2024年1月28日「優しい悪魔」

オホーツク海で「流氷の天使」として知られるクリオネ。南極海にもいます。おなか
が空っぽならば、ピンクのかわいらしい生き物です。クリオネは翼足類（よくそくる
い）の仲間で、その名のとおりつばさのような足をぱたぱたさせて泳ぐ姿は天使が舞
いおりてきたかのよう。しかし、おなかいっぱいに入っている黒っぽい何やらは同じ
翼足類のリマシナ。リマシナの背後から静かに近づき、とつぜん頭部から突き出す
ブッカルコーンとよばれる道具でもって、リマシナをとらえて呑み込みます。その映
像はYouTube等でみられると思いますが、子どもはよろこぶか泣くかどちらかだと思
います。写真は南極水族館で撮影。水族館は、おかげさまで連日多くの観光客でにぎ
わっています。じつはこの生き物、放っておくと水槽の底でじっとして動かなくなり
ます。どうみてもこのお腹が重すぎるようにみえます。水槽なら底がありますが、海
なら深い海まで沈んでしまいそう。