プロジェクト(旧山田家住宅保存修理工事)終了のご報告
多くのみなさまのご支援とご協力のおかげをもちまして、去る3月29日、旧山田家住宅(信濃秋山の民家)保存修理工事の竣工を無事に迎えることができました。
クラウドファンディングではあたたかいご声援をたくさんいただき、コロナ禍でいろいろと困難な状況ではありましたが、ミッションをやり遂げようという大きな励みとなりました。大きな感謝とともに、心より御礼申し上げます。
旧山田家住宅は国の重要文化財に指定されており、平成元年に実施した屋根の部分補修以来、信濃秋山郷から移築されてからは初めて、屋根・壁全体の保存修理をおこなうことになりました。そのため、令和2年7月より耐震診断や地盤調査を開始し、同年12月から本格的な工事を開始しました。
茅屋根の葺き替えは令和3年3月から始まり、夏には茅葺き体験会や現地説明会を実施し、素晴らしい時間を過ごすことができました。秋は台風による雨漏りや浸水被害に遭い、作業を中断することもありましたが、約9カ月かかって11月に屋根工事が完成しました。
今回、浸水被害の深刻さが明らかになったことから、土台(亀腹)と雨落溝周辺の整備を再検討し、これまでより雨に強い仕様にいたしました。効率的に排水することで、伝統的な日本家屋を長持ちさせる、以前とは少し変わった景観もぜひ現地でご覧ください。
下回りの工事と並行しながら、2月からは茅壁の葺き替え作業をおこないました。同時に屋内の土間叩き、建具、莚敷などの補修作業もおこない、3月中旬に全工程を終了しました。
今回の保存修理工事にかかった費用は、総額68,840,000円となりました。みなさまからご支援いただいた貴重な寄附金は、全額工事費用として使用させていただきました。
ご寄附者さまへの返礼品のうち、Eコースの特別見学会は現在日程調整中です。竣工後のイベントでしたので連絡が遅くなってしまい、大変お待たせしましたがお許しください。そして最後の返礼品となりますが、記念写真集と記念ハガキについては、工事中の写真も含めて、これから7月のお届けに向かって制作を開始いたします。どうぞお楽しみに。
今回のプロジェクトは、工事の完成をもって終了いたします。しかし、修復の必要な建物はまだありますし、貴重な文化財を未来に残すためには、やるべきこともたくさんあります。また機会がございましたら、みなさまのあたたかい応援とご協力をぜひともよろしくお願いいたします。
日本の伝統建築、古民家の良さを体験する、たくさんの民家に出会える日本民家集落博物館を、これからもどうぞよろしくお願いします。スタッフ一同、博物館でお待ちしております。