地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

動物の赤ちゃんがかわいいのは、人間や動物の赤ちゃんに見られる身体的特徴である「ベビースキーマ」が関係していると考えられています。ベビースキーマとは、ノーベル賞を受けた動物行動学者コンラット・ローレンツが提唱した概念で、幼い動物が持つ頭や目が大きく、体がずんぐりむっくりしているなどの特徴を指します。

では、どうして動物の赤ちゃんにしろ人間の赤ちゃんはかわいくできているのでしょうか。

実はこれ、生き残り戦略なんです。かわいくできていればかわいがって育ててくれる、だから愛玩動物も含めてかわいくできているのです。こう言ったことを随筆家で精神科医の斉藤茂太（父は近代短歌を確立した斉藤茂吉）は、「かわいがって行動」と言っています。

こうしたかわいがって行動、あらため愛情表現では、脳内に「オキシトシン」が一般的に、出産や授乳、子育てや他個体との関わり合いなどで脳内および血中へ放出されることから、“愛情ホルモン”や“信頼ホルモン”とも呼ばれています。

オキシトシンが分泌されると幸せな気分になります。また、集中力の向上、ポジティブになるなど幸福感が高まるもので、つまり、愛情を感じてしあわせを感じるのは、このオキシトシンによるものです。

また、オキシトシンには不安や心配などを緩和させてくれる働きがあります。オキシトシンが分泌されると副交感神経が優位に働くようになり、心身ともにリラックスするためストレスを軽減させてくれるのです。

他にも、オキシトシンには、安らぎを感じる効果や、信頼感や共感が高まる効果、痛みが感じにくくなる効果、そして食欲を抑える効果などがあり、これらの効果は健康を維持するための基盤を築き、自然治癒力を引き出すために役立っています。

このオキシトシン、実は男性にも分泌されます。

いつ分泌されるのか、それは、「父親」になったら分泌されます。

配偶者や子どもとの絆を高める働きをします。

父親になった男のほうが、より健康で死亡率も低いというデータもあります。

男性がより健康で長生きすることは、子どもの生存率が高まったり、子どもをより多くもうけられることにつながります。つまり、遺伝子をより多く子孫に伝えられることになり、そこには明らかに進化的メリットがあるものと考えられます。

さらに、男の競争力や成功には、体力があることだけではなく、経験や知識も欠かせません。狩猟採集民でも、狩りの成功率は、若い男より、それなりに年を取った男のほうが高い（40代で最高）ことがわかっています。

現代社会でも、政治や経済の権力を握る男たちの多くは年を取っており、経験知が豊富です。男は白髪になっても「ロマンス・グレー」などと呼ばれ、もてたりするのも、進化的な背景があるかもしれません。

先にあげた通り、男性の場合、オキシトシンは、自分の子どもが産まれて初めて分泌されるため、それまで赤ちゃんを見ても泣き声がうるさいなど興味を持たない傾向にありますが、父親になると途端に、自分の子どもを甘やかすようになります。オキシトシンとはそういうホルモンなのです。

今の日本、オキシトシン不足の国になっています。しあわせを感じる人が少ないということです。

しあわせは人それぞれあっていいのですが、生物学的にはオキシトシンが分泌される子育てこそ最高のしあわせのはずです。

デカルトの「方法序説」の序盤に、ボンサンス（理性）はそもそも人間に備わっているというくだりで文章が始まります。つまり、理性と本能が対義だとすると、人間は本能を理性で覆い隠していることになります。そこに備わっているのは「恥」でしょう。

この理性があるために、本能に従わず、賢くなることから、経済状態といういかにも理性的なことを理由に子どもを持とうとしません。

子どもは買い物ではありません。愛情の結晶です。

弊社では、日本をオキシトシンであふれる国にするために、まずは少子化解消から取り組み、結果、誰もがしあわせになる社会を目指したいと思っています。