【残り3日】展示室からお届け！学芸員による秋のおすすめ作品紹介

ミュージアム・ワークス　みんなの知らない「美術館」より、

秋にピッタシの作品をご紹介！

 

現在開催中の展覧会は、本クラウドファンディングともリンクしており「美術館の役割」と「普段は見れない裏側のお仕事」をご紹介している内容となっています。

 

当館のコレクションを通して文化財における保存の歴史や過去の修復と調査結果を合わせてご紹介しています。

 

 

今回は、「近代絵画の父」とも称されたポスト印象派の画家ポール・セザンヌ（1839-1906）の秋らしい初期作品の絵をご紹介します。

 

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セザンヌといえばリンゴの静物画だったりサント＝ヴィクトワール山のイメージが強いと思います。

 

実は彼が画家として名を馳せたのは50代の頃で、今日セザンヌの作品として皆さんが知るあのイメージは後年に描かれたのがほとんどです。

 

では初期作品で描いていたのはどんなものなのでしょう？

 

 

それがこちら！

 

セザンヌが28歳の時に描いた《林間の空地》（1867）という油彩です。セザンヌの初期作品に見られる特徴のひとつに厚塗りの表現がよく指摘されています。

 

この作品でもパレットナイフを使った厚塗りが所々施されているのがわかります。この技法を使った描き方はレアリスムの巨匠であるギュスターヴ・クールベ（1819-1877）の作品から学んだとされており、実際に実物をみると絵具による重厚感を感じることができます。

 

しかし、目の前の風景は忠実に描かれておらず対象物を簡潔に捉え単純化して画面に再現されているのがわかります。このことから後年の作品につながる独自の様式をこの頃から探求していたことが伺えます。

 

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今回の展覧会ではこの《林間の空地》を科学調査した際の結果なども紹介されています。それがこちらのパネルです！

 

▼ズームすると…▼

 

この作品調査パネルの横に実物が展示されていますので比較しながら見ていただくのも、とても面白いかと思います。

 

普段ではあまりみることのできない作品の裏側・美術館の裏側が見れる展覧会となっておりますので、是非当館へお越しください。