地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

日本テレビの尾崎里紗アナウンサーが先月末で退職しました。

尾崎元アナウンサーは、福岡県の出身で、地元福岡の名門西南学院大学経済学部で勉学に励む傍ら、2012年には、第42代福岡親善大使を務め、福岡のPRに尽力されました。

この経験がアナウンサーを目指すきっかけになったということです。

西南学院大学を卒業後、日本テレビのアナウンサーとなり、キユーピー3分クッキング、バケット、ZIPなどの番組に出演されておりました。

2019年に同じ西南学院大学の同級生と結婚、2022年に男児を出産しております。

尾崎元アナウンサーの退職理由がちょっと変わっていて、関係者によると、家族が増え今後の家族の生活を考える中で、将来的に家族の故郷である九州に拠点を移し子育てと仕事をしていきたい気持ちが強くなり、決断に至ったということです。

本人からも、将来いつになるかわからないが、家族で福岡で生活する夢に向かって、これからできることを一歩ずつ、進んでいけたらとおっしゃっています。

在京キー局に地方出身の女性アナウンサーはたくさんいらっしゃるのですが、地元に帰りたいということでアナウンサーを辞めた方は記憶の中では一人もいらっしゃいません。かなり珍しいタイプの退職のされ方です。

実は、弊社では、こういうタイプ、有体に言うと故郷に帰りたい、というタイプの女性が増えればいいなと考えております。

基準はよくわかりませんが、日本テレビの女子アナ採用偏差値は71とするサイトもあるほどの狭き門であり、おそらく女性がなる職種の中でも最も難しいのが、在京キー局の女子アナではないでしょうか。

なぜ、福岡で生活するのが夢なのかについては、本人に聞かなければわからないのですが、在京キー局のアナウンサーこそ、東京にいないとキャリアを積むことができません。

キャリアと故郷に帰るという天秤にかけて、故郷を選んだ尾崎元アナウンサーですが、違ってちょっと近い存在の方がいらっしゃいます。シンガーソングライターのアンジェラ・アキさんです。

アンジェラ・アキさんは、父は日本人、母はイタリア系アメリカ人という血筋で、大学はアメリカの名門、ジョージ・ワシントン大学を卒業されています。

大学卒業後、秘書として働き、夜は9時から12時まで、クラブやライブハウスに出演し、デモテープの作成に尽くしました。その後秘書の仕事を辞め、中華料理屋でアルバイトをしながら楽曲制作をするという苦しい生活を送っておりました。

2003年に自作の曲がヤクルトのCMに使われることになったことから26歳で日本に帰国し、各地で売り込みましたが、年齢が足かせとなり、取り合ってくれるところはありませんでした。

2003年、椎名林檎さんの日本武道館でのライブを見て、自分も3年後同じ舞台に立つ、と決意し、音楽活動を続けた結果、2005年にメジャーデビューが決まりました。

その曲名は「HOME」　ふるさと、徳島を思った歌です。そして、彼女の願いは叶い、2006年日本武道館単独ライブの開催に至りました。

アンジェラ・アキさんは楽曲HOMEをふるさとへのラブソング、と言っています。

HOME is calling

ふるさと

心の中で　今でも　優しく響いてる

寂しさが染みついた　夢のない夜には

あなたを呼んでいる

そんなアンジェラ・アキさんは、2014年にシンガーソングライターとしての活動を無期限休止し、今年、10年の時を経て、ミュージカル音楽作家として再始動することになりました。演目は「この世界の片隅に」です。

恐らく、尾崎元アナウンサー、アンジェラ・アキさん、二人に共通することが、故郷を大切にするということと、「極めた」ということではないでしょうか。

日本の伝統芸能の教授法に「守破離」というものがあります。その仕事を極めれば、ところかまわずできるはずです。逆を言うと会社の看板がないとやっていけないというのは極めていない証拠です。自分という看板で勝負ができる尾崎元アナウンサーとアンジェラ・アキさんは、だからこそ、ところ選ばずということでしょう。

ふるさとを大切に思う人は多いはずです。自分という看板で故郷に錦を飾ってくだされば、誰もがしあわせになります。