漢方教室＆東洋医学資料展示室ツアーを開催しました！

皆様、こんにちは。
先週の土曜（12/26）に、予定通りにオンラインセミナー「漢方教室＆東洋医学資料展示室ツアー」を無事に開催できましたことをご報告させていただきます。

今年はコロナに翻弄されっぱなしの一年となりました。本来なら2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本全体が活気づく年になると誰もが期待しておりましたが、結果的にはそれとは真逆の展開で、世界中がコロナの混乱の渦に巻き込まれる、誰も予想だにしなかった年になってしまいました。しかし、人類の長い歴史の中で、克服できなかった感染症はありません。世界中が一丸となって感染症に立ち向っているこの状況は、現代科学や医学の進歩が為せる技であり、きっとコロナパニックも近い将来制御可能になることでしょう。コロナの治療薬として期待されていたアビガンが国内承認見送りになった背景には、まだまだしっかりとしたエビデンスが不足していることなどが挙げられ、早期承認制度の課題が浮き彫りになりました。しかし、科学にとって慎重であることはとても大事なことだと私は思います。エビデンスに基づいた有効性ができるだけ早く示されることを期待したいです。

現在北里大学では、「COVID-19対策北里プロジェクト（https://www.kitasato.ac.jp/jp/about/activities/covid-19/index.html）」が稼働しており、その中で「漢方プロジェクト（https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20200819-03.html）」が動いています。この漢方プロジェクトはCOVID-19のステージ毎に漢方薬の効果を検証する後方視的観察研究になりますが、今回行った漢方教室では、本プロジェクトのリーダーである小田口所長により、漢方医学の歴史から漢方プロジェクトの概要まで幅広くお話させていただきました。この成果が出るまでには、まだまだ時間がかかると思いますが、「感染症に強い北里魂」によって、いずれこの苦難の克服に少しでも貢献できる日が来ることを私は信じています。

今年はコロナ禍で苦難の多い中、私どものプロジェクトに多大なるご支援をいただき、感謝の一年となりました。来年はその恩返しができるよう、年明け早々からの再始動に向け、正月から準備を進めたいと思います。

来年は皆様にとって今年とは違った一年になることを祈念いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　伊藤直樹