が最大の成長分野だとして教育に積極投資

となっております。

三者三様で、この中や以外も含めて、都民はどの候補に次の東京のかじ取りを任せるのか注目されます。

しかし、言い方悪いですが、東京の少子化委対策はすでに「オワコン」状態です。

合計特殊出生率が1を切り、東京の女性は生涯子どもを一人も授からない状態です。

つまり、今いる世代以降、東京は枯れ行く存在なのです。教育にお金がかからないようにしたり、家賃を補助したり、現役世代の手取りを増やしたり、教育に積極投資する程度では、根本的な少子化対策とはなりません。

昨年の東京の合計特殊出生率、0.99は偏差値で表すと「27.0」です。

さすがに入れる高校のないレベルです。それぐらいオワコンなのです。これは、一昨年に比べて下がってきているので、なおさらオワコンです。つける薬がないのです。

合計特殊出生率を考えるうえで一番重要な、通勤時間の長さですが、東京の偏差値は「74.7」です。

近隣県は、埼玉が74.5、千葉が77.2、神奈川は80.3となっており、医学部に入れるぐらい長い時間「無駄に我慢」している数値となります。

以前のブログでも記しましたが、20代30代といった出産適齢期の女性が、複雑と混雑が絡み合う東京に自分の仕事のやりがいを求め移動し、仕事に励む傍ら、睡眠時間を削り（東京の睡眠時間偏差値は33.5）、満員電車で心身を疲弊させ、誰もいないひとり暮らしの家に帰り寝るだけ、というルーティンを繰り返して、日々に忙殺されるだけで1日終わってしまうという人間モデルが見えてきます。

人のしあわせはその人次第ですので、他人がとやかく言うわけではないですが、少なくとも行政の長となられるにあたっては、こうした人間モデルが見えてくる方を少しでも楽にすることを考えれば、少子化対策としてもっと別のアプローチがなされるのではないでしょうか。

こういった人間モデルを解消するためには、複雑かつ混雑した東京および近隣県から、地方部への多極分散のために「都民の」税金を使う方策が残る都民にとっても有益ではないでしょうか。

少なくとも、混雑ではなくなるためです。

恐らく、この人口動態に関する問題を東京で整理しないと、日本の少子化は止まりません。

新しい東京都知事には、真剣に東京の複雑と混雑の解消を求めます。