【活動報告】ネパールでの取組状況について
大変ご無沙汰しております。
NPO法人チャリティーサンタで代表をしています、清輔（きよすけ）夏輝です。
「フェルトマスコットでつながる国際協力｜ネパール女性の仕事を作りたい」のクラウドファンディングから約1年が経過しました。昨年はご支援をいただきまして、本当にありがとうございました。
社会状況に伴う影響も含めて、取組の進捗についてご報告いたします。
この１年の間に、新型コロナの長引く影響、オミクロン株の流行、ウクライナ侵攻など様々な出来事がありました。ネパールでもこれらの出来事に影響を受けています。
※注意※
記載している内容は、現地スタッフからのヒアリングをした内容です。現地を訪問して確認したものではありませんので、一部間違いがある可能性があります。また、文章内では「ネパール」とひとまとめにしていますがネパール全域で同様の状況とは限りません。そういった点についてはご了承ください。
新型コロナによる影響
新型コロナ（オミクロン株）による影響は日本よりも遥かに大きく、ロックダウン（都市封鎖）による交通インフラ（バス）が停止するなどで、女性たちが仕事場に通えない時期も数ヶ月単位でありました。
また、首都カトマンズから約1時間かけてフェルト制作の先生に来てもらっているのですが「先生が工房に来れない」という事情も、今回の新アイテム制作に大きな影響を与えています。
働いてきた女性たちの中には、街での生活を一旦諦め、故郷の村に戻って自給自足の生活をする人も現れました。街での生活には何かとお金がかかり、夫や家族の仕事（現金収入）がなくなってしまい生活が立ち行かなくなってしまったからです。「村に戻れば（最低限だけど）なんとか食べることができるから」とのことです。
力不足ですが、まだこのプロジェクトで得られる収入だけでは一家を支えることはできていません。そんな中でも、村に戻った女性たちの中には「街に帰ってきたら必ず仕事に復帰するから」という声をもらっています。
ウクライナ侵攻の影響
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、直近の1-2ヶ月の間に急激な物価上昇で多くの人々が困っている状況です。もともと隣接するインドや中国から輸入に頼っている側面にあり、日常生活に大きな影響が出ている様子です。
具体的には、ガソリン代が値上がりした影響で、毎日通勤で使っていたバス代は2倍に。ガソリン代の値上がりとともに輸送コストが上がったことで、様々なものも合わせて値上がりしているようです。
例えば、日常的に食べるお米の値段も1.5〜2倍になり、普通に仕事をしても手元に残るお金がどんどん減ってしまう…とみんなが口にしている状況でした。
これらの対応について
これらの状況を受けて、以前から検討をしていた女性たちの給与アップを決断しました。なお、女性たちにはスキルに応じて４段階の給与テーブルを設けていますが、すべての段階で給与アップを行いました。
なお、現在のところ合計６人の女性が継続して働いています（４人が以前より継続、新たに２人のトレーニング中※）。
※仕事にやる気のある女性を随時募集し、簡単なトレーニングからスタートし適正と継続力を確認、本採用につながる形です。
スケジュールについて
まず、スケジュールについては想定しておりましたが、予定通り進行していないことをお詫びいたします。
当初プロジェクトページには、下記のように記載していました。
＝＝＝＝＝
2022年春頃 支援者様への先行での限定案内
2022年夏頃 在庫が整い次第、国内での販売開始
※これまでの経験からスケジュール通りに進行しない可能性は高いです。大幅なスケジュール変更がある場合は、ご支援者の皆さまにご報告いたします。
※新型コロナウイルスの蔓延状況により、ロックダウンが行われる場合等は、取り組みが一時的にストップする可能性があります。
※2022年5月末まで、フェルト商品の企画･開発と、それに伴うプロジェクト管理の事業を継続したことを以って、プロジェクトを終了とします。
＝＝＝＝＝
ここまで記載したとおり、外的要因も大きく影響し、スケジュール通りに進行しない形となっています。
現状はまだ試作品を作っている段階で、皆様にご案内できる状況にはありません。また、現時点ではいつまでに国内で販売できるかの目処も立てられない状況です。
しかしながら、今後も粘り強く活動を続けて、女性たちの自立とクオリティ高い商品の開発を目指していきます。目処が立ち次第、支援者の皆様にはいち早くご共有していきますので、もう少々お待ち下さいますようお願いいたします。
収支報告について
皆さまからご支援頂いた資金は、当初の計画通りネパール女性のために全額使用させて頂く方針です。残っている資金についても同様に2022年度にネパール女性たちへの活用させていただきます。
収入：1,878,030円 ※Readyforの手数料を除いた金額
支出：1,029,000円 ※以下内訳
※1円＝1ネパールルピーで計算。
2021年7月〜2022年5月（11ヶ月分）の支出内訳
ネパール女性の人件費（7人分※トレーニング中も含む。途中離脱の女性も含む） 819,500円
フェルト制作の先生への支払い 75,000円
材料費 30,000円
工房の家賃 104,500円
合計 1,029,000円
※コロナ影響により稼働日が減ったため、すべての項目において当初の予定より減少しています。
今後について
現在、新型コロナの影響は落ち着きを見せており、このタイミングで新アイテムの制作スキルを上げ、日本向けのクオリティに上げていこう、という話をすすめています。しかしながら、日本人の私達の考えるスピード感とは異なり、じっくりと向き合っていく所存です。
女性たちの給与アップも行い、今後街へ戻ってくる女性たちが増えてくると、資金も更に必要になってきます。改めて今回のプロジェクトである「通年で販売できるアイテムの開発」が必要となります。
日本側でできる準備は粛々と進めつつ、子どもたちのために頑張る女性たちをあたたかく、時に叱咤激励しながら見守っていきたいと考えています。
今後も不定期にはなりますが、皆様にもご報告していきたいと思いますので、私達と一緒にネパールの女性たち、そして子どもたちをあたたかく見守っていただけますと幸いです。
