クラウドファンディングにご協力くださった皆さまへ
【文字より先に、楽譜を覚えた。スラム街で、彼らは音楽と夢を見る】
お世話になります、NPO法人ワールドシップ代表の農澤です。
この度は、2019年5～6月に行いました上記のクラウドファンディングプロジェクトにご支援くださり、誠にありがとうございました。
今回のクラウドファンディングの実施期間が終了しましたので、プロジェクト終了報告(現時点)をいたします。
まず初めに、223名もの方より、231万5000円ものご支援を賜り、本当にありがとうございました。何度かメッセージにてお送りさせていただきましたように、TCOの子どもたちは非常に喜んでくれました。特に、彼らの弓の毛替えを行ったことが本当に嬉しかったようで、キレイになった弓で毎日熱心に練習をしてくれていました。
(写真は2019年9月のプロジェクトにて、WSOとTCOが共演した時の様子です。)
さて、皆さまにお伝えしなければならないことがあります。
TCO(トンド室内合奏団)は、2020年の3月を持ちまして、休止状態となりました。経済的には皆さまよりいただいたご支援のおかげもあり問題なかったのですが、楽器等物資の盗難があったことや、指導者の不在、コロナウイルスの影響も相まって、創立者であるジョバンニさんが、TCOの活動休止を決定しました。
本当は3月のワールドシップオーケストラとの共演を区切りにとジョバンニさんも私も考えていましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、ワールドシップは渡航を断念、プロジェクトが中止となったことで、休止前最後の共演は叶いませんでした。
立て続けに不幸は重なるもので、先日トンド地区のハッピーランドにて大規模な火災が発生してしまい、メンバー数人の家が焼けてしまうという事態になりました。
(メンバーから死傷者・負傷者が出たという報告は受けていません)
(トンドでは、ろうそくに火をつけて生活している家庭が多いことや、電柱から盗電し、漏電してしまうことによって、火災が頻繁に起こってしまいます)
これらのこともあり、これからトンドにおける音楽活動を立て直すには、また一層の時間とお金、人的な資源が必要となりますが、我々ワールドシップはあきらめていません。
トンドというアジアでも最大級の貧困地区においてオーケストラで音楽を奏でることの難しさ、尊さを改めて実感すると共に、私たちがその灯を消さぬよう、紡がなければならないと、それこそが我々に課された使命であると捉えています。少しでも早く、TCOが再開できる日を目指して、日本人スタッフ、TCO代表のジョバンニさん、現地スタッフのオギーとも連携を取りながら、トンドの子どもたちにとって最も良い選択を続けます。
【収支報告】
皆さまよりご支援いただきました資金は、まだ全額は使い切っておりません。今後、音楽大学に進んだ子どもたちの学費や、家が燃えてしまった子どもたちの生活費、そしてTCOが団体として練習を再開するのにかかる諸費用に充てさせていただく予定です。
現時点で利用させていただきました金額を、以下に記載しています。
・楽器、楽器のメンテナンスに必要なもの、消耗品の寄贈：約55万円
ピッコロ・フルート・クラリネット・トランペット・チューバ・ペグ(2個)・松脂・ペグコンポジション・肩当て(10個)・ヴァイオリンケース(2個)・コントラバス弓ケース・ヴァイオリン4/4弦(56本)・ヴァイオリン弦3/4(44本)・ヴィオラ弦(4本)・チェロ弦(4本)・コントラバス弦(4本)・ヴァイオリン弓(15本)・ヴィオラ弓(2本)・チェロ弓(2本)・コントラバス弓(2本)・・・(全て新品)
(その他、WSOをご支援くださる方よりご寄付いただいた楽器・消耗品も多数寄贈しました。)
・練習会場賃料、楽器修理費、スタッフ渡航費、音大生学費、現地スタッフ人件費：約70万円
弓の毛替え(16本)、現金による支援
・クラウドファンディング手数料、リターン費用：約45万円
・余剰金は今後、音大生の学費や、TCOの運営、火災に遭った子どもたちの生活費等、トンドにおいて必要なことに随時利用させていただきます。
支援の様子は以下の動画をご覧ください。
【リターンについて】
演奏のお返しを選択いただいた方以外には、リターンをお送りいたしました。
演奏につきましては、新型コロナの終息後、ご連絡いただけましたら対応させていただきます。期限は設けておりませんので、ご安心ください。
【今後について】
日本及び世界において、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっています。フィリピンにおきましても、感染者数は5000人近くなっており、ASEANでは最多となっています。ロックダウン状態にあることもあり、ワールドシップの職員もフィリピンを訪れることは当面難しい状況です。それに加え、ワールドシップが主催しているワールドシップオーケストラのプロジェクト開催もできない状況にあり、財政的にも厳しい局面にあります。
現在、新たなクラウドファンディングも計画しております。立て続けにご支援をご依頼するのも気が引けるのですが、当団体が存続できない限り、トンドにおける団体の支援も困難になります。クラウドファンディングを開始した際には、またご協力いただけましたら幸いです。
少しでも早く、世界の混乱が終息し、音楽を世界中の子どもたちに届ける活動が再開できることを祈っています。
今後ともNPO法人ワールドシップ、トンド室内合奏団を、どうぞよろしくお願いいたします。
NPO法人ワールドシップ代表 農澤明大
