作品が無事修復を終えてお披露目しました！

2月末に修復工房にお預けした今回の修復対象作品《キャバレーの情景》《リャネの野菜畑／庭の少女たち》の2点が、無事に諸橋近代美術館に戻ってきました！

修復家の方と調査し、どこをどのように修復するか綿密に打ち合わせを重ねました。

まずはその内容をご報告させていただきます。

《リャネの野菜畑／庭の少女たち》

調査したところ、画布全体が大きく波打って変形し、変形に伴って亀裂が全体に生じており、剥落、欠損も多数みられました。

加えて、作品を保護するためのガラスと接触している部分の絵具が潰れており、部分的にガラスと画面が付着しているところも見つかりました。

他にもカンヴァスの両面に作品が描かれているという性質上、画面が不安定な状態にあり、経年劣化により更に剥落する危険性がある箇所も見つかり、それらを丁寧に接着する処置を施しました。

また、未来に作品を残していくため、展示・移動・保存に適した額、台座にも変更することにいたしました。

《キャバレーの情景》

調査したところ、不安定な絵の具の剥離が生じており既に剥落した欠損が多数認められました。

加えて、表裏面がやや汚れており、古い補彩が画面上に点在している状態でした。

そこで、剥落箇所の処置や表裏面のクリーニングなどを実施しました。

また、低反射アクリル付きの額縁を新調し、こちらも展示・移動・保存に適した額にも変更することにいたしました。

皆様からいただいたご支援のおかげで今回の修復では、剥落止め、クリーニング、傷んだ額装と台座の変更、低反射アクリルによる作品保護と十分に修復をすることができました。

本当に本当にありがとうございました。

そして、4月20日（土曜）からはじまった企画展「生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー」で今回修復した《キャバレーの情景》《リャネの野菜畑／庭の少女たち》の2点をお披露目展示しています！

今年は諸橋近代美術館 開館25周年記念開催となる節目の展覧会です。
ダリとはいかなる芸術家であったのか、「シュルレアリスト・ダリ」とその背景にある「人間・ダリ」の複雑で繊細な内面から天才の秘密を探ります。

裏磐梯は今まさに桜が咲いており、お散歩するには絶好の季節を迎えています。

お近くにお越しの際は皆さまどうぞお立ち寄りください！お待ちしております！