ピューマの新ペア応援プロジェクト

ご無沙汰しております。盛岡市動物公園ZOOMO　ピューマ担当の山本です。

今年の夏は全国各地で猛暑になっていますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

ここ数年は盛岡でも最高気温35度以上になる日が多くなってきました。当園は盛岡駅から車で15分ほどの場所にある岩山（標高340.5ｍ）という小高い丘陵地に位置しているため、盛岡市内よりも気温が１～２℃低いはずなのですが…体感としてはあまり変わりありません。こうなってくると動物たちの体調管理に気を使います。

各動物の担当者は日陰を作ったり、風を送ったり、時には放飼場に氷を置いたり…動物たちへの暑さによる負担を少しでも減らそうと日々工夫しています。暑さには比較的強いピューマですが、３年ほど前から獣舎内にはクラウドファンディングのご支援により設置したエアコンを、放飼場にはアマゾンほしい物リストで購入していただいたミストファンを活用しており、おかげさまで設置前よりもかなり快適になりました。さらに今年からは、気温の高い日や天候が悪い日には寝室と放飼場を出入り自由にすることでピューマたちが居場所を選択できるようにして猛暑の体調管理をしています。

さて、いつも当園とピューマのペア“タフ”と“ニーナ”を応援してくださる皆さまに、公式ホームページや公式SNSよりもひと足お先にご報告があります。

大変長らくお待たせいたしましたが…

ついに！ペアリング(放飼場内でのオスメス同居)を開始しました！！

本来であれば、ペアが成立して準備ができたらすぐにペアリングを開始できるのが理想ですが、リニューアル工事開始延期や暫定開園、年々厳しさを増す猛暑…などなど、様々な要因が重なってまいりましたが、ようやく令和５年８月23日（水）からペアリングを開始しました。

※詳しくはプロジェクトページの活動報告「【大切なお知らせ】開園日決定とペアリング開始時期変更について」をご覧ください

皆さまのご支援により静岡市日本平動物園から当園に仲間入りし、搬入当時１才だったメス“ニーナ”も４才になり、すっかり大人のピューマになりました。来園した頃よりも、体つきも立派になり、お腹も気持ちも丈夫になりました。が、お嬢様気質とおてんばっぷりは相変わらずです。

“ニーナ”とペアになるオス“タフ”(5才)も相変わらず食いしん坊ですが常に穏やかな性格で、長い長いリニューアル工事期間の毎日目まぐるしく変わる環境を“ニーナ”が元気に乗り切ることができたのは、柵越しとは言え“タフ”が傍にいてくれたからだと確信しています。

２頭の相性は明らかに良いように見受けられます。それは、“ニーナ”が当園に仲間入りしてから数ヶ月後に２頭の寝室の間に設置していた目隠し板を外した時から相性の良さが分かりました。仕切り扉越しに追いかけっこや隠れんぼをしたり…時には“ニーナ”が仕切り扉の柵の隙間から前足を出して“タフ”の顔やお腹やお尻に直接ネコパンチをしても“タフ”は怒りもせず、むしろ敢えて受けているようでした。この関係はペアリング開始直前まで変わらず、寝室内でも、そしてリニューアル工事で増築された隣り合う放飼場でも頻繁に観察されてきました。

ピューマの妊娠期間は３カ月間と短いため、「相性の良い２頭の間にはすぐに子どもが産まれるのではないかなぁ…」という担当者としての楽しみと緊張感があります。一方で、野生のピューマは出産から子育てまでの期間は単独生活で、動物園で繁殖した場合でも子育て期間はオスとメスを分けて展示しなくてはならないため「２頭が同じ放飼場で過ごしている様子をできるだけ長く皆さんに見ていただきたいから、子どもが産まれるのはもう少し先でも良いのだけどなぁ…」と言う複雑な気持ちも正直あります。

これについては“タフ”と“ニーナ”次第ですが、貴重な血統のペアを飼育している動物園として、無事に繁殖して親子ともに健康に暮らしていける環境作りをこれからも目指したいと思います。

ペアリング練習の様子やペアリング中の様子は当園公式SNSでも随時紹介いたしますので、ぜひチェックしてください。そして、仲良く元気に一緒に放飼場で過ごしている“タフ”と“ニーナ”に会いに来てくださいね！

このプロジェクトをご支援いただいた皆さま、メス“ニーナ”を送り出してくださった静岡市立日本平動物園さま、オス“タフ”を送り出してくださった愛媛県立とべ動物園さま、全国のピューマを応援してくださる皆さまに心より感謝申し上げます。

皆さまのご来園、お待ちしております！

盛岡市動物公園　ZＯＯＭＯ

ピューマ担当　山本祐子　＆　放飼場で一緒に過ごしているタフとニーナ　より