ママも輝いていいんだよ！川崎に医療的ケア児のためのシッターを

 

看護師としての32年間
子どもたちはたくさんの奇跡を見せてくれました

 

はじめまして、前田基江です。私はこれまで32年間、看護師として主に小児科病棟で勤務してきました。

 

幼い頃から、人の助けになりたいという想いからか自然と医療に興味をもち、医師になることが夢でした。学力不足で一時はその道を断念しましたが（高校生時代はバスケットボールに明け暮れる毎日を過ごしていました）、やはり医療の道を諦めることが出来ず、看護の道を選び猛勉強をしました。

 

医療の現場では、子どもたちがたくさんの奇跡を見せてくれました。32年の間にも医療は日々進歩し、多くの命が助けられるようになってきました。私が看護師として、またひとりの人間として大きく成長できたのは、たくさんの子どもたちとの出会いがあったからだと思います。500ｇの小さな身体で障害をもって生まれても、力強く生きようとする子どもをみて、生命のすばらしさを感じました。

 

 

特に印象に残っているのは、意識を回復する見込みがないといわれていた女の子のエピソードです。毎日話しかけ、リハビリをおこない続けた結果、意識が回復し、小学６年生で歩いて卒業式に出れるまでになったのです。希望を捨てずに支え続けた家族の存在と、何よりもその子の「歩いて卒業証書をもらいたい！」という強い想いが、奇跡を呼んだように感じました。

 

 

病院では受け入れきれない、
医療的ケア児とその家族が直面する問題

 

大学病院では、長期の入院が許されない現状があります。これは医療制度上、長期入院になると病院の利益が少なくなることが関係しています。病院側は収益を上げるため短期入院を優先し、ベッド稼働率を上げようとするのです。

 

しかし小児病棟には当然、病気によって呼吸器をつけて生活しなければならず、長期間入院を必要とする子ども達もいます。呼吸器をつけた子どもを家に連れて帰ることは、家族にとって大きな決断です。医療的ケアが必要な子どもを持つ親は、呼吸器を装着している＝死に直結というイメージから、ただでさえ強い不安を抱えています。家庭や兄弟の事情でなかなか退院できないケースもあります。そんな中、長期入院が歓迎されない雰囲気を感じとり、家族も疲弊してしまうのです。

 

 

 

呼吸器をつけた子どもを家に連れて帰る
在宅ケアは家族にとって大きな不安です

 

在宅ケアを余儀なくされたご家族は、療育施設に移るか、訪問看護や放課後デイサービスなどを利用することになります。川崎市でも、家族の負担が少しでも減るように働きかけてはいますが、入院療養型の施設が少なく、そのサポート体制も十分ではありません。在宅ケアが困難な家族は、施設の空き待ちをしながら病院で肩身の狭い思いをするか、横浜市などの近隣の地域に転居し施設に入る選択をします。

 

そんな現状を目の当たりにし、私たち医療従事者は、心苦しい想いを何度もしてきました。子どもたちの病気を治療し、命を助ける存在でありながら、助けた命の受け皿が少ないことを知っていても退院を迫らなければならないー。悲しい現実に日々葛藤していました。

 

 

 

受け皿の一つになろう

 

生涯病院で働くだろうと思っていた私ですが、昨年、医療的ケアが必要な子どもと家族の受け皿の一つになろうと、長年続けていた病院を辞める決心をしました。私がはじめるのは、医療的ケアが必要な子どもと家族のためのシッターサービスです。

 

現状の訪問看護や放課後デイサービスは時間に限りがあり、障害の程度により利用できる日数と時間が変わります。午後6時までのサポートであることが多く、早朝や夜間に助けが必要な時は、家族や仲間同士で助け合うしかありません。家族にとって、自分自身の時間を持つことや、自由に外出することは、ほとんど困難な状況なのです。

 

このシッターサーヒスは、これまでのサービスの枠にとらわれず、子どもと家族に寄り添ったサポートをしていきたいと思っています。日々のケアに追われるママたちにも、自分の時間がが必要です。美容室に行ったり、ネイルをしたり、習い事をしたりしてママ自身も輝いてほしいです。

 

 

 

今回、クラウドファンディングで皆さんからいただくご支援は、活動を広げるためのパンフレットや、ホームページなどの広告費、お子さまのご自宅へ訪問するための電動自転車の購入などの一部として大切に使用させていただきます。

 

 

 

家族にも人生を楽しんでほしい。
パパ、ママの笑顔が、お子さまの幸せにも繋がります。

このサービスを、自身の時間を持てていないご家族や、今まで自由に外出できなかったご家族に、ぜひ利用していただきたいです。また、障がい児を持ったことにより、悲観的になったり、ふさぎ込んだりしている方に、在宅ケアが必要なお子さまが身近にたくさんいることを知っていただくきっかけにもしていきたいです。

 

最終目標は、医療的ケアが必要なお子さまと家族のコミュニケーションの場としてカフェを併設した多機能型施設をつくることです。現時点では情報と資金が足りないため、シッターというスタイルを選びました。まずは、子どもと家族に寄り添い、ひとりでも多くのお子さまが安心して自宅に帰れるようにサポートしていきたい、ご家族にも自身の時間を大切にしていただきたいと願っています。パパ、ママが笑顔でいることが、お子さまたちの幸せにもつながると思います。

 

これからも小児在宅医療サポートを広げ、お子さまとご家族にたくさんの笑顔をお届けしていきます。どうか皆様のあたたかいご支援をお待ちしております。

 

 

※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、こちらのページの「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。